水産マンスリーレポート

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2023年3月号

商品情報

毎度格別なお引き立てに賜り心より御礼申し上げます。
商品情報2023年3月号をお届けします。
TOPICS!!
★ 2022年の水産物輸入金額が史上初2兆円超えに
★ 日銀新総裁候補の植田氏、「緩和を継続」コンビニ弁当で値上げを実感とコメント
★ 2022年の出生数が初の80万人割れに。国の推計より11年も早く
★ 2025年関西万博を前に関西でホテル開業ラッシュ。22年の星野リゾートを皮切りに

養殖魚

〇ブリ・ハマチ
2月以降消費が急激に落ちた為、浜値K1,100円~大幅下落。
かなりの数量輸出向けに加工されている模様。(ブリフィレ輸出相場K2450円前後)
今後も秋口にかけて横ばいもしくは下げの予想。

〇カンパチ
浜値K1,450~1550円とブリ程は大きな下げはないものの、3月以降出荷対象魚の3年魚
が大幅に出荷される見込み。よって横ばいもしくは下げの予想。

〇真鯛
1月までは韓国向けフレッシュの輸出が盛んであったが、2月以降輸出も落ち着きを見せ
四国をはじめ九州浜値下げてきておりK900円前後となっている。
今後も横ばいもしくは下げの予想。

カ ニ

〇ズワイガニ
2月米国、アラスカ州で始まったズワイガニ漁(オピリオ種)、昨対88%減枠でスタートしました。し
かし昨年と同規模の船団で開始するも枠の消化は鈍化で時間を要している様子です。全体の取扱数量が
限られており、その上価格の発表が無いことから日本への搬入は限定的な印象です。プライスリーダー
である最大の消費国米国、その消費量は年間64,000tあります。その米国に35,000~40,000tを供給する
最大の供給国のカナダ、3月13日からボストンシーフードショーが開催され商談が始まりますが、アメ
リカの在庫過多な状況は変わっておらず、新物価格は全く見通しがつきません。その次に供給が多いロ
シア産、年間19,000tを供給していますが、昨年末からのウクライナ紛争は終わりが見えず禁輸継続の
可能性が高いため、再び行き場を失いかねないロシアズワイには注視する必要があります。今後のズワ
イガニ相場大きく変動する可能性は高いことから十分に注意して取り扱うことが大事と予測します。

〇タラバガニ
米国アラスカ産の禁漁の影響から仕方なくロシア産が高値で取引となりましたが、最大需要期の拡販に
向けた価格は10,000円/kgを超える高値が付き、結果国内搬入(720t)玉の荷動きは悪い状況が続いて
います。以上から、ズワイガニ、タラバガニ共に、高値感から消費の鈍化が見受けられ、今後の原料相
場に十分に注意が必要と予想します。

サンマ

台湾船による2024年度新物漁まで発信お休みします。次回は5月頃の発信再開を予定しています。

各種切り身製品

中国工場ですが、旧正月明けの稼働については、旧正月前に懸念があったコロナ感染者の増加による稼
働休止、停止もなく、順調にスタートしております。コロナ感染対策の軟化により、原料搬入時の検疫
緩和を期待しておりますが、まだ具体的な緩和策は聞こえてきておらず、今後の対策改善に期待したい
ところです。
・スケソウ
Aシーズン開始から1か月ほど経過致しましたが、ベ海は500-600g台中心であり、日本側の望むサイズ
組成とはなっていない状況。
原料価格自体は昨年より落ちてはいるものの、サイズアソートの難題が残るスタートとなっております。
最大の加工地である中国の在庫状況については、ロシア原料もまだ相応数あるようであり、従来より小
型中心のロシア玉と、米国新物の小型中心であることから、今後の相場に注意したいところです。

