【12月号】水産マンスリーレポート

毎度格別なお引き立てに賜り心より御礼申し上げます。商品情報2024年12月号をお届けします。

 

〇九州前浜

  • 大型船

・アジ

鮮度良く脂なし

100-600g:180mt

浜値800~170円/㎏(鮮魚・生切り)

・サバ

前半は脂いくらかあったが、後半に入り薄くなっていった

400~700g 1475mt。

700g:15mt – 1100~350円/kg

600g:60mt – 670~250円/kg

450~500g:170mt – 520~150円/kg

400~450g:680mt – 280~150円/kg

350~400g:400mt-220~150円/㎏

 

・ローソク

250~400g :1500mt – 220~110円/kg

100~200g : 130mt – 150~110円/kg

・ゴマサバ

700~800g :45mt – 200~150円/kg

550~600g :35mt – 300~150円/kg

・ゴマローソク

250~550g:240mt – 180~90円/kg

 

  • 松浦小網

・ローソク

250~400g :850mt – 220~80円/kg

100~200g : 150mt – 140~70円/kg

 

  • 長崎小網

・小イワシ・小ウルメ・豆青アジ混り(790mt)

30g前後:80-50円/kg(餌用)

 

・マメアジ(450mt)

脂なく餌残し多い。

70-130g:450~230円/kg(生切り用)

50-60g:150-120/㎏(潰し用)

 

〇サンマ

・国内船

11月最終週の操業海域はすでに気仙沼沖まで南下しており、道東での水揚げは既に終漁しています。近年では珍しく漁場が近海寄りに形成された影響で、11月の三陸では鮮度の良い秋刀魚が水揚げ続きました。ただ魚影は非常に薄く、水揚げ量も前月を下回るレベルでしか有りませんでした。時期的にはサンマ漁も終盤戦を迎え、今シーズンも結果的には報道を賑わせた様な豊漁とはかけ離れた結果となりそうです。

 

・台湾船

実質10月2週目で満枠となり、11月下旬にはほぼすべての船凍船が、高雄での水揚げを終了しています。昨対では台湾船もサイズ小型化傾向が顕著に表れており、近年大型とされる1號サイズはほとんど組成に無いレベルまで低下しました。日本勢の買い付けは今期では大型となる2號サイズを入手することに躍起となりましたが、2號の数倍の数量で3~4號サイズの抱き合わせでないと、買付できない状況となっております。また操業前半シーズンに生産された製品にはアミ喰いも散見され、「小さくて、餌も喰っているかも知れない、高い値段のサンマ」を買い付けないといけない三重苦の状態となっています。

※独自集積データ対比(操業開始~11月)

 

〇蟹

・ズワイガニ

11月6日、日本海で解禁となった松葉ガニ漁、順調にスタートしました。一方で、今年は北海道で水揚げされるオオズワイガニが安価で取引されて日本海産の相場に影響が出ています。一方の他産地、年明けから本格的な操業となるアラスカ漁、3年ぶりのオープンとなりましたが、2,140トンと僅かな為米国内での消費が見込まれます。米国の高金利により在庫は軽減されています。対局のロシア産、主力は、活供給の為冷凍品の在庫は薄く、今後、日本国内消費も始まることから、徐々に相場は強含みで推移すると予想します。

 

 

・タラバガニ

10月からオープンとなったアラスカ産、1,050トンとズワイと同じく僅かである為大半を米国内で消費されると推察されます。一方、8月から始まった極東ロシア産、品質難から活での供給が主体となり順調に枠を消化しています。品質面から11月以降から冷凍品が順調に生産中ですが年内の搬入の見込みは薄い様子です。バレンツ海ロシア産については、コスト面で採算があっていない様子で、漁獲枠維持の為政府との成約で、72%の漁獲枠を消化したところで生産は中断しています。引き続き、極東を中心に活で中国の需要増から冷凍品の生産が少ない為昨年底となった相場が上昇傾向で市況は強含みにて推移すると予想します。

 

