【12月号】水産マンスリーレポート

毎度格別なお引き立てに賜り心より御礼申し上げます。商品情報2025年12月号をお届けします。

 

〇九州前浜

  • 大型船

・アジ 429mt

鮮度並~悪 身脂薄々~無 魚体:やや長手~長手(鮮魚・冷凍)

600g: 18mt  浜値K650~K220円

500g: 10mt 浜値K700~K180円

400g: 16mt  浜値K550~K220円

300g: 35mt 浜値K800~K260円

200g: 50mt 浜値K650~K200円

150g: 60mt 浜値K670~K160円

130g: 30mt  浜値K600~K150円

120g:130mt 浜値K500~K170円

110g: 90mt 浜値K450~K130円

 

・サバ 2113mt

鮮度良~悪 身脂薄~無 やや長手

800g     13mt  浜値K1110~370円

700g    170mt  浜値K850~K280円

550g    500mt 浜値K670~K280円

450~500g 750mt 浜値K780~K220円

350~450g 280mt 浜値K580~K260円

250~350g  280mt 浜値K250~K100円

100~200g 120mt 浜値K150~K95円

 

  • 松浦小網

・サバ 160mt

鮮度良~悪 身脂薄~無 やや長手

250~350g  80mt 浜値K250~K100円

100~200g 80mt 浜値K135~K100

 

・ゴマローソク 鮮度悪

150-250g 230mt 浜値K230~111円

 

  • 長崎小網

・イワシ

20-40g  :920mt  浜値K71-50円/kg

 

・アジ 240mt(鮮度良~やや弱 長手~やや長手 身脂無~薄々)

250~80g   浜値K930~200円(鮮魚・生切り)

 

ブリ 50mt(やや長手 脂薄々)

サイズ6-3K   浜値K790~300円(鮮魚)

 

〇サンマ

国内棒受け網船

2025年11月22日時点、サンマの国内累計水揚げ量は56,057トンで、昨対146.5%の漁獲量となっており、散発的に継続する時化の絡みも有るのか、先月末より更に水揚げ量は減少傾向です。ただ漁場が三陸から常総沖のみの操業となってからは、漁場が近いことも有り何度も総水揚げ量が1,000トン台にまとまる機会がありました。ただしサイズの組成は時間経過につれ小型化が進んでおり、12月1日現在では漁場は銚子のすぐ北まで漁場が南下、100g以下組成が90~100%となり浜値自体は100円以下も出ているが、ほぼ輸出向けの冷凍などとなっている。

今期はもう漁期最終場面も近いという様相であるが、安い浜値でも枠がある限り漁獲継続し、それを海外に販売してしまうような流通内容よりも、小さな魚は来期また大きくなって戻ってこられるように一定量を残しておくのが、本来の漁獲枠にのっとった資源保護になります。現状の漁獲枠設定には、まだまだ本来すべき資源保護につながっていない欠点があるのではと、専門家からは指摘されています。

 

〇ズワイガニ

・日本

国産(松葉ガニ)漁、11月6日に解禁となった松葉ガニ漁、順調に取引が進んでします。外食業界では、安価が理由で流通されていたロシア産ベニズワイ、トゲズワイの搬入が縮小の見込みから北海道で水揚げされるオオズワイガニの取引がフォーカスされています。

 

・アメリカ

アラスカ漁、今年約4,200トンの漁獲枠が発表となりました。昨年(2,140トン)同様に米国国内での消費が中心となることから、価格の目安となるものの日本向けには影響が少ないと推察されます。

 

・ロシア

中国の活需要減から生産者側が調整を行った結果、冷凍品の生産、搬入が増加となりオークションが行われましたが、在庫の滞留から価格は下落で取引となりました。

 

・カナダ

在庫は生産者の手から離れて米国国内在庫です。年末に向けて順調な取引から、サイズによっては在庫薄が見込まれています。

 

・ノルウェー

現地国内在庫は無く、1月1日にオープンに向けて準備が進んでいます。生産は、トランプ関税15%の影響から、他国への拡販に注力中です。

 

以上から、相場はサイズ次第では横ばいと推察とします。

 

〇タラバガニ

10月からオープンとなったアラスカ産、1216トン(昨対16%増)とズワイと同じく僅かである為大半を米国内で消費されると推察されます。一方、8月から始まった極東ロシア産、品質難から活での供給が主体となり順調に枠を消化しています。品質面から11月以降から冷凍品が順調に生産中ですが年内の搬入の見込みは薄い様子です。引き続き、極東を中心に活での中国需要増から冷凍品の生産が少ない見通し。但し、国内需要の見通しは昨年並みから現状維持で推移すると予想します。

 

〇樺太ししゃも

・原料状況

*次の更新は1-2月になります

 

・製品状況

先月に引き続き、小型中心での販売も各社在庫の底が見えてきたため数量を限定しての販売、または終売をする業者も増えてきております。

 

〇鯖

・大西洋

先月報の通り、秋シーズンは終了しました。

次は1月のトロールになりますが、来年の漁獲枠が大きく減ることが予想されており、秋シーズンから大きく値段が変わる事は無いと思われます。

製品は各社値上げを行ってきており、安価な製品は市場から徐々に消えつつあります。

 

