【7月号】水産マンスリーレポート

毎度格別なお引き立てに賜り心より御礼申し上げます。商品情報2025年7月号をお届けします。

 

〇九州前浜

  • 大型船

・アジ(対馬):1,460mt

鮮度並~悪 身脂薄~薄々 魚体:やや長手(鮮魚・冷凍)

130g: 10mt  浜値K600~K360円

120g:150mt 浜値K500~K150円

110g:300mt 浜値K400~K110円

100g:300mt 浜値K350~K110円

90g: 500mt   浜値K290~K100円

80g: 200mt  浜値K240~K100円

 

・アジ(東海):1,385mt

鮮度並~悪 身脂あり~薄々 魚体:丸みあり~やや長手(鮮魚・冷凍)

130g: 25mt  浜値K400~K250円

120g:110mt 浜値K300~K80円

110g:100mt 浜値K250~K80円

100g:500mt 浜値K250~K80円

90g: 500mt  浜値K220~K80円

80g: 150mt  浜値K160~K80円

 

・ローソク

100~200g :450mt    180~53円/kg

・ゴマローソク

450~650g:400mt  177~117円/㎏

  • 松浦小網

・ローソク

100~300g :2000mt –155~43円/kg

※先月同様、小網水揚げ分は凍結できない状況

・ゴマローソク

450~650g:60mt  146~107円/㎏

 

・イワシ

40-80g  :300mt-70-25円/kg

 

  • 長崎小網

・小イワシ主体(530mt)

50~80g : 150~40円/㎏(鮮魚・餌)

・アジ(380mt)

120~90g

浜値400~160円/㎏(鮮魚・生切・冷凍)

 

・ブリ 長手 脂薄め

4-5K  :30mt K320~290円(鮮魚)

 

 

〇サンマ

11月で国内もサンマ操業が終漁しており、また年明けも秋刀魚商流に顕著な動きも無いため、しばらく休載致します。

 

〇ズワイガニ

・カナダ

4月から漁が始まったニューファンドランド地区、昨年に続き増枠となりました。それを見越して、日本側は下げ相場を期待するも米国の予想以上の引き合いの為高値で維持され、日本向け買付は限定的な状況となっています。

 

・ロシア

極東オホーツク漁では、潤沢な漁が続く中、供給先は、中国・韓国向けの活ズワイガニが主力となっています。その中、一部の漁船が船凍品を生産されていますが極僅かで限定的な様子となっています。その為6月韓国釜山で行われたオークションでは、韓国国内向けの買い意欲が強く。対日向けは、買い負けとなった状況です。その中、バレンツ海産、大型サイズについては、中国、韓国向けの活で取引となり、小型サイズは昨年に続き、対日向けのパーツの生産と、生冷セクションの生産となっています。

 

・ノルウェー

1月から開始されたズワイガニ漁、大半の在庫は完売され、僅かにある在庫は、欧州向けで販売されている状況です。現地では、既に、2026年に向けて準備が始まっています。

今後、原料・製品共に国内在庫が課題で、相場は、若干の強含みで推移すると予測します。

 

〇タラバガニ

・ロシア

端境期である為新たな搬入の見込みはありません。極東オホーツク海産・バレンツ海産共にズワイガニ同様、中国・韓国向けた活での扱いが周流となっており、冷凍は、小型サイズのみと限定的です。

 

 

・ノルウェー

4月の禁漁以降インショアーだけで漁が行われていますが、品質の問題から、国内の観光客向けの活での扱いが主体で、冷凍の扱いは、秋以降まで見通しは薄いようです。

 

〇樺太ししゃも

・原料状況

原料のシーズンは終了いたしましたので次のシーズンまで休載いたします。

===2025年原料シーズン===

アイスランドの少量の枠もほとんど親生産に回らず、卵の生産に回ったため大型原料は今後不足感が強く、ノルウェーの禁漁も相まって全体的に強い不足感が続いております。在庫が限定的な事から引き続き原料価格がより高値になることが予想されます。

 

・製品状況

不足感が一層強くなっている印象です。値上げは新物価格まで上がってきており、大型サイズ(15g以上)は市況から消えている状況。

引き続き、末端の量販との交渉が続いており今後の動向に注視が必要です。

 

〇鯖

・大西洋

7月からアイスランド、フェロー、グリーンランドでの水揚げが始まっております。

まだ品質は落ち着かない様子ではっきりとした値段は聞こえてきておりません。

来月には各産地の値段が徐々に出てくると思われます。

先月と特に変わらず製品は特に不足感無い状況ですが、新物原料の更なる値上げが見えているため、各社在庫を少しずつ絞っている印象があります。

今後の動向に注視が必要です。

 

〇鮭鱒類

・銀鮭

チリ銀鮭の対日向け輸出量はドレス・トリムC・定塩・トリムE合わせて約13万mt。

日本以外の国向けは約8.5万mtとなっております。対日以外での販売が好調な様子で引き続き海外の引き合いが強いことが見込まれます。8月から新シーズンは予測総生産水揚げ量は20.5万mtと予測ほぼ同数ではありますが対日向け数量が減る予想。対日向けの総製品重量は約11mtと予測、日本以外の輸出量は約9.5万mtと予測。ドレス換算でも8割減の予測。日本側が為替の不安感から先物の成約が取れず、チリとの交渉が長期化する予測。チリ現地定塩フィレなどは増産予定、トリムも昨年並みの生産を予測。

国内の銀鮭に関しましては6月時点では相場が急落したものの8月以降の新物搬入がスムーズに搬入されないことから、7月の相場はこれ以上の下落は無く、横這いの予測です

 

