水産マンスリーレポート

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2023年2月号

商品情報

毎度格別なお引き立てに賜り心より御礼申し上げます。
商品情報2023年2月号をお届けします。
TOPICS!!
★ 東急百貨店本店が約55年の歴史に幕。百貨店の存在意義に変化の波
★ 中国景況感4か月ぶり改善。1月は50超、ゼロコロナ終了で
★ セブンイレブン、卵使用商品を一部販売休止。鳥インフル流行で供給滞る
★ 今年の「恵方巻」は値上げラッシュになりそう。高級感あるものほど高く

養殖魚

〇カンパチ
12月~1月は浜値横這いのK1400~1500円で推移。2月以降は消費も落ちて下げ相場が予想されます。

〇ブリ・ハマチ
カンパチ同様12月~1月は横這いの浜値k1400円前後で推移。但し、12月の消化が思いのほか進まず、
鹿児島、大分を中心に在池尾数が過剰な状態で、2月以降は下げ相場はほぼ確実と予想。

〇真鯛
上記同様、12月~1月は横這いの浜値k950円前後で推移。2月以降は下げ予想のk800~900円または
輸出が加速し上げ予想のk1000円台になる予想と産地、生産者によって意見は分かれ、今後の状況が読
みづらくなっている。

カ ニ

〇ズワイガニ
既報通り、2023年度は禁漁となったアラスカ産オピリオ種ズワイガニ漁、一方でOPENするバルダイ
種ズワイガニ漁、漁師は魚価に拘り生産者と価格交渉を行うも難航している様子。その米国のマーケッ
ト、景気後退とインフレにより、2022年度に供給されたカナダ産、ノルウェー産ズワイガニの消化が鈍
化し在庫過多が伺えることから、もう間もなく開催されるボストンシーフードでの情報に注視します。
1月1日解禁となったノルウェー産ズワイガニ漁(2023年度漁獲枠7,117トン)、今期まではオリンピッ
ク方式で行われる様子で、昨年の半数の漁船が順調な漁獲枠を消化の様子です。満載となった漁船が順
次帰港し、マーケットの動向を注視しながら拡販が始まっており、その動向に注視が必要です。
ロシア産ズワイガニ漁、昨年のシーズンでは、冷凍品の順調な生産を横目に活ズワイガニの中国、韓国
への販売が順調で昨年を大幅に増加する扱い量で価格も高騰から、2023年度に向けて、冷凍船を活ズワ
イガニ船に適した改造が施されて、活を取り扱う生産者が増加するとの情報です。また、2021年生産の
バレンツ物の在庫販売に苦慮していた生産者、安価で拡販を開始したことにより、価格に興味を持つ日
本人バイヤーが注目し品質確認を行って買い付けを行っている様子もあり相場に注視が必要な様子が伺
えます。間もなく漁が開始される極東ズワイガニ漁の成約に向けた交渉が開始されています。2023年度
の相場を左右されることから成約価格に注視が必要です。徐々に増えつつあるインバウンド消化で徐々
に外食に動きが伺え期待するものの現状のズワイガニの相場は弱含みで推移すると推察します。

〇タラバガニ
既報通り21年度続いて22年度も禁漁となったアラスカ産タラバガニ漁、一方で毎年高値が更新されて
いたロシア産、高値を嫌った消費者がズワイガニにシフトした為取引量低下が起こり、ズワイガニ同様
に相場は一気に下落しました。それにより、ノルウェー産も足を引っ張られて格好となりましたが、EU
向け活タラバガニの扱い増や、米国の大型サイズの引き合いで相場はやや回復し取引が行われました。
しかし、取り残された小型サイズ、一部は、大幅に下落して取引が行われた模様です。生産量から推察
して、在庫となっている貨物の今後の取引に注視が必要でやや弱含みで推移すると推察します。

サンマ

【国内棒受け網船状況】
1月10日付けにて全サンマより、令和4年度のサンマ水揚げ状況の最終値が発表されました。
総水揚げ量  17,910トン (昨対98%)
総水揚げ金額 10,311,798千円 (同91%)
平均単価 578.8円/Kg (同93%)
サンマの水揚げ量は過去最低を更新。世界的なサンマの資源量低下状況に加え、サンマの群れが近海に
寄らず、主漁場が継続的に400~500Kmの沖合に遠方化した事。この結果、国内船が燃料費高騰により
操業を控えた事などが起因とされている。こういった影響も受けて、国内最大の水揚げ量を誇る銚子漁
港では、統計開始以降初めてサンマの水揚げがないシーズンとなった。こういった状況下、国内の加工
原料用サンマ在庫も慢性的に不足感が継続しており、台湾産の船凍サンマによる代替も進んではいるが、
台湾船漁獲も日本と同じくサイズ小型化に加え、輸入枠不足も合わさりかなりの強い引き合い状況とな
っている。