 

〇樺太ししゃも

・原料状況

先月から特に変わりなく2月のアイスランドが禁漁だったため原料高、円安基調で各魚種の製品は価格が上昇中。

また来年のノルウェーも禁漁が決定。ノルウェー現地の在庫もほぼ底払い在庫な印象で、在庫が限定的な事から原料価格がより高値になることが予想されます。

 

・製品状況

昨季のアイスランド禁漁によりサイズによっては不足感ありますが、基本的に海外加工製品を中心に滞りなく回転しています。上記通りノルウェーは禁漁が決定。アイスランドは1月まで状況が不透明でありますが、いくらかの枠が出ても強気な価格を付けてくることが予想されます。そのため製品価格は徐々に値上がり傾向と予想します。

 

〇鯖

・大西洋

シーズンはほぼ終了となりました。

原料は先月と変わらず、高値での取引が続いています。

製品は全体的にタイト感出てきている上、安手のものは一掃された印象。

値段も徐々に新物価格に向かって上がってきております。

 

〇鮭鱒類

・銀鮭

現地のドレス原料価格が高騰しております。各パッカーが荷物のオファー価格を7ドル/㎏から7.5ドルまでの引き上げを11月最終週に設定。国内でも荷物が出づらい事と、価格が日々高騰している状況です。池によっては生育状況が悪く、大型化出来ずにコスト高になるパッカーもあり、12月以降の更なる高騰が予想されます。原料の高騰に伴い若干遅れてはいますが、定塩銀鮭Fの製品の価格も1割ほど値上げが各メーカーからの報告があり、もう1段階の値上げも考えられます。

T/Cに関しまして、今期の生産量が2万トンを超える可能性があると当初は慎重な姿勢を現地もしていましたが、ここにきて大きく価格設定を高く変更しており、11月後半からの引き合いが強くなっております。

 

・トラウトサーモン

現地の生産量は年々減っている状況ですが、日本向けのパッカーの生産量は増えており、対日向けのトラウトトリム製品の入荷は今のところ安定しています。

銀鮭T/Cに売り場を取られている為、若干荷動きが鈍い状況の時期もありましたが、銀鮭の高騰にてトラウト関係の製品も追随して値上げしていく傾向です。

 

〇うなぎ

・中国

先月に続き、高値にて相場が推移しております。対ロシア向けなどの輸出も好調で、昨年の池入れ数が少ないこともあり、高値での取引が続いております。

11月の台湾の試験引き操業でも不漁との事ですが、徐々には獲れ出して居るとの報告。昨年より採捕数量はハイペースではあるようです。12月以降のシラス漁解禁にて、豊漁を願うばかりです。

 

・国産

活鰻流通は外食関係の好調さがあり、高値でも流通数は順調のようです。

冷凍蒲焼も各社残っているサイズ、無いサイズがハッキリとしており量販店への販売が難しい様子です。

一部、賞味期限が近い商品の投げ売りも見られ、定番アイテムの販売も危ぶまれます

〇サワラ・サゴシ

・中国サゴシ

新物水揚げは、前年対比50%~60%で数量は少ないものの、サイズは例年よりも大きめです。

日本向けの原料凍結は、ほぼ終了し、今後は中国の内販向け鮮魚が主体になります。

 

・韓国原料

新物水揚げは、中国サゴシと同様の状況で、サワラ・サゴシともに前年対比で減少しています。

サイズは、サゴシが例年並み、サワラはラウンド2㎏以下の小型寄りで、3㎏UPが少ない状況です。

現在、身質的に寒サワラとしても十分な状態になり、そのため価格が上げてきています。

この船凍品は、1月下旬に水揚げ終了する見込みです。

 

・日本産

今年は、国内水揚げが少なく、ほぼ鮮魚出荷のみの状態です。

今後に水揚げ増加する場合は、サゴシのみ原料凍結に入る可能性もあります。

 

