毎度格別なお引き立てに賜り心より御礼申し上げます。
商品情報2023年9月号をお届けします。
TOPICS!!
☆原発処理水放出開始。中国が日本産水産物の輸入全面ストップ。水産業界に多大な影響。
☆大手電力10社、10月請求分からそろって値上げ。円安コストアップに続き家庭への負担が増加。
国内養殖魚
・ブリ はまち
2年魚の出荷が本格的に始まり、K1,050円~K1,100円で安値推移中。
輸出ではアメリカ、中国引き合い弱く若干の弱含みにて推移中です。
・かんぱち
国内での消費堅調にて浜値K1,200円前後で推移中。
値段割高感あるため今後の動きに注意が必要です。
・真鯛
浜値四国K950円~K900円にて昨月と変わりなく推移中。
例年、秋、冬口には需要の落ち込みにて値段が下がってくるため、動向に注意が必要です。
カ ニ
〇ズワイガニ
・カナダ
ニューファンドランド海区の漁獲は8月末で終了。海水温の高い夏場まで漁期持ち越したことにより品
質の心配はあるものの、満枠を消化して終漁。(ガルフ地区は6月末に満枠消化で終漁)
課題の価格は、ここに来て米国からの8UPの引き合い増から価格上昇が見られ、今後に注視が必要で
す。
・ノルウェー
カナダ産同様に米国からの大型サイズの引き合い増によって在庫は一掃され身軽な印象で、11月末の漁
獲枠の発表を注視している状況。
・ロシア
7月中旬の海の日で一旦クローズとなりました。漁獲量の内、約6割が活で扱われ東南アジア向けに取
引されました。冷凍品の多くがボイル冷で生産され、韓国でオークションでは為替の問題もありますが
昨対2~3割安価で落札も見受けられたが全て完売できず、需要に勢いは無い状況。(韓国在庫)
日本向けの取引は、限定的で相場は現状維持で推移すると思われます。
〇タラバガニ
・ロシア
昨年の極東ロシア産オホーツク海ものの搬入は限定的であった為フリー玉は皆無で市場に見当たりませ
ん。
・ノルウェー
小型が漁獲され安価な為対日向け切ガニ用として取引されています。今後9月から漁が本格的に行われ
る極東オホーツク海ものの荷動きに注視が必要で、まだ大きな荷動きはないことから横這いにて推移す
ると思われます。
サンマ
◆国内サンマ棒受け網 23.08.22時点
8月19日 小型船3隻が厚岸と花咲港にて今季初水揚げ。
80g程度の小型サンマ中心で水揚げ量も1.2tと少量。
現在中型・大型船も1,000Km程度沖合にて操業中ながら、漁獲内容は振るわず。
操業海域の表面水温が20℃を超えており、群れの灯付きも良くない模様。
◆台湾サンマ船凍船 操業12週目
6月下旬から7月初旬の水揚げが、ここ数年来と比較し良かったことや、漁船のマツイカ漁ライセンス
取得のため、8月初旬には台湾船約20隻が高雄に一時帰港し水揚げを行った。
3號サイズ主体の水揚げであったが餌喰い主体。水揚げ後再び操業のため、サンマ漁場へ向け出港した。
但し台湾船による操業も、7月下旬からは週を追って水揚げ量の低下とサイズ小型化が進んでいる。
現在(8月22日現在)は36隻が日本沖公海にて操業中であるが、サイズは4號主体に小型化、1隻あ
たりCPUEも1~2t/Dayと、上記好漁期の1割程度まで減少している。
サ バ
・大西洋
8月中旬よりノルウェー新シーズンが開始されました。
今期のノルウェー枠は249,870mtで、そのうち135,141mtがUK領域での漁獲が可能。
走りの漁獲は纏ったものの、現在は漁獲が纏らない状況が続いております。
現地からのオファー値も昨年より大きく高く、日本は静観続けており買い付けも大きく進んでおりませ
ん。今後の参入してくる諸外国含め、動向に注意が必要です。
鮭鱒類
・チリ銀鮭
8月に入り、荷動きの鈍化が更に進んでいます。