各種切り身製品

中国工場ですが、旧正月休みに入っており稼働はしておりませんが、コロナ感染者数増加に伴い、今後
の工場稼働が焦点になってくると思われますが、旧正月前においては工場稼働停止には至っておらず、
旧正月後の感染者数にもよると思いますが、今までのように全面休止ということは想定しにくいと思わ
れます。原料受け入れについても、PCR検査の緩和(撤廃?)の話も出ている模様。
〇スケソウ
オホーツクでのスケソウ漁については好調でスタート。今後の漁獲については、時化、海氷具合といっ
たところになってきます。中国在庫のスケソウ原料については気になるところではありますが、ドイツ
向け倍増(11月)しており、単価も十数%増。今後の欧州向け積み出しが焦点になってくると思われま
す。一方、日本国内についてはフィーレ製品は堅調に推移しております。一部メーカーについては、搬
入を絞っていたところもあり不足感も出ております。

大西洋/国産サバ原料

大西洋冬シーズンもいよいよ終わりが近づいてきました。各国からの引き合い依然強く、値段は高値て
横ばい、もしくは日本、韓国の国内鯖の状況によっては今後上昇していく可能性ございます。製品は昨
年の原料の安価な製品が残っており、値段は上がりきっておりませんが、今後徐々に新物の値段にシフ
トしていくと考えられます。国産鯖については漁模様が良くなく各地域、ほとんど纏まった水揚げがご
ざいません。加工原料、缶詰原料ともにメーカー各社原料手当出来ないままシーズン終了を迎えること
になりそうです。

鮭鱒類

〇チリ銀鮭
新物搬入が続き、一部商社の売価下落に伴い相場が弱含んでおります。為替円高の影響もあり、コスト
割れにて相場が下落していく予想です。定塩銀鮭Fの製品関係も引き合いが弱く各社在庫調整による販
売優先により価格が下落していく予想です。

〇トラウトサーモン
生産会社の減少により、今後も搬入が多く見込めないの状況ではありますが、鮭鱒全体の相場の弱含み
により価格が下落していく予想です。生食サーモンのノルウェー産フレッシュの高騰によっては再度高
騰していく事も考えられます。

〇アトランティックサーモン
ノルウェー産フレッシュサーモンが高騰している為チリ現地の水揚げ単価は高騰していますが、日本国
内の需要がまだ少ない為相変わらずトリム製品は相場が弱含みにて推移しております。為替の影響も考
えてもしばらくは大きな変動はないと思われます。

ウナギ

〇中国産
11月の台湾のスタートが豊漁であった為、当初はシラス単価が安価にて流通しておりましたが、11月中
旬から全く漁獲数が激減してしまい、12月、1月共に闇の大潮も不漁にて終わってしまいました。昨年
同様4月頃に漁獲量が増えていく希望もありますが、現状は無い為旧正月明けの23日から中国側の建値
が高騰し蒲焼製品の価格が高騰しております。
〇国産
中国と同じく池入れ数量は昨年同時期よりは若干多いですが、今後のシラス漁の見通しが分からない為、
活鰻、蒲焼製品共に高騰しております。しかしながら昨年の土用の丑の日の小型サイズの売れ行きが悪
かった為、仕入れ業者としては仕入に慎重になっています。

九州産地情報

〇松浦
・サ バ
1月水揚げ数量は3200mtと多かったものの、サイズ小さく殆どが150~200g 鮮度やや弱く脂無しと
いったものであった。
<各サイズ相場> 550~650g 1月水揚げ50mt   浜値K650~K450円(鮮魚)
450~550g  〃 50mt   浜値K450~K410円(冷凍)
300~350g  〃    16mt   浜値K350~K300円(冷凍)
150~200g  〃   800mt 浜値K135~K110円(缶詰)
150g前後  〃  1800mt 浜値K95~K90円 (餌)
選別なしスケール販売 500mt  浜値K102~K80円 (餌)

