水産マンスリーレポート

2019年10月号

商品情報

10月に入りましたが、残暑厳しい日が続いております。皆様お体をご自愛ください。
今年は特に秋の味覚の代表格であるサンマの漁獲量が壊滅的に少なく秋の食卓を直撃しております。
今後の漁獲量の回復を祈り、商品情報2019年10月号をお届けします。

ノルウェーサバ

2019年シーズン開始いたしました。各パッカーから出される値段は現状高く、アソートは400gから上
が中心となっております。現状は原料、製品ともに不足感は無く順調な荷動きとなっておりますが、ノ
ルウェー現地が大きいサイズ中心のアソートのため原料、製品の小型サイズの動向が注目されます。

スケソウダラ

スケソウについては原料強含みにて推移中です。
そのため、製品はコストアップしておりますが、国内製品相場は横ばい。一部メーカーに至っては、在
庫ポジション要因なのか、若干の下げ基調です。
今後の需要期に向け、大きな製品相場の下げはない環境ですが、用途はあまりかぶらないにせよ、同じ
北方凍魚であるシマホッケ、赤魚の原料価格下落の影響を受けるかどうかが観点となると考えられます。

サンマ

9月19日に一般社団法人漁業情報サービスセンターから、「2019年度第2回サンマ中短期漁況予報」が
発表されました。9月下旬~11月上旬のサンマ漁況の見通し概要は以下の通りです。

今後のサンマ漁況の見通し (令和元年9月下旬~11月上旬) 抜粋
1. 道東海域
(1)来遊量
・ 9月下旬は来遊がない。
・ 10月上旬~下旬になると、沖合から魚群が来遊する可能性があるが、来遊量は少なく断続的である。
・ 11月上旬は、魚群の来遊が少なく、終漁となる。
(2)漁場
・ 9月下旬は、漁場は形成されず、主漁場は道東海域より東側の公海となる。
・ 10月上旬~下旬に、厚岸南沖から襟裳岬南東沖の沖合に散発的に漁場が形成される。
・ 11月上旬は、漁場は形成されない。
2. 三陸海域
(1)来遊量
・ 9月中旬~10月中旬は来遊がない。
・ 10月下旬~11月上旬も来遊は少なく来遊は断続的。多くの魚群は、三陸海域よりも東側を南下する。
(2)漁場
・ 10月下旬~11月上旬は、三陸海域に漁場が形成される可能性があるが、漁場は三陸沿岸から離れた
沖合となる。

2019年サンマ来遊量

9月25日現在での今シーズンサンマ水揚げ総量は、昨年度比較で2割にも満たない状況が続いており、
未だ日本近海には漁場が形成される見込みは立っておりません。現状は道東各港から片道で2~3日間掛
かる公海の漁場にて操業を行っては居ますが、以前魚影は薄く、例年なら操業が行われるロシアEEZ海
域内や、日本近海での漁獲までは、現状操業海域より更に沖合からのサンマ魚群の来遊待ちとなってい
ます。その為本格的な水揚げ開始が遅れるだけでなく、漁期が短縮されることに起因するサンマ水揚げ
の絶対量不足が大きな懸念材料となってきました。
現状では鮮魚流通も例年通り潤沢には行えておらず、小型サイズの痩せた鮮度的にも旬とは言い難いサ
ンマが高値で販売されています。また冷凍原料もまだ生産出来る状況には程遠く、不足を補うための動
きで昨シーズン物の引き合いが極端に強くなったため、産地残っていた在庫はほぼ払しょくされたとの
見方です。
今後いつまでこのような苦悩を抱えた状況が続くかですが、早期に魚群の来遊が進み、漁獲が向上する
ことをただ願うのみの状況となりつつあります。

アジ

九州アジ
台風が続いており、水揚げがほとんどない状況です。
9月末に西沖で100-110本/15㎏の漁獲がありましたが、脂は少なめ。
鮮魚や生切り(刺身用)で流通し、冷凍原料には回っていません

韓国アジ
8月下旬頃から漁獲が始まりました。
60-70本/10㎏中心で、小型がほぼ無い状況です。

抱卵ニシン/数の子

加工業者は原料の調達がほぼ完了し9月に入って本格的な製品の商談に入っています。
昨年来寿司ダネ用の小型サイズの不足感は続くものの、今年はロシア/ブリストルの供給が多かったため
その他のサイズの不足感は見受けられておりません。
また、年々化粧箱入りの塩数の子の需要が減り、味付け数の子のシフトする動きが加速化している模様
です。
カナダBCは昨年より価格大きく下げましたが、加工業者側は昨年の繰越し在庫があることと、来年の
価格上昇を警戒して製品価格は若干の下げにとどめての商談の模様です。
ブリストルは大幅な供給増であり、原料価格も下がりましたが、製品価格に大きく反映するほどではな
いためほぼ昨年並みの価格で商談している業者が多い模様です。
ロシアは昨年より供給増でありましたが、価格は昨年とほぼ同レベルも品質が昨年より全般に良好だっ
たためか価格はやや下げで商談に入っている模様です。
各産地の商談も今のところ淡々と進んでいる様子ですが、全般の供給が昨年を上回っており昨年より数
量面でプラスアルファは望めないことから今後苦戦する業者が出てくるというのが現時点での見解です。
現在カナダイーストの漁期中も不漁であった昨年をさらに上回る不漁はほぼ確定との情報が入りこれが
太平洋系各産地の販売にどう影響するかが今後の焦点となると考えられます。

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