毎度格別なお引き立てに賜り心より御礼申し上げます。商品情報2024年10月号をお届けします。
〇九州前浜
- 大型船
・アジ
水温もやや下がり、鮮度が良くなってはきたが身脂なし。
90-300g:5,502mt
浜値500~140円/㎏(鮮魚・生切り・フライ)
・サバ
鮮度よくなってきているが、身脂なし。
700g:4mt/K2300~500円
600g:60mt/K750~250円
450~500g:100mt/K450~200円
400~450g:130mt/K330~180円
・ローソク
250~400g : 700mt /K136~90円
100~200g : 1,200mt / K130~50円
・ゴマローソク
400~550g:650mt / K167~75円
- 松浦小網
・イワシ(1,100mt)
20-40g:K69~25円
- 長崎小網
・イワシ(1,290mt)
60-80g:K100~K75円(鮮魚・餌)
・小イワシ・ウルメ混り(1,840mt)
30g前後:K65-30円(餌)
・マメアジ(110mt)
鮮度良好だが脂なく餌残し多い。
90-130g:K350~K250円(生切り)
〇サンマ
・国産
特に進展なく、11月分にて報告します。
・台湾船
台湾船9月末現在の17週目は、それまでの水揚げ量から倍増、70隻が操業中で今シーズンの総水揚げ量累計は5.2万トンとなった。台湾の保持する漁獲枠上限にはまだ3万トン程度残しており、中国は9月中旬に満枠消化し終漁、日本も公海上で操業していますが枠は残り僅かな状況。(日本領海での枠を公海枠に追加できるとの情報もありますが錯綜中)。
※漁獲枠1万トンを超えないメンバー(ロシア・韓国・バヌアツ)は停止後もTACの90%まで漁獲は可能。
〇ズワイガニ
・アラスカ産
7月末で資源調査が終了し、結果を前に3年続きで来シーズンも禁漁が予想されたが、一転して、米アラスカ州漁業狩猟局(ADF&G)は現地時間4日、2024/25年漁期におけるベーリング海のズワイガニ(オピリオ種)漁を3年ぶりに解禁すると発表しました。漁獲可能量(TAC)は前回の漁があった21/22年漁期比16%減の2,141トン。資源評価に基づく事前の勧告では禁漁が推奨されていたが少量の枠が発行予定、しかし日本への製品は大きく少なくなる見通し。
・カナダ産
アメリカの高金利が影響し入用買いに向けての販売の様子。
その為行先が確定しない在庫の多くは既に米国で保管され、対日向けの消費は限定的でした。
・ロシア
昨年よりもサイズは大型で供給量は減少傾向です。
10月に入り需要期に入って、徐々に引き合いも増えていますが、昨年の価格と比較すると高値の為ユーザーは様子見状態の様子から、相場は横ばいで推移すると予測します。
〇タラバガニ
・アラスカ産
ブリストル湾のTACは前漁期比7%増の1048トンと増えました。
漁は今月15日に解禁し、来年1月15日までとなります。
商社は「枠は製品換算で680トン程、対日は昨年と同量程度(昨年は48トン)、もしくはゼロもあり得る」と受け止める。
・ロシア産
漁獲枠の消化出来る時期の問題から、前倒しの8月から生産が始まった、しかしながら、身入りが良くくない為、活を好む中国・韓国向けで取引が進でいる様子。冷凍品については、新物の供給減で国内在庫の取引が活発となっていることから価格は強含みで推移すると予測します。
〇樺太ししゃも
・原料状況
2月のアイスランドが禁漁だったため原料高、円安基調で各魚種の製品は価格が上昇中。
・製品状況
在庫位置としては少し不足気味ですが、海外加工の製品を中心に滞りなく回転しています。
来期はアイスランドの漁獲の有無やノルウェー産の原料の小型化、為替事情等の懸念材料を踏まえると製品の値上げの可能性はあります。
〇鯖
・大西洋
ノルウェーの昨季は9月末時点で55%の消化率だったのに対して、今年は90%の枠を消化済み。
早いペースで消化を続けており巻き網の終漁が目前です。残りは外国船トロールとなります。
漁場はシェットランド諸島の南西に形成されており、ノルウェーまでは15-17時間。
品質は問題なく、日本、韓国、ヨーロッパ各地の引き合いも強く価格は現状昨年より3割高となっているため原料は強含みにて推移しております。
製品は新物の値段が高い為、今後の相場は上がっていくと考えます。
〇鮭鱒類
・銀鮭
9月になり、為替変動が不安定で円高に振れる要素も大きく、新物価格に細心の注意を図る必要があります。9月は特に国内の荷動きが弱く半期決算ということもあり一部スポット価格にて安価な案内も出てきており、10月以降の販売に多少影響があるかと思われます。定塩製品は原料価格に対して値上げできておらず、相変わらず原料高製品安の状況は変わりません。トリム製品も為替の影響から若干相場が弱くなってきており、荷動き感が悪くなっておりますが、秋サケが不漁予測となっており、量販店の鮭の切身需要の中心は引き続き銀鮭がメインとなると思われます。
・トラウトサーモン
引き続き生産量も少なく、現地からの搬入量も限られておりますが価格は横這いにて、相場は落ち着いております。今後の搬入も継続的にある為、年末に向けての商談が進むことで引き合いはあるものの、銀鮭の相場によっては特にトリムCに関しましては相場に気を付けて行かないといけません。
〇うなぎ
・中国
現地の価格高騰が止まらない為、各インポーターの買付が滞っております。シラス漁の不漁と中国内販が好調なのが続いていることもあり、現地の製品相場のジリ上げ感が止まりません。