・トラウトサーモン

引き続き生産、水揚げ数量が限定的であった為、横ばいの相場状況ではありますが、アトランティックサーモンの水揚げが好調で、相場下げていく影響を受け、7月以降の相場がアトランティックサーモン次第でどのように変動するか、注視が必要です。

 

〇うなぎ

・中国

池入れ数がここ近年で最大となっており、活鰻の相場は若干下がっているものの、3尾/1kg以上の大型サイズが現状少ないようであり、4尾/kg以下のサイズの池揚げ価格は下がっているものの、3尾/kgサイズ以上の大型は横ばいの状況です。しかしながら中国産冷凍蒲焼製品は先の不安感から日本商社のオーダーが入らず、国内在庫は思った以上に少ない状況です。一部の商社が相場を下げて販売はしているものの、7月の土用の丑の日までの大きな相場の下げは見られない様子です。9月以降のスライスなど回転ずしチェーンなどのオーダーにて相場がどこまで押し下げられるか注視が必要です。

 

・国産

日本のシラス池入れ数量も18mtとなり、これ以上は池入れする業者もほぼ無い状況です。(廃業した業者がここ数年で発生しているため、池入れ数量が限られてます。)

活鰻の販売は順調で、外食などの需要があり、相場も若干の軟調気味になっております。量販店向けの製造がここ数年の荷余り感から慎重となっており、荷物も少ない為大きな相場の下げは見られません。

土用の丑の日以降の相場に注意が必要となります。

 

※EUによる11月に開催される野生生物の国際取引を規制するワシントン条約会議に『世界のウナギ目19種を一括して掲載提案する』と決まりました。

東アジア諸国は否決される様に働きかけることから恐らく否決される予測ではありますが、土用の丑の日直前の発表によるメディアなどの風評による販売低下が心配されます。

 

〇サワラ・サゴシ

・中国サゴシ

原料状況は11月中旬で水揚げ終了している為、暫く更新を休止致します。

====2024年原料状況===

新物水揚げは、前年対比50%~60%で数量は少ないものの、サイズは例年よりも大きめです。

日本向け原料凍結は、11月下旬に終了し、その後は中国内販向け鮮魚出荷になっています。

 

・韓国原料

新物水揚げは1月末でほぼ終了。

中国サゴシと同様の状況で、サワラ・サゴシともに前年対比で減少しています。

サイズは、サゴシが例年並み、サワラは2㎏以下の小型が多く、3㎏UPの大型が少ない状況です。

原料価格は、身質の向上に合わせて11月中旬から値上がり傾向となり、その後は横這いとなっています。

 

・日本産

水揚げが少なく、ほぼ鮮魚出荷の状態です。

サゴシは、日本海定置と旋網で昨年11月に原料凍結もありましたが数量は多くない状況でした。

 

・サワラ・サゴシ製品

サゴシ製品は、中国産の値下がりによって値ごろ感が出てきており、春需要を通過したものの引合い

継続しています。

サワラ製品は、横這いの荷動き状況です。

 

 

〇開きキス

先月と変わらず大型サイズの水揚げ多く、小型サイズ品薄が続いている状況。

 

550gに対して

15、20尾・・・約50%

25尾以下・・・約50% *少しづつ小型サイズも漁獲

50尾以下・・・品薄  *ほぼ漁獲無し

上記製品アソートに対して、国内での引き合いは小型サイズが多い。

夏場の販売最盛期に向けて製品の荷動き注意必要です。

 

 

〇アサリ

先月報告と大きく状況変化なく、当初の予定より増の昨年並み又は昨年以上で推移中。

アソートも大型寄りのため、殻付き製品は横ばいで推移予想ですが、ボイルムキ製品は、2L、Lサイズは弱含み予想となっております。

 

〇パンガシウス

主要産地であるベトナムでは、アメリカ向けオーダーがいまだ多く、高値横ばいが続いております。

この状況は少なくても7月中旬までは続くと思われますが、その後米向け出荷の状況によっては反転する恐れもあり、今後の取扱いの注意が必要です。

 

〇ペルーイカ(アメリカオオアカイカ)

漁獲枠の引き上げに伴いペルーの漁業者が一斉に操業を行い、6月中旬には約30万トンの枠があっという間に消化されてしまいました。そのため6月下旬以降は禁漁となりました。ペルーイカは餌とイカ釣り船の光に集まる習性があるため、禁漁が始まるとしばらくは群れが離れてしまうことから、禁漁が1か月程度で解除されても改めて水揚げが期待できるのは秋以降になるのではないかと考えられています。

日本国内の相場観については、一時的に相場の下げがみられましたが、禁漁の情報が入り次第、各社慎重な動きをしています。中国側については、製品価格を20%ほど下げてのオファーが続いていますが、期間は限定的になるのではないかと予想されます。

 

〇スルメイカ・マツイカ

ペルーイカの下落につられて、6月はマツイカの製品価格も10%程度下落しました。

しかし、ペルーイカ禁漁による再びの値上がり懸念などから、国内相場は崩れることなく1000円/㎏台前半を維持しています。今後のマツイカ相場については、ペルーイカの相場の変動も大きく影響しそうです。

 

〇冷凍野菜

山東省は各品目が概ね順調に生産されました。ゴボウの新物も順調であり、今後は例年並みへ下方修正が予想されています。昨年は7月からの降雨量が多くなったことで夏野菜が軒並み高騰いたしました。本年も今月からの天候に注視が必要となります。

南部各省も6月は順調でした。ただ、枝豆は旱魃の影響で莢付きは製品向け原料に不足ありましたが、ムキ実については不問です。ナス、南瓜も順調であったので今後の山東省での生産分も例年並みに推移すれば小幅ながら価格下方を期待する状況です。


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