(ローソク150g・ウルメ混ざり)
・ゴマサバ
300~500g 1月水揚げ 約100mt 浜値K195~170K円(缶詰)
200~400g 〃    約100mt 浜値K170-140円 (缶詰 鮮度悪)
・アジ
300~600g 1月水揚げ約60mt 浜値K260~K220円(鮮魚)
180~250g 1月水揚げ約30mt 浜値K420~K390円(鮮魚)
・ブリ、ワラサ
5K物   1月水揚げ5mt  浜値K750円(鮮魚)
・ツバス
1K物   1月水揚げ約70mt 浜値約K250~185円(鮮魚・冷凍)
・スルメ
ほぼ入荷なし。
(底曳き 長崎)
・レンコ鯛  週2~3回 日/10-20mtの水揚げ  旧正月用の需要あり相場高
500gup    浜値K1000~
300~400g  浜値K600~K500円
150~250g  浜値K400~K280円
・真鯛  日/7~10mtの水揚げ
1Kup    浜値K1000~K900円
1Kunder   浜値K800~K500円

サワラ類

〇さわらフィレ
1000g前後の大型サイズは、入荷・価格とも安定しています。400-800gの中間サイズは、サゴシの不漁
を受けラウンド原料が値上がりましたが、フィレ市況には未だ影響が及んでいません。サゴシフィレを
含めた200-400gの小型サイズは、極端な不漁により値上がりしており、入荷も不安定な状態です。

〇中国さごし
極端な不漁模様のため、高値かつ今後は更に品薄になる見込みです。

〇韓国新物
大型サイズは好漁、逆にサゴシは中国同様に著しい不漁です。

〇日本産
水揚げ数量が少なく、鮮魚出荷となっています。

冷凍野菜(中国)

12月上旬から中国のゼロコロナ政策が撤廃され外出が容易になったことが原因で、国内のコロナ感染者
が急増し工場が潤沢に稼働できなくなる可能性が心配されます。そのため、今後中国製品が入荷遅延と
なるリスクも高くなっていきます。また、ゼロコロナ政策により昨年思うように生産ができなかったこ
とや、昨年の世界的な食料品の引き合い増から、品目により新物の生産まで原料が足りなくなる懸念が
あります。

スルメイカ/アメリカオオアカイカ(中国)

コロナの影響やロシアウクライナ戦争による石油価格の高騰により、スルメ、アカイカ共に原料価格は
徐々に値上がりを続けています。
ドル価での価格は値上がりしている反面、為替が円高に進行しているため国内での製品価格は旧正月明
け以降も横ばいが予想されます。
各社年明けからアカイカ製品の売れ行きが良くなく、在庫を滞留している商社が多く存在するのではな
いかと予想されます。

アサリ

2022年シーズンあさり秋漁は、春漁に続き少なく芳しくない状況が続いております。例年になく、あさ
りの生育も悪く身が痩せており、小型中心のアソートとなっております。そのため、原料高・その他経
費コストアップより製品価格強含む予想となっております。

海老類

エクアドルVaドル価最低値を受け海老全体が相場弱含みましたが、今月に入り現地相場反発。現地端境
期、中国買い付け復活等が要因となります。価格帯としては依然国内安、現地先物高の状態ですが来月
頃より適正化する見込み。国内市況のメインである量販水産売り場向けが特に低調な様子。天然Wは供
給量の面から投げ物はあまり出ていないが、小型サイズが養殖に価格が引っ張られる形で相場弱含み。

日米各種指数の推移

各種指数の推移

202302日米各種指数の推移


① ドル円為替について
12月13日に発表された11月の米国CPIは市場予想の7.3%に対し7.1%と下回りました。また、1月
12日に発表された2月のCPIは6.5%と市場予想並みの結果になりました。日本国内でも12月20日に
日本銀行が長年の大規模緩和を見直し、長期金利の条件を0.25%から0.5%に引き上げることを発表した
ことがきっかけで、ドル円為替は円高トレンドに転換し、1月は$1=130円前後を推移する形となりまし
た。為替市場の雰囲気は昨年秋頃までと比較して落ち着きを取り戻してきました。日本経済と米国経済
を比較したときに、中長期定期には円安になることを予想する人が多い中、昨年加熱しすぎたドル円相
場が短期的なに調整段階に入っています。

② 日本経済の現状
12月末の日経平均株価は2.6万円代と、6%代の下げ幅となりました。
日銀が金融緩和を修正したことによる金利上昇により設備投資等が躊躇されることや、物価高による製
造業などの今後の動向が不安視されることがきっかけでの結果となります。
2023年は、昨年から続くロシアウクライナ戦争やアメリカの好景気による原料価格の高騰、中国のゼロ
コロナ政策撤回からの今後の経済の影響等、注意する点は多岐にわたります。

用語
日経平均株価指数…日本を代表する上場企業225社の株価の平均値。
S&P500指数…米国を代表する上場企業500社の時価総額を指数化したもの。
実質GDP…国内総生産から物価変動の影響を除したもの。
CPI…消費者物価指数。末端価格の変動を示す指標。

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