2020年4月号 | ![]() |
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桜の咲く季節になりましたが、コロナウイルスの感染拡大が止まりません。
世の中では今日明日にでも国が緊急事態宣言を発令するのでは?との観測が高まっております。
我々食品に携わる業界としては、まだまだ向かい風が強いですが、一致団結してこの苦境を乗り切って行きましょう。
商品情報2020年4月号をお届けします。
新物原料も国内に入ってきておりますが、国内の消費状況は芳しくありません。原料の荷動きは悪く、
中国の加工工場も少しずつ稼働してきており製品の不足は感じられなくなりましたが、同じく国内の荷
動きが悪く、消化がスローな状況です。
東海
ブリ中心の漁獲。
アジは60~140本/15㎏の魚が水揚げされています。品質は卵・白子持ちで脂薄。
生切り(刺身用)主体の他、鮮魚でも流通していますが、冷凍原料(干物)に回るのは極わずかとなっ
ています。
ベーリング海は好漁ながら昨シーズンより小型です。
オホーツク海についても好漁が継続されておりますが、メインの中国向けの遅れが出ており、ロシア、
韓国での保管、洋上加工等の選択となっております。オホーツク海については来期減枠(微減)案有り。
国内市況については顕著に推移中です。中国工場からの搬入遅れがあるものの、消化ペースも早くない
ため、需給バランスは保てていると推測いたします。
カナダ/アラスカ地区の今シーズン漁獲に関する続報が入ってきています。
カナダBC
3/6より巻網・刺網ともオープン。巻網は3/7に2,019st漁獲し終了。刺網も3/17に7,067stを漁獲し
終了。コロナウイルスの影響で日本人の工場内立ち入りが禁止されており、品質に関する詳細情報は不
明ですが総じて卵率も良く良品との情報です。今年は大半が現地での腹出し加工にまわるとの情報です。
通常であれば今後検品、価格交渉となっていきますが、カナダが国境封鎖の状態のため今後どのような
スケジュールで商談となっていくのか注視されています。
シトカ
既報通り今年は生産がないことがほぼ確定しています。
ブリストル
コロナウイルスの影響により労働者の確保及び工場への移動が難しくなったことから今シーズン操業を
予定していた2社の内1社(2工場)が操業中止を決定しました。これにより操業予定は1社(1工場)のみ
となり、予想される生産量は約3,000st程度と昨年の約23,000stから大幅な減少となる見込です。
ロシア
北米ニシンの減産により残る供給地はロシアのみとなりました。ロシアも5/1まで外国人の入国を禁止
しており今後の情勢次第でこれが延長された場合には5月後半から始まる予定の生産の検品/価格交渉
に支障をきたすことも考えられます。
2020年はただでさえ大幅な生産減が見込まれる年に加えてコロナウイルスの影響で、さらなる生産抑制
がかかることも考えられます。また日本の国内市況もどのようになるか予測着かない状況であり、原料
確保、製品の販売とも難しい年となりました。
カナダガルフ12海区、19海区の漁獲枠発表がありました。31,340.65mt(昨年32,469mt 昨対96.5%)
ニューファンドランドに関しては、漁獲枠は未だありません。昨年の発表が4月4日であったことから、
間もなくの発表と思われますが、公式発表ではコロナウイルスの影響で出漁は少なくとも4月20日ま
で延期されるとのことです。極東ロシアではボイル冷、生冷、活の需給バランスが注目されています。
現在は沿海州での漁がメインで行われており、その多くは活ガニで中国へ陸送されている模様。ボイル
冷の数量は限定的ながらもアメリカ向けとして成約されています。4月からは北オホーツクでの漁での
活ガニ動向が注視されます。今後は比較的高値で取引される活と、ボイル冷を中心に生産が行われ、生
冷は市場に少なくなるとの予測です。バレンツ海、ノルウェー海域での操業は漁船や日程により漁獲量
に波があるものの、肩の大きい漁獲も多い様子です。ロシア側では数隻が操業しておりますが、小型中
心の漁獲となっている模様です。