水産マンスリーレポート

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2021年9月号

商品情報

二十四節季の十四番目の節季である『処暑』を迎えました。
『厳しい暑さの峠を越した頃』という意味ではありますが、天気予報によると、
まだまだ残暑が厳しい日が続くようです。
コロナ対策は勿論のこと、体調管理にご留意頂き、皆さまお体をご自愛下さい。
商品情報2021年9月号をお届けします。

ノルウェーサバ

新物漁が8月中盤から順次水揚げが続いております。
サイズは上下あるものの400g前後中心。品質もまだ安定しておりません。
引き合いが強く、今後も強含みで推移していくと考えられます。

海外の製品加工地ではロックダウンが多発しており、工場が稼働していない、もしくは生産数を落とし
ての稼働となっております。加えて、コンテナ不足により積み出しに遅れが出てきている状況です。そ
のため、日本国内への搬入量が一時的に少なく、各商材強含みにて推移しております。

アジ

台風等での時化が多く、お盆明けは特に水揚げが少ない状況が続いています。
9月から三陸に回る船団もいる見込みで、漁獲少ない状況が続くものと思われます。

〇西沖
サイズは90~100本/15㎏主体で、60~140本/15㎏。
鮮度良い魚が3割に、鮮度やや悪いものが多い状況です。
鮮魚と生切り(刺身用)のみでの流通となっており、高値で推移しています。
冷凍原料(干物)での流通はほぼありません。

サワラ

サワラは、季節的に夏期需要は低下したものの、徐々に秋以降は復調傾向に入る見込みです。
価格は、国内在庫量が低水準のため下方修正は見られませんでした。8月下旬以降は学校給食などメニ
ュー採用が増加し、荷動きは上向く予想です。
原料水揚げは端境期のため、目立った情報はありません。10月以降、新物漁獲シーズンに入ってきます。

サンマ

8月になり漸く国内のサンマ棒受け網漁船によるサンマ漁が、漁船の総トン数別に順次解禁しました。
中小型船の一部が出漁し初水揚げは行えたものの、延べ17隻により2日間でわずか120トン程度の水
揚げ量にとどまっています。予想通りサンマ魚群は日本近海寄りには発見されず、現在台湾など外国船
が操業する公海上の遠方海域まで、サンマ漁群を求めて出漁しなければいけない状況です。大型船も出
漁済みですが、漁場での反応は今のところ極端に薄く、大型船に至ってはまだ1回目の水揚げさえ行え
ていません(8月24日現在)。

【解禁前までの経緯】
・北太平洋漁業委員会(NPFC)との合意でサンマ漁獲参加国の総漁獲枠を40%削減の合意
・これに伴い日本の漁獲枠も、155,355トンへと削減公表。但し昨年度までの総漁獲量2~3万トン台
からは漁獲枠との差は依然大きく、枠規制による需要や相場への影響は無いとされる。
・2021年度のロシア水域内に於けるサンマ解禁日を1ヶ月後ろ倒しされ、9月1日から。過去2年間、
8月中でのロシア海域内漁獲が無かった為。
・7月30日に水産庁より令和3年度サンマ漁長期予報が公表され、史上最低数字であった昨年の総漁
獲量は上回るものの、一昨年を下回る予報。予測数字上では3.5万トンレベルであり、今期も回復
は望めず不漁が継続する内容。
・道東におけるサンマ流し網漁が、7月度は水揚げゼロで終わる。このまま流網漁は期限の9月を待
たず打ち切られる見込み。
・8月19日 厚岸港にて小型船が初水揚げ

鮭鱒類

〇銀鮭
10月の新物が間近になってきておりますが、相場は引き続き高騰中。紅鮭が少なく高値にてスタートす
ることから、銀鮭の引き合いが強く、新物がスタートしても引き合いは引き続き強いと予想されます。

〇紅鮭
ロシアの不漁がほぼ確定しており、アメリカ漁獲分もアメリカ向けにてほぼ消化される為、対日搬入量
は年々減少しております。アメリカ、ロシア両国からの搬入量は昨年を下回り、製品の価格は大幅に上
昇する見込みです。

〇トラウト
生産量がかなり減少しており、大幅な相場上昇が予想されます。数量が少ない為、年末に向けて欠品等
も予想される状況です。

〇アトランティックサーモン
現地の相場が高騰していることと、コロナによる加工への影響から生産量が少なくなる見込みです。そ
の為、年末に向けて相場は更に高騰すると予想します。

スケソウダラ

ベーリング海はBシーズン終盤ですが、他方ロシアではBシーズン入り前に、冷蔵庫の空き状況の問題
が残っております。
例年通りであれば中国向け(欧米向け)に原料消化が進んでいるはずですが、コロナ検疫の影響で積み
出しが進んでいない状況です。また豊漁のサケマスの影響もあり、今後の在庫、冷蔵庫状況に関心が集
まりそうです。
国内製品市況は横ばいから一部強含みで推移中。

ズワイガニ

各産地で行われていたズワイガニ漁、漁獲枠を順調に消化し今期のズワイガニ漁はほぼ終了となりまし
た。

ズワイ数量

米国の特需により、カナダ、ノルウェー両産地からの供給が増加し、クローズ間際の取引で5-8oz
USD16.00$/lb(C&F Boston)と昨年の相場を大幅に超える高値で成約されました。年末に向けた需要
増に応えるため、買付が先行され米国の在庫は満腹感がうかがえます。
一方のロシア産は、日本向けを含めて数量やサイズ組成で扱い条件が限定される為、スピード感が鈍化
している印象から、今後の相場下方修正の可能性を感じます。
また日本国内向け製品については、国内外で加工される製品の原料が高値であることに加えて、製品化
を行う工場で新型コロナの対応から生産環境に支障が出ている模様であり、注視が必要です。

タラバガニ

ロシア産の9月OPENを前に米国でのタラバガニの引き合いが強く、市場価格が高騰(USD87.00$/Kg 
FOB Busan)しています。それに伴って、今まで安価であったイバラガニやアブラガニ、ミナミタラバガ
ニの引き合いが増加し、価格も高騰し始めています。
続いて10月15日にはアメリカ産(アラスカ)タラバガニのOPENもあり、今後、需要期となることから
相場に注視が必要です。

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