【10月号】水産マンスリーレポート

毎度格別なお引き立てに賜り心より御礼申し上げます。商品情報2025年10月号をお届けします。

 

〇九州前浜

  • 大型船

・アジ

鮮度並~悪 身脂薄々~無 魚体:やや長手~長手(鮮魚・冷凍)

300g: 10mt 浜値K830~K430円

200g: 23mt 浜値K770~K450円

150g:130mt 浜値K550~K200円

130g:130mt  浜値K380~K120円

120g:120mt 浜値K380~K170円

110g:150mt 浜値K250~K110円

100g: 60mt 浜値K250~K100円

90g:  5mt  浜値K190~K140円

 

 

・サバ

鮮度良~悪 身脂薄~無 やや長手

550g    3mt 浜値K700~K330円

450~500g 20mt 浜値K360~K250円

350~450g 90mt 浜値K330~K240円

300~350g 1500mt 浜値K250~K70円

100~200g 580mt 浜値K125~K60円

 

  • 松浦小網

・サバ

鮮度良~悪 身脂薄~無 やや長手

550g    10mt 浜値K670~K230円

450~500g 130mt 浜値K550~K230円

350~450g 400mt 浜値K360~K200円

300~350g 2,300mt 浜値K225~K45円

100~200g 380mt 浜値K113~K51円

 

 

  • 長崎小網

・小イワシ主体(1600mt)

20~80g : 95~25円/㎏(鮮魚・餌)

 

・アジ 190mt(鮮度良~並 やや長手 身脂薄々 ラード少々)

サイズ150~80g 浜値K1000~K170円/㎏(鮮魚・生切)

・ブリ 280mt(長手 脂薄め)

サイズ6-3K   浜値K350~200円(鮮魚)

 

 

〇サンマ

8月30日時点(13週目)の台湾船操業状況

操業隻数 75隻

累計水揚 45,321トン 昨対同期232.13%の漁獲量

特號 9.27%(0.00%)

1號 52.65%(0.11%)

2號 23.78%(6.43%)

3號 9.33%(51.14%)

4號 3.73%(39.37%)

5號 1.24%(2.94%) (  )内 昨年同期

台湾船の2025年最終累計実績 61,060.1トン(9月早々に終漁)

 

国内棒受け網船

9月20日時点での操業隻数 大型船46隻・小型船42隻

累計水揚げ量 23,079.5トン(同期昨対 331.0%)

9月当初まであった公海上の漁場は消滅し、道東沖に形成された200海里内での操業中心となっています。9月15日には操業隻数がまとまった事により、2,400トンもの水揚げを記録するも、その後は一転して日々漁獲量の減少と、100g以下のジャミサイズが割合多くを占める内容となってきています。これに拍車をかけるタイミングで、入船都度48時間休漁が施行される結果となり、安定化していた浜値もまた高値へと逆戻りすることとなった。9月下旬現在で時化の影響など鑑み、緩和のため48時間休漁は廃止されたものの、水揚げは一進一退有るも浜値はなかなか下がらず鮮魚相場を継続中。10月1日からはロシア水域での操業も解禁となるが、海域内の魚群が発見できるか以外にも、操業できる回数等の制限があるため不安も多く、引き続き200海里内外での操業も継続していくものと予想されます。

 

 

 

〇ズワイガニ

例年9月末日頃アラスカ産ズワイガニ漁(バルダイ種・オピリオ種)の漁獲枠が発表されますが、今年は10月の初旬の見込みです。生産者の予測では若干の増枠の見込み。一方のカナダ産、アメリカの消費マインドは変わらず好調な為、フリー在庫の問い合わせが続いています。今後も引き続きフリー玉への需要は大きいと予想します。

ロシア極東オホーツク海産、中国、韓国の活需要が一服な様子が窺え、生産者は仕方なく冷凍品の生産を余儀なくされている状況です。しかしながら国内のヒネ物も少なく、中国、韓国も冷凍物を買い始めていることからサイズによっては相場が上下しますので引き続き注視が必要です。

 

〇タラバガニ

今年のアラスカ産、10月15日のオープンを前に、政府の漁獲枠の発表を待っている状況です。

昨年は高値と僅かな数量から日本は手が出せず、今後の生産数量と価格次第を待つ状況です。

ロシア産極東オホーツク海では、漁獲枠の消化を優先させるため昨年から8月の生産が始まりました。しかしながら、身入りが良くなく、活を好む中国・韓国向けで取引が進んでいます。

一方、バレンツ海では既に、ボイル冷凍品の生産が開始されたものの品質・数量が期待外れで芳しくない状況の様子です。今のところ10月の搬入の見込みがないことから、相場は横ばいで推移すると予測します。

 

〇樺太ししゃも

・原料状況

原料のシーズンは終了いたしましたので次のシーズンまで休載いたします。

===2025年原料シーズン===

アイスランドの少量の枠もほとんど親生産に回らず、卵の生産に回ったため大型原料は今後不足感が強く、ノルウェーの禁漁も相まって全体的に強い不足感が続いております。在庫が限定的な事から引き続き原料価格がより高値になることが予想されます。

 

・製品状況

大型はほぼ市況から姿を消し、小型中心に販売が進んでおります。

 

 

〇鯖

・大西洋

ICES(国際海洋探査委員会)が2026年度の欧州サバ漁獲枠設定に関する勧告を発表いたしました。これにより来年2026年は全体枠を70%減らすとの内容。

これにより更に値段が上がっていくと予想されます。先月同様、価格は約1.5倍以上になっており日本向けの販売は思った以上に進んでいない状況で、それ以外の国への販売が進んでいる様子です。

