水産マンスリーレポート

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2023年4月号

商品情報

毎度格別なお引き立てに賜り心より御礼申し上げます。
商品情報2023年4月号をお届けします。
TOPICS!!
★  卵の価格が最高値更新。Mサイズ1kgあたりの卸売り価格が昨年同月の2倍に。
★ 大手企業の多くが賃上げへ満額回答。6割の中小企業も賃上げ予定。日本経済への後押しなるか?
★ 訪日旅行客が韓国人を中心に147万人へ。コロナ前の半分まで回復。インバウンド効果に期待。
★ クレディ・スイス銀行、シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行、世界の大手銀行が破綻。金融不安が世界的に広がる。

養殖魚

〇養殖ブリ
先月に引き続き相場下げてきており、1年魚に満たない魚の換金売りも見られる。浜値K1,100円前後で
推移。今後もモジャコ(稚魚)漁次第で相場の動きに要注意です。

〇養殖カンパチ
ブリ程ではないが横ばいから若干の下げで浜値K1,200~1,300円で推移。こちらもモジャコ次第で相場
動向が注目される。

〇養殖真鯛
四国 3Kgupの放出で浜値K550~600円と極端な投げとなっている。
2Kg台は横ばいとなっている。

カ ニ

〇ズワイガニ
例年では4月からOPEN予定のカナダ産ズワイガニ漁についてですが、先日のNorth America Seafood
Expoであった生産者の発信では増枠予想です。今後は、そのOPENの時期と価格が課題となります。
魚価を上げたい漁師と販売価格を下げたい生産者で交渉が行われていますが、燃料費、人件費、資材費
等全てのコストが上がっている為交渉は難航が予想されます。また、米国在庫も徐々にではありますが
消費は進んでいるようです。
ロシア産ズワイガニ漁、極東オホーツクで操業する生産者は冷凍品の価格低下を嫌って、鮮魚の扱いに
注力しています。その為、冷凍の生産を行う漁船は限定的で搬入減の見通しです。一方のバレンツ海で
操業する漁船は冷凍品の取り扱いに限定される為仕方なく生産を行っている様子で、採算コストもあり
今後の動向に注力が必要です。
ノルウエー産ズワイガニ漁、昨年よりも12%増枠となって1月1日にOPENしました。今年は、漁場
の流氷が少ない為ブイを使った漁で順調に進んでおり、ほぼ満枠を消化し4月3日頃CLOSEの見通し
です。今のところ、取り扱う業者が限定的で相場はまだ固まっておらず在庫は現地に保管されている状
況です。今後、日本国内で始まる商談や生産開始で相場が固まってくると思われます。

〇タラバガニ
米国アラスカ産の2年連続の禁漁の為供給は、ロシア産、またはノルウエー産地に限定されています。
現在のところ、ロシア側からのアクションはありません。
ノルウエー側では、引き続き漁は行われておりますが品質とサイズに課題があり注視が必要です。
今のところ、商談時期ではない為、相場は現状が維持されると推察します。

サンマ

台湾船による2023年度新物漁まで発信お休みします。次回は5月頃の発信再開を予定しています。

各種切り身製品

日本側の物量減から中国工場の稼働が落ちているところも散見されております。
またコロナ検疫によるデマレージ、消毒などの経費増が工場の重しとなってきているようであり、今後
の各工場の稼働状況等確認していく必要がありそうです。

〇スケソウ
小型中心であったものの、スケソウダラ漁後半に来て、大型サイズのアソート増えてきております。
ドル価も昨シーズンよりは落ちており、扱いやすくなってきているものの、円安傾向は続いていること
や、中国在庫のロシア原料等、今後の製品相場に注意したいところです。
国内相場については、一部決算による在庫調整的な動きもありますが、概ね横ばいにて推移中です。