チリ現地の強気な値段のため取り決めも各商社進まず、交渉は難航しています。
首都圏の冷蔵庫も満庫状態である為、地方在庫となり、更に相場が弱くなる傾向かと思われます。
今後もチリ現地の強気な姿勢は崩さない予想ですが、委託販売となったときの相場が現時点の価格より
大幅に下がる可能性もあります。
・トラウトサーモン
チリからの委託販売、日本国内のトルコ原料と製品が相場を大きく崩しています。
特にトルコ産の行き場が無い為、各社在庫を放出、チリ、ノルウェー製品にも大きく影響を受けている
状況です。
・アトランティックサーモン
チリ、ノルウェー共にフレッシュ相場が下がっています。冷凍製品は現地横這いではありますが、日本
国内在庫の滞留により国内での相場が下がっております。外食関係がまだ順調では無い様で荷動きの悪
さが際立っている様子です。
・カラフトマス
今年は奇数年であるので、豊漁年もあり漁獲量は順調です。2021年の同時期と比べても多く漁獲されて
おり、1億2000万尾の予想を大きく超えそうです。(2021年は1億6000万尾)
そのためイクラの相場が今後大きく変動する予想です。また秋鮭の漁獲により更にイクラ相場の変動の
可能性があるため注意が必要です。
ウナギ
・中国産
中国国内には多くの在鰻数がありそうです。ロストラータ種は約30mtの池入れ、ジャポニカ種は23
mtとの報告ですが、中国側の相場を上げる口実で、もう少し多く入っているのではないかと予想しま
す。2022年度の在鰻も10,000mtとの事で、日本向けの供給量は少ないと中国側は発表していますがこ
ちらも不透明で、各業者は余るほど池に居るのではないかとの予想。今後の相場は若干弱まっており、
冷凍製品は太物中心に潤沢に在庫が残っていると思われます。
・国産
土用の丑の日も含め、外食のうなぎ屋さんは集客多く繫盛していた様子でした。
活鰻価格は高値で推移していますが、一部安価な台湾、中国活鰻にシフトしている部分も有り思った以
上の流通量では無いようです。秋口から冷凍蒲焼の生産をして行くと思われますが、コロナ期と比べて
通販需要などが減ってきている為、価格の下落も考慮する必要がありそうです。
九州水揚げ情報(松浦・長崎)
※8月前半は台風の影響もあり、全体的に漁薄であったが、台風通過・盆明け後から
漁獲増えてきました。
・サバ
8月水揚げ 660mt
150~250g 210mt 浜値k110~94円 (餌)
250~350g 450mt 浜値K108~87円(餌・缶詰)
・ゴマサバ
8月水揚げ数量95mt
<各サイズ相場>
500~600g 5mt 浜値k330~160円(鮮魚)
150~250g 90mt 浜値 K110~104円(餌)
・アジ
8月水揚げ数量495mt
※水温が高い為、鮮度悪いものが多く、又、魚体細く、身脂もほぼほぼ無い状態。
<各サイズ相場>
200~300g 5mt k1200~350円(鮮魚)
150~200g 30mt k800~350円(鮮魚)
130~150g 110mt k800~300円(鮮魚)
110~130g 160mt k700~220円(鮮魚・冷凍)
100~110g 30mt k400-200円(生切り・冷凍)
80~100g 110mt k320-210円(生切り・冷凍)
60-70g 50mt k280~190円(生切り・冷凍)
・ヤズ
8月水揚げ 300mt
約2.5k物-浜値k280~210円 (鮮魚・冷凍)
・イワシ・長崎
8月水揚げ 1000mt
90-100g主体 K100~80円(鮮魚)
K80~60円(冷凍)
・小イワシ・松浦
8月水揚げ 1200mt
全長10~12㎝ 鮮度やや弱~悪い
浜値k60~52円(餌)
サワラ・サゴシ
日本・中国・韓国、原料状況は秋口になり漁獲が見え次第、更新致します!