・サワラ・サゴシ製品

春に向けて荷動きが上向いてきました。

価格は、サワラが横這い~値上がり、サゴシは横這いの状況です。

中国内販に関しても前月同様芳しくなく需要減少が続いております。今後、年末に向けて外食中心に需要増となるため、荷動き活発になることに期待です。

 

 

〇アサリ

アサリの漁期は春と秋。秋漁もほぼ終漁となります。

身入りが全般的に良く無く減産となっております。

サイズアソートは、前月までの情報通り殻付きサイズで51~60粒/500g以下、むき身でMサイズ以下と小型中心となっております。

 

〇パンガシウス

新トランプ政権の影響予想よりアメリカからは、例年の年末需要以上のオーダーが入り、急激な現地相場強含みな状況となっております。また、パッカーによってはオーダー入れても製造が予定通りのスケジュールを組み立てきれないところも出てきております。この状況は、テトまで続くと思われます

 

 

〇冷凍野菜(中国)

野菜相場については先月から大きな変動は起きていません。

里芋は10~15%の値下げとなりますが、ほうれん草は10~15%の値上げ傾向です。

ゴボウは新物反収も悪く高値維持となります。

浙江省、江蘇省では10月末にも集中豪雨が発生しました為、カリフラワー、ブロッコリーは引き続き注視が必要となっています。

 

 

〇イカ(中国)

アメリカオオアカイカに関して、10月初旬、中国の大半のパッカーから今後の供給が困難であるというアナウンスから1か月半が経ち、価格は以前のドル価から3割~5割上げで落ち着き、切身や小切れ、短冊など原料サイズが比較的融通の利く製品については徐々にオファーが出てくるようになりました。しかし、ロールイカ等の原料サイズが固定される製品については一切オファーが出なくなり、日本の商社も終売をせざるを得ない状況となっております。ペルー沖での中国船の漁獲状況はというと、10月下旬ごろからラウンドで300/500サイズの水揚げが徐々に始まっているとのことです。しかしこのサイズは身厚が無く唐揚げや串打ち製品などの加工にのみ使用されるため、短冊や切身に使用する中型~大型原料の水揚げは来年以降の回復を祈るのみとなりました。国内相場は在庫ポジションによりますが短冊で750円~1000円/kg(以前は600円代中盤)程度、切身で1100円/kg~1300円/kg(以前は800円代)程度まで値上がりしております。また、中国産マイカ(スルメイカ)についても今期の漁模様は良くなく、深刻なイカ不足が続きそうです。

 

各種指数の推移

指数 値(11月末時点) 値(10月末時点) 増減率
日経平均株価指数 38,208円 37.913円 0.1%
S&P500指数 6,032pt 5,808pt 0.8%
US$/JPY為替 $1=149.70円 $1=152.33円 6.4%
日本10年債金利 1.04% 0.93% 8.1%
米国10年債金利 4.17% 4.23% 11.9%
日本総合CPI(前年同月比推移) 2.3% 2.5%
米国総合CPI(前年同月比推移) 2.6% 2.4%

 

10月~11月は米国での大統領選、日本での衆議院選挙と日米どちらでも政治面での大きなイベントがありました。11月5日に行われた米国大統領選挙では共和党のトランプ氏に軍配が上がり、今後は米国を優先した保守的な政治が行われていくと予想されます。また、日本では10月の衆議院選挙で自民公明党を合わせた与党が野党に大敗し、2009年の与党大敗から15年ぶりの与党側の意見が通りにくい状況となりました。米国大統領選直後の為替相場については、トランプ大統領の当選を市場が予想していたのか、大きな変動はありませんでした。それ以降、11月の為替相場の変動については日米の金利差が徐々に縮まっていたことから少しずつ円高となりましたが大きなサプライズは無く、今後日米の政策方針によって変化していくと思われます。

用語

日経平均株価指数…日本を代表する上場企業225社の株価の平均値。

S&P500指数…米国を代表する上場企業500社の時価総額を指数化したもの。

CPI…消費者物価指数。末端価格の変動を示す指標。

 

 

 

 


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