大西洋/国産サバ原料

年明けからの国産鯖の不漁を改めて受け、大西洋鯖の加工割合をより増やした加工屋も多く見られます。
そのため、ヨーロッパ現地、日本国内での引き合いも一層強くなっている状況です。
変わらず日本以外の国からの引き合いも強くこのまま強含みにて推移していく予想です。
製品に関しましては新物原料を使用した値段の相場へ徐々に近づいていますが、まだ安手の物が見られ
るため上がり切っておりません。製品に全体に特に不足感はないため、まだこのまま横ばいにて推移す
ると考えられます。

国産鯖については先月に引き続き漁模様が良くなく各地域、ほとんど纏まった水揚げがございません。
加工原料、缶詰原料ともにメーカー各社原料手当出来ないままシーズン終了を迎えることになりそうです。

鮭鱒類

〇チリ銀鮭
ボストンでのシーフードショーの際に来期の相場が上がる情報が流れ、日本の中間層が荷物確保に動い
た為、加工原料の銀鮭Dが確保しづらくなってきております。そのため相場が上がっており荷物が出づ
らくなってきております。トリム製品はまだ大型中心にて出てきますが、4月以降若干の値上げ傾向です。

〇トラウトサーモン
銀鮭のトリム製品の使用が増えている為、トラウト製品の荷動きが悪く相場も横這いです。ただ、チリ
現地は相場強く、ノルウェー産、トルコ産も引き続き現地価格は高いようです。4月以降に需要が出て
くる可能性が高く、今後の相場上げ傾向かと思われます。

〇アトランティックサーモン
トラウトと同じく、ノルウェー産、チリ産が現地高騰しております。国内相場も若干強くなってきてお
り、フレッシュの高騰も併せて引き合いが強くなっていると思われます。ノルウェーの追加課税の件も
含め、今後は更に相場が強くなる模様です。

ウナギ

〇中国産
相変わらずシラス漁が良化せず、池入れ価格は高値継続しております。中国国内の内販も進んでおり、
冷凍蒲焼の価格は高騰しております。しかしながら、大型化した製品ばかりで日本側も買いが進んでお
らず、日本国内の販売は進んでいないため、相場は原料の高騰のため市場に反し若干の上げです。
しかし、4月以降に市場関係が決算明けに買付をある程度進めていきそうです。

〇国産
鹿児島、宮崎、愛知は昨年の同時期と同数ほどの池入れ数までは入っている状況ですが、他産地は8割
以下の池入れ数になっているため、国内全体のシラスの池入れは昨年よりも1割減です。コロナも回
復し外食関係への販売が進んでいくと予想されるため、活鰻需要が強くなると予想、そのため今期は高
値にて推移していくと予想します。蒲焼製品は確約数の製造で、FREEがかなり少ないと思われます。

九州産地情報

〇サ バ
3月水揚げ1500mt
<各サイズ相場>
500~700g  100mt 浜値K400~K220円(鮮魚・冷凍)
  200~300g 650mt   浜値K140~K100円(缶詰)
150~200g 850mt 浜値K125~K88円(餌)
鮮度が悪い事もあり、先月より相場が下がっています。

〇ゴマサバ
3月水揚げ数量320mt
600~650g 20mt 浜値K200円   (缶詰)
500~550g 100mt 浜値K160円    (缶詰)
300~500g 100mt 浜値K180~K130円(缶詰)
200~300g 100mt 浜値K140~K110円(缶詰)
缶詰用の引き合い続いてはいますが、先月より相場落ち着いています。

〇イワシ
3月水揚げ4000mt
・長崎
3月初期は80-90g(脂あり)主体で、浜値K75円-55円(缶詰用)
最近は脂も抜け、50-70g主体で浜値K50円~40円(餌)と下がってきています。
・松浦
60~70g主体脂無し、鮮度も弱い為、浜値K60~K40円(餌)