大西洋/国産サバ原料

大西洋鯖の冬シーズンは終了いたしました。漁獲数量は昨年とほぼ変わらずですが、各国からの引き合
い依然強い上、日本、韓国の国内鯖の不漁により、高値に拍車をかけている状況です。製品に関しまし
てはヒネ在庫も徐々に無くなってきており、新物原料を使用した値段の相場が固まりつつあります。国
産鯖については先月に引き続き漁模様が良くなく各地域、ほとんど纏まった水揚げがございません。加
工原料、缶詰原料ともにメーカー各社原料手当出来ないままシーズン終了を迎えることになりそうです。

鮭鱒類

〇チリ銀鮭
一時の暴落雰囲気から一変して若干の相場強になっております。大型原料の価格は横這い相場ですが、
加工用の4/6,2/4サイズに関しては引合いが強くなってきております。トリム製品も安価玉が少なくな
ってきており、4月以降は売り物も少ない為今後の品薄感が考えられます。

〇トラウトサーモン
ノルウェー産、チリ産が共に現地価格が高騰しており、それに伴いトルコ産も現地価格が上がっており
ます。しかしながら国内在庫が流動していない為、日本国内相場は弱含みの状態です。さきざき考える
と相場が強くなるのが確定しておりますが、現状は横這い状態です。

〇アトランティックサーモン
トラウトと同じく、ノルウェー産、チリ産が現地高騰しております。しかしながら国内在庫が多い為か、
相場は弱い状態です。為替レートも円安に向かっている為、4月以降の買付に不安がありますが、3月決
算に向けての在庫の手放しが横行している為、状況は変わりません。

ウナギ

〇中国産
2月に入っても低水準にてシラスの水揚げが続いており、池入れも昨年度より少ない状況です。中国側
も国内消費が始まり、日本側への提示価格が高騰しております。しかしながら昨年の販売不振からか、
各社買付に慎重な様子です。中国国内の蒲焼在庫も大型中心の為、サイズバランスが悪く、今後の動向
に注視です。

〇国産
2月後半での日本国内の池入れ数量は昨年の9割り程度になっております。しかし昨年は4月のシラス
漁獲が多かった為、今年の3月以降によっては昨年の半分程度しか池入れが出来なくなってしまう危惧
さえある。九州は大型サイズが少ない為、今期池入れからの成鰻は出荷が難しくなりそうです。

九州産地情報

〇サ バ
2月水揚げ数量1360mt
<各サイズ相場>
500~600g 2月水揚げ130mt   浜値K550~K240円(鮮魚・冷凍)
200~300g  〃    820mt   浜値K225~K130円(缶詰)
150~200g  〃    410mt 浜値K135~K95円(餌)
・150g~300gサイズは相場上昇傾向。
〇ゴマサバ
2月水揚げ数量600mt 300~500g 2月水揚げ 360mt 浜値K280~K230円(冷凍)
200~300g 〃     240mt 浜値K200-130円 (缶詰)
・相場上昇傾向あり。
〇イワシ
2月水揚げ数量1000mt
<各サイズ相場>
60~90g 2月水揚げ 480mt   浜値K83~K75円(冷凍)
50~70g  〃    520mt   浜値K70~52円(冷凍)
〇ア ジ
300~600g 2月水揚げ約55mt 浜値K1000~K350円(鮮魚)
150~250g 2月水揚げ約70mt 浜値K 700~K280円(鮮魚)
〇ブリ・ワラサ
5K物   2月水揚げ10mt  浜値K750円(鮮魚)
〇ツバス
1K物   2月水揚げ約3mt 浜値約K500~K300円(鮮魚)
〇底曳き 長崎
・レンコ鯛  週3~4回 日/15-25mtの水揚げ 
300~500g   浜値K500~K400(鮮魚)
200~300g  浜値K380~K280円(鮮魚・加工)
・真鯛  日/4~6mtの水揚げ 
800g~1.5K   浜値K1000~K900円(鮮魚)
500~800g   浜値K800~K700円(鮮魚)

