2021年6月号 | ![]() |
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5月16日、気象台は近畿地方が梅雨入りしたと発表しました。
平年に比べ、20日程早い梅雨入り宣言です。
近年は『令和2年7月大豪雨』に代表されるような、甚大な被害をもたらす自然災害が発生しております。
今年も早速5月20日に九州地方が大豪雨にみまわれました。
6月以降は大過なく穏やかな気候が続くことを祈るばかりです。
商品情報2021年6月号をお届けします。
一部を除き各地域の水揚げはほぼ終了いたしました。
宮城では少量ずつ巻き網/トロールのマサバを水揚げしております。
数量は多くなく、価格は横這いから強含みにて推移しております。
コロナの巣ごもり需要により変わらず国内でのサバラウンドの消費は順調で、300-500gは強含み、
400-600gは横這いから強含みにて推移しております。
先月に引き続き第三国加工のフィーレ・切身製品は今のところ不足感無く順調な荷動きですが、メイン
加工国の中国へ原料の送り込みが限定的であったこともあり、今後は横這いから強含みにて推移してい
くと予想します。
また、EUの漁獲地問題によりノルウェー現地の在庫は払底しております。
漁場は東海が中心となっており、漁獲サイズは60~200本/15㎏とまちまちになっています。一部脂が
乗っている魚もいますが、漁場が遠く鮮度が落ちているものや餌喰いの魚も混じります。
鮮魚が一部と冷凍原料(干物)で流通しています。
巻網船団の多くはヨコワ漁(養殖マグロ稚魚)の漁獲に回ってしまう為、しばらくはアジの水揚は低調
になるものと思われます。
サワラは、原料の端境期になり、現在は製品の搬入時期になります。現在、実需面は芳しくないものの、
在庫数量を減らしているため、大筋で需給バランスは取れています。但し、人気が集中したサイズでは、
在庫量が少ないため一部欠品が出てきています。
中国産は、内需が引続き強く、やや上昇圧力があります。
韓国産は、中国加工のコロナ検疫強化により加工コストが上昇しております。
国内で目立った水揚げはありません。
銀鮭に関しては毎週のように委託価格が値上げされており、物量も少なくなってきております。定塩銀
鮭Fに加工する原料も少なくなってきており、製品単価の値上げが進んでいます。今期の新物の先物価
格も出てきており、一部ではあるが成約が進んでいるようです。銀鮭は新物までは現物が少なく、更な
る高騰が予想されます。
トリム製品も国内在庫が少なく、引合い強いため相場は強含みの状況です。
トラウト、アトランティックサーモンに関しても現地の青潮などの影響により今後更に高騰して行く予
想です。アメリカ景気が良い為、インフレの状態です。チリ産アトランティックサーモンのフレッシュ
価格もアメリカ向けに高騰しており、青潮等の影響も重なって現地価格が高騰しています。
DAPスケソウAシーズンはほぼ終了です。工船、母船は終漁し、一部陸上工場の枠が残っているものの、
枠が残るようであれば、Bシーズンでの使用になると思われます。
中国向けスケソウ原料が思うように送り込めていないこともあり、一部製品不足が今後懸念されます。
相場は横ばいから今後強含みの可能性あるかもしれず、注意が必要です。
4月から始まった東カナダズワイガニ漁、いずれの漁場も順調に漁獲枠を消化しています。
GULF地区、今年もクジラ問題が懸念され早期にOPENとなりましたが間もなくクローズの見通しで
す。一方のラブラドール、ニューファンドランド地区、アメリカの新型コロナの疾病も改善されたこと
で、消費する機会も増えたことで引き合いが強くなり、現在、USD13.00~13.50$で取引が行われてお
ります。日増しに価格は高騰しており、対日向けは買い付けが難しい環境です。
ロシア産、ノルウェー産も総じて、アメリカの引き合いが強い為価格が高騰しており、高値相場で推
移すると予想します。
5月に大きな搬入はありませんが、国内の引き合いも薄く、フリー在庫も少ない事から、相場は現状
維持で堅調に推移すると思われます。
一方、アメリカ・中国の引きが強く、タラバガニの端境期でもあることから、今後搬入予定となる南
タラバガニやアブラガニの問い合わせが増加しており、相場に注意が必要です。