〇鮭鱒類

・銀鮭

アトランティックサーモンの相場回復、秋サケ不漁、為替レートの問題などにて国内相場が高騰しております。チリ現地からのオファー価格も0.5ドルほど値上げしてきており、サイズも大型サイズ中心として4/6サイズの仕入れが難しい状況となっております。生産量としては昨年よりも5%ほど多くなる予想ではありますが、大型化している為、主となるサイズの切り替えが今後出来るか、加工屋筋の頭を悩ませる状況となりそうです。トリム製品も搬入遅れにより、年内の在庫が品薄となり、こちらも相場が高騰しております。しかしながら年明けには搬入がある為、在庫過多になるかどうか注意が必要です。

 

・トラウトサーモン

先月報に引き続き、トリムCの生産が来年の3月まで見込めないとの事で、国内のトリムCの不足感が出てきており相場が強くなっています。トリムEの生産中心となり、トリムEに関しては相場横這いではあります。ただ、年末向けにて状況変化によっては今後強くなることも想定されます。

 

〇うなぎ

・中国

ワシントン条約締結国会議にてウナギ目に関する規制提案は否決され、12月5日の本会議で最終決定され、今後の取引に影響は無いと思います。12月に入り、シラスウナギの採捕解禁となりますが、11月から始まっている台湾のシラス採捕に関しては大きな漁獲は無いものの、関係筋の予測では昨年並みの漁獲が見込めるのではないかと予測しており、3日からの月夜の大潮にてまずは1回目の採捕量に期待されます。ロストラータ種も昨年より多く池入れしており、池上げ価格は今後の漁獲次第では下がる傾向にあると思われます。現状は冷凍製品在庫少ない為、ロストラータ種は価格横ばいから若干の上げ、ジャポニカ種はやや下げの状況になっております。

 

・国産

先月報に引き続き、今季のジャポニカ種シラス漁豊漁を受け、国内先安感が広がっていましたが、国内シラスの成熟は来年以降のため未だ横ばいにて推移しております。

 

〇サワラ・サゴシ

・中国サゴシ

====2025年原料状況===

新物水揚げは前半を終了しました。12月以降は中国内販向け鮮魚出荷が主体となります。

数量面では少なかった前年並みでは有るものの、他の近海魚が少ないため浜値上げてきている現状です。

 

・韓国原料

====2025年原料状況===

前半の水揚数量はサワラ・サゴシともに前年並みでしたが、サゴシは11月以降に急減速しました。

その不漁化に伴ってサゴシは原料価格が上昇中です。

サイズは全体的に小さく、サゴシが600-700g主体、サワラも1-2.5㎏が多く揚がっています。

3㎏UPが少ない状況で、大型サイズは原料価格が上昇中で主にベトナム内販向けとなっています。

 

・日本産

先月報に引き続き、サワラ・サゴシとも水揚げ少なくほぼ鮮魚出荷の状態です。

冬場にかけて日本海で水揚げシーズンに入ります。

 

・サワラ・サゴシ製品

価格は一旦底打ちし、暫く横這いで推移すると思われますが、今後は円安により原価が上昇するため徐々に値上がり傾向に入る可能性があります。

 

〇アサリ

今年は春漁、秋漁ともに順調に水揚げされ、身入りもよく、昨年は少なかった大型サイズも問題なく供給されました。来年も堅調な水揚げ予測の為、為替次第ではありますが、相場は横ばいから弱含みで推移すると思われます。

 

〇パンガシウス

主要産地であるベトナムでは、前月から年末需要・年明けのテト前オーダー増によりアメリカやヨーロッパ各国からの引き合いが強く横ばい~強含みが続いております。

日本向けは、この1か月の急激な円安による各社輸入コストUPとなっております。

日本国内の荷動きは、相変わらず安価商材が少ないことから引き合いが強い状況が続いており、今後も輸入量増となる見込みです。

 

〇ペルーイカ(アメリカオオアカイカ)

今月のペルーイカ情勢については、ペルーおよび中国のブローカーが原料在庫を多く保有していることが大きな要因となり、ベタ原料価格は先月比で10%以上の下落となっています。

一方、中国工場での製品相場もおよそ5%程度下落しているものの、為替の円安が影響し、日本向け製品価格は想定ほど下がっていない状況です。また、現地の在庫過多は今後も続く見込みで、12月に入りさらに値下がりが進む可能性も指摘されています。国内相場については、販売の動きが鈍く在庫が積み上がっていることから、市場では投げ品が散見されるなど、弱含みの状況となっています。

 

〇スルメイカ・マツイカ

中国からの製品価格については、スルメイカ・マツイカともに先月と同水準で大きな変動はありません。

一方、国内相場では、特にマツイカ(ツボ抜き)について、これまで8,000円/箱前後で推移していたものが、直近では8,500円/箱前後まで値上がりしており、品薄感から強含みに転じつつある様子が見られます。スルメイカについては大きな変動はないものの、低水準の在庫が続いているため、今後の水揚げ動向により相場が変動する可能性があります。

 

〇冷凍野菜

先月報の通り、山東省は雨量の影響にて葉物類の価格は上昇しておりますが、主要品の価格が出揃ってきました。

為替レートは10月よりUSD:150円台へ突入し、現在USD:155円をベースにしていく必要があります。

産地状況、為替状況から葉物類は下記内容の値上がりとなります。

小松菜・チンゲン菜・白菜:10%弱

キャベツ:5%弱

ほうれん草:30%弱

今月より浙江省、江蘇省でブロッコリーが最盛期となってきます。南部エリアでも雨量影響による減産が発生している為、ブロッコリーの価格についても注視していく必要があります。

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