===2022年秋状況====
・中国 / 韓国
中国は全体的に大幅な不漁、韓国は大型サイズは纏りを見せたものの小型サイズは中国同様に不漁で、
原料状況は全体的に不足感があります。
・日本
先月に引き続き各産地とも水揚げが少なく、鮮魚出荷となっています。
凍結在庫は、ほぼ無しの状況です。
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・サワラサゴシ製品
大型サイズは入荷安定していますが、円安のため搬入原価が上昇しています。
中・小型サイズは、前シーズンが不漁だったため入荷数が大幅に減少しています。
荷動きは、夏場にかけて低調でしたが、徐々に復調傾向に入っています。
冷凍野菜(中国)
水産品や肉類と比較して製品価格が安価な冷凍野菜については、価格高騰や繁忙期後の需要落ち込みの
影響もほとんど受けず好調な売り上げが続いています。
しかし、昨年まで強気の値上げを行っていた商社は他社へ切り替えられ売り上げが減少しており、為替
が再度145円台になっているものの値上げは一時見送り、他社の動向を探るような動きが目立ちます。
為替の動きは昨年と似たような動きをしていますが、国内相場は昨年のように一方的な値上げトレンド
ではなくなりそうです。
特に葉物野菜(ほうれん草、チンゲン菜、小松菜等)の在庫を多く抱える商社が複数あるようで、スポッ
トで安価なもののオファーも散見されます。
スルメイカ/アメリカオオアカイカ(中国)
中国現地からの提示価格は変わらず高値が続いているが、国内では売れ行きが悪く相場は横ばいから
下げ傾向です。
不足が続くイカ枠について、先月までは各社全く余裕がなかったものの、8月に入ってからは重量ベ
ースで僅かであるが他社から譲渡の話が増えてきています。なお、価格は35円/㎏~40円/㎏程度の高
値となっており、イカ製品のコストは引き続き逼迫していくことが予想されます。
アサリ
春漁は終盤期を迎えておりますが、過密養殖の影響も大きく期待通りとはならず、昨年と変わらず低水
準で推移中となっております。原貝高騰に加え、アメリカ輸出減により大型サイズは想定よりは荷動き
悪い模様。小型サイズは、強気な価格で横ばいが続いております。中国国内販売はコロナ明けから活貝
を中心に徐々に増えてきている状況です。
日本国内販売価格は殻付き、むき身ともに昨年と大きく価格は変わらず推移中、日本国内の需要も横ば
いにて推移しています。
パンガシウス
主要消費国である、アメリカ・中国向け輸出の伸び悩みより、中国向けに換金を目的とした安価でのス
ポット販売も見られますが、対日向けドル価ベースでは4カ月程度は横ばいが続いており、円安より実
質コストUPとなっております。
例年であればアメリカ中心に年末向けの需要より相場強含みとなる時期に突入ですが、まだまだスロー
ペースな印象で荷動きは芳しくない状況です。
日米各種指数の推移
各種指数の推移
米国と日本の景況感
米国の6月のCPIは3.2%と、13か月ぶりに伸びが加速する形となりました。これを受け7月のFOMC
では、政策金利を0.25%引き上げ、5.25%~5.5%とすることとなりました。その影響でドル円為替は円
安水準を維持し、$1=145円前後を推移しております。
日本の金融政策決定会合では日銀がYCCの修正を決定しました。そのため長期金利の上限は0.5%をめ
どとしたうえで、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることを容認しております。今回のYCCの修
正は①インフレの抑制②金利操作による副作用の修正を目的としており修正後、長期金利は0.6%前後ま
で上昇しております。
日本全体の景況感としては悪くなく、政府も景気は徐々に回復しているとの判断をしているものの、
インフレに対する賃金の上昇率を示す実質賃金は低下しており、企業は収益が上がっているが個人の収
入がインフレにより目減りしている状況が続いています。
個人の収入が増えない限り、物価高騰の影響からどこかで支出に限界が来るため、今後の政府及び企
業の課題は賃上げを継続して行い、長いスパンで見て景気を回復させていくことになりそうです。
日経平均株価指数…日本を代表する上場企業225社の株価の平均値。
YCC(イールド・カーブ・コントロール)…長短金利操作のこと。日銀が長期、短期金利を操作し適正な水準に維持する。
S&P500指数…米国を代表する上場企業500社の時価総額を指数化したもの。
CPI…消費者物価指数。末端価格の変動を示す指標。