今期のシラス漁開始までは相場高は変わらない様子で、来期の漁次第では更に高騰する可能性もあります。
・国産
外食などの活鰻の流通は引き続き順調ではあります。しかしながら冷凍加工蒲焼は原料単価高騰から昨年よりも更に高い状況になっております。使用状況も限定的にて荷動きが弱い状況です。
〇サワラ・サゴシ
・中国サゴシ
新物水揚10月スタート、当月中旬に漁模様とアソートが徐々に見えてくる見込みです。
現状、国内の製品荷動きは芳しくない状況ですが、冬から春にかけて動きが出てくると思われます。
・韓国原料
新物の水揚状況は、10月下旬頃から数量・アソートともに見えてきます。
前シーズン現地原料在庫は、ベトナム内販向けを中心に既に払拭しております。
現在は身質的に不十分な状態ですが、11月以降は身質の向上に伴って昨年並みの価格形成になる
と思われます。
・日本産
現在、水揚げ少なく、鮮魚出荷のみの状態です。
11月以降に水揚げが増えてくるとサゴシは原料凍結に入る可能性あります。
・サワラサゴシ製品
夏場の荷動きは鈍化しておりましたが、秋冬に向けて上向くと思われますが現状、価格は値上がり魚種が多くみられる中で、横這いから一部サイズでは弱含みの状況です。
サゴシ製品は弱含み、サワラ製品は横這いです。
〇アサリ
水揚げは、今期成長が例年と比較し遅く小型スタートであったため、6月以降より本格スタートとなっておりました。10月に入りピーク時を過ぎ、減少傾向となっております。水揚げ数量は昨対増となり約70万トンとなる予想。斃死が少なかったことも増加を後押しした形となりました。中国内販は、内陸向け需要減少が続いております。日本国内の販売に関しては横ばい推移の状況です。
〇パンガシウス
年末を見据えてベトナム現地は、強含み傾向となってきました。主要輸出国であるアメリカ・中国向けも順調に販売推移となっております。円高傾向より$価上昇分を何とか吸収しながら進めているものの、日々の為替変動の大きさにより苦労している状況となっております。今後年末向け更なる需要期も迫る中、現地相場に注力です。
〇冷凍野菜(中国)
中国では夏野菜が軒並みコスト上昇となりましたが、日本では為替が円高傾向につき国内相場は抑制された状況です。南瓜は、これまでの主要産地である黒竜江省が水害による減産。しかし産地は内モンゴルへと拡大しており、大きな影響には至らない予想です。山東省では葉物類、浙江省・江蘇省ではカリフラワー、ブロッコリーの播種を終えましたが、浙江省では台風被害も見受けられました。引き続き雨量への警戒が必要な状況です。
〇イカ(中国)
為替が160円台から140円台前半になったことにより、夏場に買い付けた中国イカ製品の製品価格については比較的落ち着いているものの、ペルー原料が壊滅的に枯渇しておりロールイカなど原料サイズが絞られる製品については新規オファーが出てこないパッカーが散見されるようになりました。噂では中国船水揚げのペルーイカ原料は6~8割減産ともいわれており、最もkg単価の安いペルーイカ原料が枯渇していることで、今後のイカ製品の供給および価格については先が思いやられる状況です。
これから中国産スルメイカの水揚げが始まりますが、日本水揚げのスルメは過去最悪と言われるほどの不漁のため、中国水揚げについてもあまり期待はできない状態です
各種指数の推移
指数 | 値(9月末時点) | 値(8月末時点) | 増減率 |
日経平均株価指数 | 37,845円 | 38,647円 | -2.1% |
S&P500指数 | 5,760pt | 5,591pt | 3% |
US$/JPY為替 | $1=143.12円 | $1=145.28円 | -1.5% |
日本10年債金利 | 0.86% | 0.89% | -3.3% |
米国10年債金利 | 3.78% | 3.86% | -2.1% |
日本総合CPI(前年同月比推移) | 3.0% | 2.7% | – |
米国総合CPI(前年同月比推移) | 2.5% | 2.9% | – |
7月の総合CPIが日本2.7%、米国2.9%だったのに対し、8月は日本3.0%、米国2.5%と逆転しました。米国では失業率の上昇が問題となっており(金利を上げるとインフレは落ち着くが、景気が停滞することで雇用が減少する)、インフレ率を目標の2%に近づけるという目標と並行して目先の失業率の抑制が急がれます。そのため、9月17日から18日に開かれたFOMCでは、年内に少なくとも0.5ポイントの利下げを指示していることが発表されました。同じく2%前後のインフレ率を目標にしている日本ですが、8月は米国よりもインフレ率が高いという結果になりました。インフレにより消費者の購買力が低下する懸念と、インフレ抑制のための利上げにより企業の経済活動にブレーキがかかるという懸念がどちらもありましたが、9月19日、20日に開かれた金融政策決定会合では、金融緩和(インフレ支持)を粘り強く続ける方針が発表されました。米国経済と金融市場の不確実性から、今後の金融政策は慎重な対応が求められます。輸入価格に影響を及ぼすドル円為替ですが、9月末は久々に前月と大きく変動すること無く、月末の終わり値で143円台を付けました。
用語
日経平均株価指数…日本を代表する上場企業225社の株価の平均値。
S&P500指数…米国を代表する上場企業500社の時価総額を指数化したもの。
CPI…消費者物価指数。末端価格の変動を示す指標。