商品情報2023年11月号をお届けします。TOPICS!!
☆ガソリン補助を4月末まで延長か。高速道路の割引拡大も盛り込んだ政府案を提出。
☆ドル円が151円台前半まで下落。日銀の政策決定会合で長期金利の上限を1%めどに変更も
円安に歯止めがかからず。
サンマ
10月初旬までは道東沖も、平年より5℃程度高めの20℃近い表面水温にて、サンマ操業域はEEZ外海
域主体となっていた。しかし次第に千島列島沿いに13~14℃帯の冷水滞が差し込み、表面水温は一気に
低下。その結果か、4年ぶりとなる日本近海の岩手県沖海域にも魚群が形成され、1航海当たりの漁獲日
数が減り、比較的鮮度の良好なサンマの水揚げが続いた。ただしこの近海の漁場も長続きはせず、10月
20日前後の時化明けは反応がほぼ無くなり、大型船の多くは再び魚群を求めて公海漁場へと沖だし中で
ある。現状のEEZ外海域における魚群組成は更に小型化が予測されており、100g以上の魚体組成が10
~20%程度と低調が継続し、昨シーズン以上に原料サンマの入手が困難化する雰囲気である。
◆台湾サンマ船凍船 操業21週目
9月に入っての操業16週目ころから、水揚げ量・サイズ組成ともに復調していたものの、結果的に2週
間程度で以前と同じ程度の低調に移行。サイズ組成も4~5號サイズで80%を占めるなど、現状漁獲で
きているのはほぼ当歳魚のみの群れであると推測される。そういった中11月の操業を切り上げ早期に帰
港する船も散見されるようになった。これらの船倉庫内の漁獲サンマは60~70%が6~8月漁獲の所謂
「餌喰いサンマ」主体であり、質の向上する今後の10~11月漁獲サンマが増産されなければ、日本側が
入手できる船凍サンマは例年以上に品質には留意が必要となりそうである。
サ バ
・大西洋サバ
今期のノルウェー枠の249,870mtのうち、約90%を消化しました。
UK域での漁獲中心で、ノルウェー域での漁獲は非常に貧しい状態が続いております。
現在、トロール操業での漁価は巻き網との大差がない上、水産物流通適正化法による原産地の問題で日
本側の買い付けはあまり進んでいない印象です。
しかし、他国からの引き合い強く現地在庫は少なく、このまま強含みにて推移すると考えます。
・国産サバ
銚子地区にて若干の水揚げが見られましたが、100-300gが中心と小型で延縄餌用、缶詰用で一部取引が
されたようです。その後は水揚げ続かず相場帯は見えてきておりません。
鮭鱒類
・チリ銀鮭
新物が始まった銀鮭ですが、現地との価格交渉が折り合わず、想定価格よりも高くスタートしたようで
す。日本より他国の引き合い価格高く、想定よりも高い価格にて推移しております。
しかしながら、現地での生産数量は多いため今後のチリ側との交渉において委託販売にて横這いから弱
含みの相場想定の予想となります。
・トラウトサーモン
一部委託販売にて相場が大きく下落している状況ですが、一方で現地の水揚げ単価高いにも関わらず消
費は順調進んでいるため今後の相場は若干の上げ相場になると予想しております。
しかしながら日本国内においてトリム製品は銀鮭での需要が近年高くなっているため、国内相場は横ば
いでの推移になると予想します。
・アトランティックサーモン
9月までは相場が下がっていましたが、年末需要に向けてノルウェー産、チリ産共に水揚げ単価は高騰
しております。
九州水揚げ情報(松浦・長崎)
◎大型旋網
・アジ
アジは西沖漁場主体の水揚げで日産/50-100mt。
120-180gが多く浜値k/@330-280前後。
スタートは鮮魚・生切用の買い付けが強かったですが、落ち着きを見せてきています。
身脂はかなり薄いですが、ほぼ干物向けの買付継続中。
◎小型旋網
・イワシ(長崎/松浦)
小イワシ・小ウルメ主体の水揚げで日産/100-150mt。
浜値k/@85-70で餌向けの買付。
少量ですが90g前後のイワシ水揚げあり。
鮮魚相場で浜値k/175-100で推移しています。
・ヤズ
ヤズ2.5k-3kサイズが250mt/日ほど水揚げ中。
浜値k/@240-175レベルで鮮魚・生加工・凍結が買付しています。
・長崎底曳物
レンコダイ主体で3-4日に一回の水揚げ。日産/3-5mt程度。
浜値k/@450-250で鮮魚主体で流通しています。
養殖魚
・真鯛
天然真鯛が少ない上、在池量少ないため上がり基調。
900円-950円/kgラインで推移しています。
・カンパチ
在池量少ないため、ここに来て少し上がり基調。
1600-1650/kgラインで推移しています。
サワラ・サゴシ
日本・中国・韓国、原料状況は秋口になり漁獲が見え次第、更新致します!