製品に関しては徐々に売り絞りをしている会社が出てきており、安価な鯖フィレは徐々に市況から消えつつあります。

 

 

〇鮭鱒類

・銀鮭

新物搬入始まり、スタートは当初のFIX取り決め分にて相場横這いにて、現状維持になります。今後は値切り交渉が進み、年明けを目途に相場が下がる予想となります。サイズも大型組成となり、4/6サイズは少ない為、定塩加工のフィーレサイズも大型中心となる予想です。トリム製品は若干国内相場が上げており、年末までの搬入待ちと、秋サケの不漁による売り場への販売量が増える予想にて推移しております。

 

 

・トラウトサーモン

皮付きのトラウトT/Cの国内数量が激減しており、相場も若干の上げ見込みになります。秋サケ不漁があり切身需要などでの引き合いあることと、先物に関しましても水揚げが限定的で少ないことから、しばらく品薄感があります。

 

〇うなぎ

・中国

先月同様に日本国内の消費は外食中心に昨年を上回る荷動きが見られました。活鰻に関しましては来期からの相場下落が予想されますが、今期は昨年の高騰した鰻であるため中国、台湾共にコスト高の製品の為、高値維持の為、輸入実績は昨年より減っています。

冷凍蒲焼製品は中国産のロストラータ種が販売好調で、今後の相場も横ばいと予想されます。ジャポニカ種が豊漁であった為、ロストラータ種の相場が影響あるかと予想され、11月からのシラス漁に合わせ、中国加工品の相場に変動があると思われます。

 

・国産

今季のジャポニカ種シラス漁豊漁を受け、国内先安感が広がっていましたが、国内シラスの成熟は来年以降のため未だ横ばいにて推移しております。

 

 

〇サワラ・サゴシ

・中国サゴシ

原料状況は11月中旬で水揚げ終了している為、暫く更新を休止致します。

====2024年原料状況===

新物水揚げは、前年対比50%~60%で数量は少ないものの、サイズは例年よりも大きめです。

日本向け原料凍結は、11月下旬に終了し、その後は中国内販向け鮮魚出荷になっています。

 

・韓国原料

原料状況は1月中旬で水揚げ終了している為、暫く更新を休止致します。

====2024年原料状況===

中国サゴシと同様の状況で、サワラ・サゴシともに前年対比で減少しています。

サイズは、サゴシが例年並み、サワラは2㎏以下の小型が多く、3㎏UPの大型が少ない状況です。

原料価格は、身質の向上に合わせて11月中旬から値上がり傾向となり、その後は横這いとなっています。

 

・日本産

水揚げが少なく、ほぼ鮮魚出荷の状態です。

サゴシは、日本海定置と旋網で昨年11月に原料凍結もありましたが数量は多くない状況でした。

 

・サワラ・サゴシ製品

サゴシ製品は値下がりで値ごろ感が出てきており、荷動きは復調傾向になっています。

特に骨取Fの引合いが強くなってきました。

価格は一旦底打ち、新物の状況が見えてくる11月頃までは横這いで推移すると思われます。

サワラ製品は未だ荷動き低調ながら、引き合いは増えてきております。

こちらも価格は、横這いの状況です。

 

〇キス

全体的に大型サイズの水揚げ多かったが、徐々に小型サイズも漁獲中

550gに対して

15、20、25尾・・・約50%

30、40尾・・・約50% *少しずつ小型サイズも漁獲

50尾以下・・・品薄  *ほぼ漁獲無し

上記製品アソートに対して、業務筋での販売は30尾以下が多くなっています。

 

 

〇アサリ

秋漁の水揚げは順調で、価格は安定しております。他水産品ほど相場の乱高下が起きておらず、扱いを増やす商社もあり、来春の最需要期に向けて今後の相場動向に注意が必要です。

 

〇パンガシウス

アメリカ中心に年末向け注文が増えており、主要産地であるベトナムでは、引き合いが強い状態が続き横ばい~強含みな状況となっております。この状況は暫く続くと思われます。

日本国内では、他魚種の白身魚が高騰の中、安価な代表魚種として引き合いが強くなっております。

 

 

〇ペルーイカ(アメリカオオアカイカ)

ペルーイカ製品の価格は$5/kg~$6/kgで安定しています。中国工場も一年前に相場が大きく動いたタイミングで原料を大量に購入しているところもあり、工場によっては直近でも昨年秋の原料を使用した製品が輸出されていることもあるようです。相場は高値で張り付いていますが、製品の売れ行きも良くなく今後欠品等の心配はあまりないものと考えられます。

 

 

〇スルメイカ・マツイカ

マツイカ製品の価格は徐々に高騰しており、直近では年初来最高値のオファーも散見されます。

しかし、一部の工場でスルメ製品の安価なオファーがあり、商品によってはマツイカとスルメイカの価格が逆転しているものもありました。スルメイカの最盛期は10月から11月のため、今後の相場の変動に注意が必要です。国内マーケットについては、直近数年間のスルメイカの品薄につき製品が殆どマツイカに切り替わったことから、豊漁になって相場が下がったとしても、引き合いが集中する可能性は低いものかと思われます。

 

 

〇冷凍野菜

全体的に現地価格は落ち着いており、やや下方修正も入っています。一方で日本国内における諸経費の負担が増えている事で相殺される状況です。先月報の通り南瓜の生産は順調に開始となりました。今月、里芋の状況が見えてくる予定です。里芋は昨年に相場が大きく下方した為、生産者としては僅かでも買い上げ価格の上昇を狙っています。工場毎に思惑も入る為、様子見が必要な状況です。


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