【8月号】水産マンスリーレポート

毎度格別なお引き立てに賜り心より御礼申し上げます。
商品情報2023年8月号をお届けします。
TOPICS!!
★イオン、グリーンビーンズが本格稼働。5年後にスーパー200店規模を狙う。
★福島第一原発の処理水放出に対し中国の圧力強化。7月中旬以降の輸出品に大きく影響。
★NTT / いちい / 岡山理科大、ベニザケの陸上養殖に成功。特徴的な飼育と成長を促進する好適環境水で。
水揚げ不安定な天然魚に対し安定的な供給を。

国内養殖魚

・ブリ はまち

2年魚の出荷が本格的に始まり、K1,050円~K1,100円で安値推移中。
引き合い弱く相場は横ばいにて推移中です。

・かんぱち

お盆需要を控え、浜値K1,200円前後で推移中。
その後は弱含みにて推移していく予想です。

・真鯛

浜値四国K950円~K900円にて昨月と変わりなく推移中。
九州では一部でK850円の換金売りが見られますが、一時的かと考えられます。
需要/供給バランスも悪くないため相場は横ばいにて推移していく予想です。

カ ニ

〇ズワイガニ

・カナダ
現状、ガルフ地区は終漁し、ニューファンドランド地区の漁のみ続いています。5/8ozを中心に順調水
揚げされており、米国からの引き合いも変わらず良好のため、今後も強含みで推移すると思われます。

・ロシア
活のメインマーケットの中国は市況の悪さから荷動きが鈍化しているため、冷凍品に生産がシフトして
いる様子。今後の搬入状況を見極めたいという思惑から引き続き横這いにて推移すると思われます。

・ノルウェー
4月2日で満枠を140トン超えてクローズ。大型サイズを中心に米国や韓国からの引き合いがあり多く
の生産者の在庫は一掃された様子です。政府は来期に向けた改善点等含めて、生産者に提案が開始され
て11月には、確定すると推察されています。

・アラスカ
来期に向けたアクションが開始されました。昨年は禁漁だったため、今後の行方に注視が必要です。

〇タラバガニ

・ロシア
9月の極東オホーツク物のオープンまでは大きな搬入の予定がありません。一方、昨シーズン生産のオ
ランダ在庫玉が米国、欧州への販売が困難な為、アジアを中心に拡販が開始されています。換金を急ぐ
生産者の今後の提示価格に注視が必要と推察されます。

・ノルウェー
夏期休暇明けの8月中旬から生産開始となる見込みです。

サンマ

【7月 サンマ情報】

◆令和5年度 国内船秋刀魚出漁許可隻数

令和5年度サンマ出漁許可数

合計隻数は昨年と同隻数です。
流し網漁船は解禁日の7月10日に1隻のみ出漁も、水揚げ無しに終わりました。
今期は2年ぶりにロシア主張排他的経済水域(EEZ)内での道東沖サンマ棒受け網漁を行う方針で、9
月15日~10月末までを予定しています。

 

◆台湾サンマ船凍船 操業8週目

7月16日~22日 高雄出航済の隻数53隻中、操業中41隻。
期間内総水揚げ数量:2,481トン
1隻当り前週比較:60%の漁獲量に低下。
また2~3號サイズも生産割合が低下し、小型の5號サイズが過半数のアソートになっております。

スケソウダラ

ベ海については好漁が続いているが、陸凍工場での凍結は昨対減。
中国の在庫状況、ロシア産の相場等今後の市況に注意していきたいところです。
中国工場においては欧米向けオーダー減のため、稼働不足の工場が散見しております。
国内製品相場については、一部インポーターでの価格修正等ありますが、
サイズによっては不足感有り。全体的には不足感ないため、乱高下の為替の影響もあるものの、
相場は横ばいもしくは弱含みと推察致します。

サ バ

・大西洋
ヨーロッパ現地、日本国内での引き合いも変わらず強いです。
日本以外の国からの引き合いも強くこのまま強含みにて推移していく予想です。
製品に関しましては変わらず全体に特に不足感はないため、引き続きこのまま横ばいにて推移すると
考えられます。

鮭鱒類

・チリ銀鮭
国内での荷動きが良くなく、先物のチリ現地と契約が進まず8月に契約が伸びる様子です。
このままですとチリ側の委託販売が予想されるため、7月中旬より一層国内引合いが弱まっています。
各社買い気は無く冷蔵庫も満庫状態である為、買い付けにかなり慎重な様子です。

・トラウトサーモン
先月に引き続き国内の消費量が落ち込んでいる上、一部委託玉が発生している為、現地価格とは相反
して相場が暴落しています。国内では換金のためペルー、アルゼンチン、トルコといった他産地の安売
りも発生しており、市況が混沌としております。

・アトランティックサーモン
現地の水揚げが好調でフレッシュ相場が下がった為、冷凍トリム製品の相場が下落しています。年末
に向けては持ち直す予想ですが、直近相場はかなり弱い物と思われます。

ウナギ

・中国産
7月30日に土用の丑の日を迎えましたが、外食向け以外の需要が弱く感じます。
特に量販店がかなり慎重になっており、大口での契約を結ぶことなく小口仕入を進めている様子です。
そのため未だ荷動きは弱く、相場も弱くなっております。