〇ア ジ
3月水揚げ 430mt
大型サイズが多く、卵持ちなので身脂も無く、腹が弱いです。
対馬漁場での小サイズが獲れてくる時期ですが、イワシが多いためか今の所全く獲れていません。
500~600g 140mt 浜値K400~K200円(鮮魚・冷凍)
400~500g 120mt 浜値K450~K250円(鮮魚・冷凍)
300~400g  10mt 浜値K350~K230円(鮮魚・冷凍)
200~300g  30mt 浜値K330~K300円(鮮魚)
150~200g  50mt 浜値K550~K380円(鮮魚)
120~150g  70mt 浜値K500~K380円(鮮魚)
90 ~120g  10mt 浜値K500~K340円(鮮魚)

サワラ類

〇さわらフィレ
大型サイズは、入荷数量・価格ともに安定しています。
中・小型サイズは、原料不漁だったため入荷数量が減少し値上がりしています。

〇中国さごし
原料水揚げが不漁となったため、高値かつ品薄の状態になっています。

〇韓国さわら
大型サイズは好漁だったものの、小型サゴシは中国同様に不漁でした。

〇日本産
各産地とも水揚げが少なく、鮮魚出荷となっています。

冷凍野菜(中国)

ブロッコリー、カリフラワーについては昨年冬の収穫が良好だったため3月頃から国内相場が下がって
きています。また、円高の影響もありその他製品も徐々に値下がりしています。
里芋は変わらず原料が少なく、今年の秋頃まで高値水準が続きます。
菜の花の新物価格も確定し、冬季の低気温の影響で昨年より2割程度原料価格が高騰している状況です。

スルメイカ/アメリカオオアカイカ(中国)

スルメ製品ですが国内の製品値上がりから売れ行きが悪化しております。
そのため、スルメリング等を使用していたユーザーが、赤いかリング等に切り替える動きが目立ちます。
赤いかの売れ行きについては、1月、2月よりは回復してきたものの以前の出荷状況には戻っていません。
産地からの提示価格は値上げ後横ばいですがが、日本からの発注が減っている関係で在庫が滞留してい
るためだと予想します。

アサリ

2022年秋漁は、漁獲不振・成長悪く小型中心でした。
3月に入ってからは、春の需要期に向けに各業態からの問合せが増えてきております。
今期春漁は、昨年の秋漁に続き、生育が悪く、例年より現地オファーが遅れる予想でのスタートですが、
今後の漁獲に期待です。

日米各種指数の推移

各種指数の推移

202304日米各種指数の推移


米国経済と日本経済の状況
3月14日に発表された米国12月のCPIは6.0%と市場予想並みの結果になりました。
日本の1月末時点のCPIは4.2%で高止まりしており、物価上昇に歯止めがかかりません。
そして、2月は黒田総裁に次ぐ日銀の次期総裁が発表され、経済学者である植田和男氏が務めることと
なりました。総裁の金融政策に対する方針により今後の為替や株価が大きく変動するため、今回の発表
は重要でした。現総裁の黒田氏は金融緩和に積極的であるのに対し、植田氏は2月24日の所信聴衆で黒
田氏の方針を引継ぎ現在の金融緩和を継続する発言をし、金利低下予想により一時は$1=137円代まで円
安が進みました。
 2月の日本の経済状況については、円安による物価高騰による仕入価格の上昇等から、
利益率の悪化が予想され景況感についてはさほど良くありません。
 しかし、株価については東京証券取引所がPBRの低い日本企業に対して改善要求を行ったため、シチ
ズン、ホンダ、AGCを始めとする企業が自社株買いを行い、株価が上昇しました。また、その動きを見
て割安株の高騰が予想されたため、市場ではバリュー株が多く買われる動きがあり、経済大国であるア
メリカの株価指数が苦戦する中2月の日経平均株価は0.4%のプラスに終わりました。

用語
日経平均株価指数…日本を代表する上場企業225社の株価の平均値。
S&P500指数…米国を代表する上場企業500社の時価総額を指数化したもの。
CPI…消費者物価指数。末端価格の変動を示す指標。
PBR…株価の割安さを指標にしたもの。数値が低い方が割安。
バリュー株…割安株

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