===2023年秋状況====
・中国 / 韓国
中国は全体的に大幅な不漁、韓国は大型サイズは纏りを見せたものの小型サイズは中国同様に不漁で、
原料状況は全体的に不足感があります。
・日本
先月に引き続き各産地とも水揚げが少なく、鮮魚出荷となっています。
凍結在庫は、200-400gの小型のみの状況です。
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・サワラサゴシ製品
大型サイズは入荷安定していますが、引き続きの円安のため輸入原価が上昇しています。
中・小型サイズは変わらず少ないです。
荷動きは、夏場低調でしたが中小型サイズを中心に復調傾向に入っています。
ウナギ
・中国産
中国国内の需要が高まり相場は9月中頃から高騰しております。福島の放水の件もあり、海産よりも川
魚を食べる需要が増えたことが原因の1つともいわれております。今年のシラス漁次第で大きく相場が
変動するのは変わりありませんが、国内在庫が薄い為、一時的な相場高騰がしばらく続くとみられます。
・国産
池上げ価格は夏場に比べると下がっていますが、冷凍蒲焼の在庫を各社余しているため引き合いは弱い
です。しかしながらシラス不足であった為これ以上下げるのは難しく、12月からのシラス漁が不漁であ
れば製品と共に再度値上げも予想されます。
冷凍野菜(中国)
今月も価格帯の安価な冷凍野菜類は好調な売り上げが続いています。
里芋の新物原料の収穫が徐々に始まっており、今年度の価格が出始めています。
昨年倍近い値上がりをしましたが、今年度はドルベースで1割程度安くなる見込みです。
しかし、為替の影響で円貨では1割までは下がらず、若干の値下がりに留まる見込みです。
その他冷凍野菜については、為替の影響で製品コストが徐々に逼迫してきております。
各商社は$1=150円より安くなるかどうかを判断基準として今後の値上げを検討しており、140円台後半
で推移していた10月については、一旦は据え置きの企業が多いようです。
スルメイカ/アメリカオオアカイカ(中国)
・中国スルメイカ
9月末まで水揚げサイズは250g以下がほとんどでした。
10月中旬以降250g以上の原料の水揚げが始まる予定です。
今年度の中国全体での水揚げ量は昨年の3分の2以下になると予想されており、原料相場は今後も上が
っていくことが予想されます。
・国産スルメイカ
中心サイズが14000円/箱代から下がることが無く、フリー在庫で買い付けが行える企業は僅かなようで
す。
アサリ
先月から大きな変動はございません。
引続き原貝高騰に加え、アメリカ向けの輸出が滞っているためか大型サイズは荷動き悪いため若干の弱
含みです。小型サイズは中国国内での販売が堅調なため横ばいでの推移が続いております。
日本国内販売価格は、全体的に殻付き、むき身ともに昨年と大きく価格は変わらず推移中です。
パンガシウス
主要販売先であるアメリカからのオーダーが予想より少なく荷動き悪い模様です。
そのため、現地ドル価は例年であればクリスマス商圏向けに値上がりしていきますが、落ち着いた状況
が続いております。
国内販売価格に関しては大幅な円安を受け、利益切迫のため若干の値上げ打診をしているメーカーも出
てきております。
スケソウダラ
今月15日ロシアBシーズン解禁致しました。
このロシア産スケソウについては、EUの免税制度除外の検討となっており、今後の動向に注意が必要で
す。DAPについては、11月1日までの漁期でありますが、現行ペースでは期限内満枠達成見込み。
国内製品については、円安ながらも製品の荷動きが良くないため、相場は横ばいから弱含みで推移して
おります。
日米各種指数の推移
各種指数の推移
米国と日本の景況感
8月から9月にかけては日経平均株価指数が二か月連続で下落しました。
しかし、年初来から比較すると当該指数は24%上昇しており株価から読みとれる景況感は良いと言え
ます。また、利益や配当金についても過去最高額を記録する企業が多く存在しています。
10月初旬に$1=150円台を付けたことをきっかけに、日銀が為替介入を行い一時は147円台まで円高
が進みました。
しかし、日米の金融政策の方針が大きく変化していないことから、市場は今後も日本と米国の金利差が
広がると予想し再び150円近くまで安くなりました。
10月下旬現在、再び150円台まで安くなり今後も円安水準はしばらく続くことが予想されるため、輸入
品の価格は右肩上がりになっていくと思われます。
その影響で製品の価格が上がり、実質賃金が低下し続ける日本ではいずれ不況が訪れることが予想され
ています。
用語
日経平均株価指数…日本を代表する上場企業225社の株価の平均値。
S&P500指数…米国を代表する上場企業500社の時価総額を指数化したもの。
CPI…消費者物価指数。末端価格の変動を示す指標。