・国産
外食の活鰻は順調に販売していますが、冷凍蒲焼の在庫が多く滞留している様子。末端売価が@1980
円を超えた販売では昨年の実績で販売数量が伸び悩んでいた為、量販店の仕入れはかなり弱い状況であ
ります。

九州水揚げ情報(松浦・長崎)

・サバ
7月水揚げ 800mt
150~250g   浜値K105~80円(餌)

・ゴマサバ
7月水揚げ数量310mt
<各サイズ相場>
700~800g  50mt 浜値k300~200円(鮮魚)
600~700g  50mt 浜値k300~170円(鮮魚)
400~600g  160mt 浜値k150~140円(缶詰)
250~350g  50mt 浜値 K120~111円(缶詰)

・アジ
●東海漁場 7月水揚げ1100mt
鮮度並~弱混じり、身脂ほぼ無し。
<各サイズ相場>
150~200g 30mt  k1000~550円(鮮魚)
130~150g  150mt k900~380円(鮮魚)
110~130g 100mt k700~310円(鮮魚・冷凍)
100~110g  270mt k360-230円(生切り・冷凍)
80~100g  540mt k280-200円(生切り・冷凍)
60-70g   10mt k140円(フライ)

・ブリ
7月水揚げ 30mt
5K物―浜値K320~210円 (鮮魚・冷凍)

・ヤズ
7月水揚げ 150mt
2.5k物-浜値k380~210円 (鮮魚・冷凍)

・小イワシ
7月水揚げ 1200mt
全長5~10㎝  鮮度悪く腹が切れている状態
浜値k70~60円(餌)

(長崎 底曳きは8月上旬よりスタート)

サワラ・サゴシ

・中国
大幅な不漁だったため、搬入減となり高値・品薄の状態が継続しています。

・韓国
大型サイズは好漁だったものの、小型サイズは中国と同様に不漁でした。

・日本
各産地とも水揚げが少なく、鮮魚出荷となっています。
凍結在庫は、ほぼ無しの状況です。

・サワラサゴシ製品
大型サイズは入荷安定していますが、円安のため搬入原価が上昇しています。
荷動きは、夏場にかけて需要は低調、お盆明けから秋冬メニューにより復調する見込みです。
中・小型サイズは、不漁だったため入荷数量が減少しています。

冷凍野菜(中国)

昨年からの物価高騰の影響で水産品や肉類の売れ行きが悪くなり、低価格帯の冷凍野菜も例外ではな
く売れが鈍っている商品が散見されます。一部の商社が葉物関係を中心に安値での提示を始めており、
昨年から続く上げ相場にブレーキがかかっています。なお、中国現地ではグリーンピースやさやえんど
うをはじめとする豆類や、菜の花やアスパラ、ジャガイモなどは不作で確定しており上げ相場ですが、
製品価格に還元できるかどうかは今後注視したいところです。

スルメイカ/アメリカオオアカイカ(中国)

凍魚類の売れ行きが悪くなり相場が下落し始めている反面、イカ関係については中国現地からの価格
は変わらず高値、国内相場についてもイカ枠の不足から高値が続いています。特にツボ抜きなどの焼き
用の製品については、レジャー向けでの引き合いが強く9月ぐらいまでは高値が続くと予想されます。

アサリ

春漁は終盤期を迎えております。
過密養殖の影響も大きく、発育悪いため昨年と変わらず低水準で推移中となっております。
そのため原貝高騰しており、かつアメリカ輸出減により大型サイズは想定よりは荷動き悪い状況なため、
大型サイズ(殻付き31/40g以上)が多少現地にてダブつきを見せております。小型サイズは強気な価格
を提示してきておりますが、高値のため販売が進んでおらず横ばいが続いています。
日本国内販売も横ばいにて推移続いております。

パンガシウス

新しく取り扱い始めました。来月から掲載開始します!

日米各種指数の推移

各種指数の推移

202308日米各種指標の推移

米国と日本の景況感
米国の6月のCPIは4%と、5月と同水準でした。これを受け6月のFOMCでは、今後の政策金利の
利上継続が発表されました。その影響で金融緩和継続中の日本と米国の間で金利差が生まれることが懸
念され、6月30日時点では$1=145円台まで円安が進みました。
その後、一時的に137円台まで円高に戻しましたが7月21日時点では再び141円台後半と円安が進
んでいます。
日本と米国の景況感について、日経平均株価は5月、6月と連続して2000円以上の値上がりをしまし
た。この値上がりは日経平均株価指数始まって以来の出来事です。
理由は複数あり、①新体制の植田日銀の金融緩和継続見込み②好調な企業決算と株主還元③東証によ
る資本効率の改善要請への期待④デフレ脱却への期待⑤海外投資家の消去法による日本株への投資など
が挙げられます。
日本全体の景況感としては悪くなく、政府も景気は徐々に回復しているとの判断をしているものの、
インフレに対する賃金の上昇率を示す実質賃金は低下しており、企業は収益が上がっているが個人の収
入がインフレにより目減りしている状況が続いています。
個人の収入が増えない限り、物価高騰の影響からどこかで支出に限界が来るため、今後の政府及び企
業の課題は賃上げを継続して行い、長いスパンで見て景気を回復させていくことになりそうです。

用語
日経平均株価指数…日本を代表する上場企業225社の株価の平均値。
S&P500指数…米国を代表する上場企業500社の時価総額を指数化したもの。
CPI…消費者物価指数。末端価格の変動を示す指標。

TOP