2019年11月号 | ![]() |
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10月にたて続いた台風や大雨により被害を受けられた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
朝晩が冷え込むようになり、冬の足音が徐々に聞こえてきました。
そろそろ、鱈、アンコウなど鍋料理の準備はいかがでしょうか? 商品情報2019年11月号をお届けします。
2019年の巻き網シーズンは大方終了いたしました。終始各パッカーから出される値段は高い上、
アソートは400gから上が中心で終了しました。
また、来年のノルウェーサバの増枠が発表されました。
現状は原料、製品ともに不足感は無く順調な荷動きとなっておりますが、来年の冬季トロールに向け
原料、製品の動きが注目されます。
ロシアオホーツク海のBシーズンがスタートしており、共同監視水域は11月2日解禁予定となっております。
輸出単価も5年ぶりの高値となっております。
DAPは11月1日のクローズまで母船枠で満枠達成が微妙な状況です。
国内製品相場は原料相場上げによるコスト増、需要期ということもあり、顕著に推移中です。
水産庁がまとめた10月9日までの漁獲量では7,060トンと前年同期の13%にとどまり、過去最低水準
となりました。特に日本近海EEZ内での水揚げ量は、前年同期の0.06%と激減状態となっています。水
揚げの産地では漁業従事者以外に加工業者、出荷業者などの経営に打撃を受ける事業者を支える取組み
として全さんま主導、北海道信漁連にて経営支援策としての融資制度「道東さんま不漁緊急対策資金」
を創設。
例年通りであれば9~11月頃に日本近海に来遊してくるサンマの群れは、この10月になっても未だみ
られておりません。10月9日までで日本EEZ内海域での水揚げ量は19トンと、3万トン近く漁獲され
た前年同期を大きく下回りました。これに伴い、豊洲・大阪などの中央市場卸値も、前年同期の2倍以
上となっており末端への販売は苦戦し、残念なことに市場内残荷も多く見られる状況が続きました。
10月末現在、それまでの主漁場であった公海海域よりも日本寄り、ロシアの出張するEEZ海域内では
若干の漁獲増となってきています。1回操業では1隻当り20トン以上、船によっては100トンレベルの
満船を漁獲する棒受け船も出てきました。台風等の時化により幾度となく中断を繰り返していますが、
今後の継続的でまとまった水揚げ量に期待するしかない状況となっております。
九州アジ
台風が過ぎて僅かに漁獲が上向きましたが、依然水揚げは少ない状況が続いています。
これまで生切り(刺身用)は130本/15㎏以下を使用していましたが、水揚少ないことを受けて100本
/15㎏の大き目のサイズまで使用するようになっています。
また、鮮魚としても需要が高い他、フライ原料としても引き合いが強くなっており、浜の相場は高値で
推移しています。
今月カナダBC州のニシン資源調査の結果報告があり、2020年度ニシン枠は3,500~11,000st内での枠
設定推奨とのことでした。(2019年漁獲枠 19,783st/実漁獲 15,549st)
この報告受けて2019年末には正式な漁獲枠決定するが2019年比削減はほぼ間違いない状況です。
現在数の子の中/小サイズの供給地域としてはカナダBC州とシトカがあるが、2018-2019年の2シーズ
ンはシトカの漁獲が激減したものの、(2018年-約3,000st/2019年-オープンせず)カナダBC州で潤沢
な数量があったため大きな問題になりませんでした。
シトカも2019年末には漁獲枠発表されると思われますが、仮にある程度の漁獲枠発表がされたとしても、
果たして実際に漁獲可能か、またサイズが商業ベースでは使えないほど小型化しているとの情報もあり、
比較的好調な販売を続けている中/小サイズの供給が制限される可能性が出てきました。
アラスカズワイガニ漁
19/20年度の漁獲枠の発表がありました。
オピリオ種…15,431mt(昨年12,500mt)昨対23%増です。
バルダイ種…アラスカ、コディアックは、今年禁漁です。シトカは僅かに行われます。
ロシア(カムチャッカ沖)産は2年続けての禁漁の為バルダイ種の流通は限定的です。
ロシアズワイガニ漁
春漁は終盤となり、成約分は概ね搬入が完了した模様です。
しかし、国内在庫の荷動きが悪いことから、釜山に残るFree在庫がUSD19.00$(FOB Busan)で取引
されている模様です。
来シーズンのロシアズワイガニ漁は、漁獲の割り当て制度が変更され、新たな条件が付帯する為取り扱
いが限定されることが予測されます。
そのため今後の動向に注意が必要と考えます。
ノルウェーバレンツ海漁
9月16日から再開され一斉にスタートした秋漁、漁獲枠残1,200mt(原魚)を取り切り10月30日でク
ローズです。
その秋漁、昨年よりも身入りは良く大型サイズの組成で安定している模様です。
今後、来期の漁獲枠の発表を待って、1月1日からの新漁開始の見込みです。
アラスカ産タラバガニの漁獲枠の発表がありました。
1,119mt(製品ベース、昨年実績1,270mt)減枠となっています。
今期の漁模様は、日本が希望するするサイズは芳しくなく、大型サイズによっていることから対日向け
搬入は限定的と推察されます。
一方のロシアタラバガニは、9/1より西カムチャッカ沖で開始しました。
開始直後の漁獲は好調と思われましたが、中盤となって、予想よりも伸び悩む進捗状況です。
サイズはAve.900-1100g/セクションがメインの様子から、アラスカ産を希望するバイヤーは、今後のロ
シア産の搬入を期待しています。
昨年末はロシア産の中~大型を中心に高騰するズワイガニの代替品として需要が喚起されました。
今年はズワイガニの相場が軟調、下落傾向にあることから、ズワイガニとの価格差が縮まったため荷動
きが鈍くなっています。
トゲズワイガニと同様、ズワイガニの価格下落傾向に押されていますが、
未だ価格差に余裕があることから食べ放題や宴会メニューでの継続が見受けられます。
また、日本近海ものの浜値価格下落から、加工業者が取り扱い増となっており、コンスタントに消費さ
れている状況です。