2019年12月号 | ![]() |
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師走に入り、冬の足音がまじかに聞こえ、朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。
体調に留意しつつ、年末商戦を乗り切って行きましょう。
商品情報2019年12月号をお届けします。
巻き網漁法は400-600gサイズ中心の漁獲であったため、300-500gの不足感があります。
300-500gの価格は強含み、400-600gは横ばい予想です。
第三国加工のフィーレ・切身製品に関しては現状不足感無く順調な荷動きで推移しています。
新物原料状況から今後の小型サイズの動向が注目されます。
ベーリング海においては枠達成となり終了しましたが、来期ABC200万t台を維持していますが
TACは横ばい推移です。
アラスカ湾では20%の大幅減枠の可能性ありです。
ベーリング海については魚体が今シーズンより大型見込です。
国内市況は横ばいにて推移中。需要期も重なり、今後も横ばい見込となっております。
全さんま公表による、日本全国のサンマ水揚総量は10月31日現在で、昨シーズン同期比79%減となる
20,299トンでした。近年では最も不漁であったとされる2017年同期との対比でも半減以下で、今シー
ズンは歴史的な不漁となる公算が高いです。水揚げ量昨対21%に引っ張られた事から相場は高値引き合
いとなり、平均浜値は199%と高騰、鮮魚流通のみならず加工原料用の魚価が相当な値上がりとなり、
流通業者・加工業者が圧迫される形となっています。サンマ漁は例年通りだと11月末頃まででほぼ終漁
となるため、シーズンを通しての漁獲量は記録として残っている1950年以降で最も少なかった、1969
年の63,000トンを下回るおそれも出てきました。
10月下旬から11月上旬にはまとまった漁獲量が継続し、一時的に供給が向上するかに見えましたが、
その後長引いた時化明けの操業では漁場の南下に伴い、水揚げ量減少とサイズの小型化が一気に加速し
たため、11月末現在では今期のサンマ漁を切り上げる棒受け網漁船も出てきています。
九州アジ
時化などの影響の他、群れの姿が見えず殆ど水揚げが無い状況です。
僅かにある水揚げは鮮魚、生切り(刺身用)で流通するのみとなっています。
大半の巻網船は北陸などに移動してしまう為、更にアジの漁獲は無くなる見込みです。
年末の製品の販売は水産物全般の荷動きの悪さを反映してあまり芳しいとはいえない状況です。個人消
費主体の小型パックや簡便性のある味付け数の子の消費がやや伸びているものの贈答用の化粧箱の販売
が落ち込んでいる状況です。
一方来年の原料事情はカナダBCの漁獲枠の大幅減の情報、2019年オープンしなかったシトカが果たし
て漁獲するかどうか、またカナダイースト卵のここ2年の大幅な減産などが製品供給、価格の不安定要
因として挙がっています。
代替として比較的供給の安定したブリストル、ロシアへのシフトが進むと思われますが、品質、サイズ、
産地表示等の問題でシフトすることが難しい製品もあり、また価格上昇も見込まれるなど来年は原料買
付が非常に難しい年になると思われます。
アラスカ
19/20年度のオピリオ種漁獲枠15,431mt(昨年12,500mt)。
間もなく開始の価格交渉に注目が集まっています。
ロシア
11月19日付で2020年極東の未発表分の漁獲枠が発表されました。
31,221mt(昨年31,224mt)と前年並みの水準です。
バレンツ海の漁獲枠は当初の発表から変更なく、9,840mt(昨年9,840mt)となっております。
また、資源調査の結果、オピリオ種の資源は安定的と判断され、2021年度も平年並みの漁獲枠で推移す
ると予測されております。
今年、契約分以外が順次オークションとなり落札される中、最終ロットが11月にあり、日本、韓国の在
庫が重かったため、シーズンから比べてUSD6.00$の差となった模様です。
国内在庫、品質の良いものから順調に消費されている模様です。
来シーズン、10年枠で新たな船主が参画となります。11月の来シーズンの枠発表では、今期同枠の様子です。
ノルウェー
今シーズン順調な漁模様で10月29日をもって漁獲枠4000mt(ラウンド)を全て消化しクローズしました。
来シーズン漁獲枠の公式を発表待っているところで1月1日から漁は開始されることが確定しており各
漁船は準備に余念がない状況です。
10月15日からオープンとなったアメリカ(アラスカ)産タラバガニは今シーズンの漁獲枠17,233mt、昨
対12%減で高値取引がされ、対日約500mtが搬入された見込みです。一方、高値のアメリカ(アラスカ)
産の代用として、9月1日から漁が開始されたロシア産では引き続き西カムチャッカ沖での漁に注目が
集まっています。
これまでの累計で漁獲量は約12,900mt、カムチャッカ沖の合計漁獲枠(15,405mt)の大凡8割を消化しま
した。アメリカ(アラスカ)産の代用として引き合いが強くなり順調な取引の様子です。
昨シーズンに比べ、取引価格は上昇していますが、実際の国内製品相場には未だ大きな影響はなく、価
格は横這いにて推移しています。
ノルウェー産においては今期漁獲枠2,500mtは順調に漁獲され、多くはEU27国と韓国や中国での消費
がされた模様です。