サワラ類

〇さわらフィレ
1000g前後の大型サイズは、入荷量・価格ともに安定しています。
400-800gの中間サイズは、原料が値上がりましたが、未だフィレ価格には及んでいません。
200-400gの小型サイズは、不漁により値上がりし、入荷も不安定な状態が継続しております。

〇中国さごし
原料水揚げが不漁となったため、高値かつ品薄の状態になっています。

〇韓国新物
大型サイズは好漁だったものの、小型サゴシは中国同様に著しい不漁でした。

〇日本産
各産地とも水揚げが少なく、鮮魚出荷となっています。

冷凍野菜(中国)

冷凍野菜原料要因での価格変動は以下の通りです。
① ブロッコリー・カリフラワー
昨年冬作が豊作だったため、今後各社値下げを実行すると予想されます。
② 里芋・菜の花
里芋は秋の作柄が悪く、今年の秋頃まで高値水準が続きます。また、現地在庫も少なく各社欠品の可能
性もあります。菜の花についても寒波により春作の作柄が悪く、原料価格が高騰することが予想されて
います。

スルメイカ/アメリカオオアカイカ(中国)

ロシアウクライナ問題での燃油価格の高騰等が原因で原料価格は高止まりしているものの、日本国内で
の製品消化状況が非常に悪く、低価格のスポット品も目立つようになってきました。各社在庫を多く滞
留させていることが予想され、売れ行きが回復しなければ相場の下落も予想されます。

アサリ

前月と大きく状況変化なし。引き続き中国国内向け活アサリの需要は高く、原料強含みの状況が続いて
おります。日本国内の動きは悪く、現地に在庫ストック中もあり、消化のため一時的に安価なものが出
回る可能性もあるため注意が必要。4月からは、徐々にですが春漁スターとなります。

海老類

エクアドルVaドル価最低値を受け海老全体が相場弱含みましたが、今月に入り現地相場反発。現地端境
期、中国買い付け復活等が要因となります。BTについてもインド、インドネシアからのオファーは限定
的です。価格帯としては依然国内安、現地先物高の状態ですが来月頃より適正化する見込み。国内市況
のメインである量販水産売り場は回復傾向にあり、引き合い強くなると思われます。天然Wは供給量の
面から投げ物はあまり出ていないが、小型サイズが養殖に価格が引っ張られる形で相場弱含み。

日米各種指数の推移

各種指数の推移

202303日米各種指数の推移


米国経済と日本経済の状況
1月12日に発表された米国の12月のCPIは6.5%と市場予想並みの結果になりました。
また、2月15日に発表の1月CPIは6.4%と市場予想をわずかに上回りましたが、株価や為替に大きな
影響はありませんでした。これは、以前よりインフレが落ち着いてきており、CPIの変動がそれほど経
済指標に影響を与えなくなってきていること意味しております。日本国内でも12月20日に日本銀行が
長年の大規模緩和を見直し、長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げることを発表したことがきっ
かけで、ドル円為替は円高トレンドに転換しました。そして、1月は$1=130円前後を推移する形となり
ました。サプライズでの実質的な利上げが決定されたことにより為替は大きく円高に振れ、1月の日銀
の動向が世界中から注目されていましたが、先月の金融精査会合では金融緩和を継続するという方針が
発表さました。そのため、引き続きドル円為替は130円前後を推移する形となりました。
日本経済の状況については40年以上ぶりの4%越えのインフレから売れ行きの悪化、企業の在庫増加な
どを理由に今後の景気停滞が懸念されてきております。

用語
日経平均株価指数…日本を代表する上場企業225社の株価の平均値。
S&P500指数…米国を代表する上場企業500社の時価総額を指数化したもの。
実質GDP…国内総生産から物価変動の影響を除したもの。
CPI…消費者物価指数。末端価格の変動を示す指標。
サプライズ…市場予想に反した中央銀行や経済ニュースの政策発表。経済指標が大きく動く。

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