水産マンスリーレポート

2019年9月号

商品情報

佐賀県・長崎県を中心とした九州北部を襲った豪雨により、被災された方々へ心よりお見舞い申し上げます。
また、被災された方々の一刻も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
しばらく間が空いてしまいましたが、商品情報2019年9月号をお届けします。

ノルウェーサバ

2019年シーズン開始を控え、欧州さば新物の話題が出始めております。
ノルウェーさばは具体的な価格、アソート、時期に関しては今のところ不明でありますが9月後半よりスタート致します。
昨対20%減に伴い価格帯が気になるところであり、また、今シーズンはノルウェー以外の産地の動向にも注目されます。
現状は原料、製品ともに不足感は無く順調な荷動きとなっており、このペースを維持したままシーズン入りすると考えられます。

スケソウダラ

製品コストじり上げとなっているが、相場観は横ばいにて推移中です。
製品は顕著に荷動きしており、だぶつき感等無いようです。
他北方凍魚の原料相場が下落しており、スケソウダラ相場についても動向に注視が必要です。

サンマ

水産研究・教育機構東北区水産研究所が、関係試験研究機関による資源調査結果等を踏まえて、今後の
道東~房総沖における海況及びサンマの漁況について見通しの取りまとめが7月31日に公開されました。
この発表内容では、今シーズンの漁期を通じた来遊量は、昨年を下回るとの報告です。
調査結果によりますとサンマの分布量は約142万トンと推定されました。この結果からの推測では、今
年の分布量は過去最低であった2017年シーズンに次ぐ低い数値で、去年より3割少ないとの予報でした。
また調査からは今期漁獲されるサンマは小型の当歳魚主体で漁期も遅れるとの予報です。
日本に近いとされる1区の群れほど、より早く日本の漁場にやってきますが、作年と比較しますと群れ
が全体的に日本よりも遠く2区寄りに形成されており、来遊のタイミングが遅れる見込みです。大型の
1歳魚は去年よりも組成が少なくなっており、資源量が少ない上にサイズも小ぶり、漁場も遠いうちは
鮮度不安と3重苦がしばらくは続きそうです。
また更に、道東沖に形成される暖水塊の影響により、比較的冷水温を好むサンマは暖水塊を避けて南下
する可能性が高いとされます。もし沖合の親潮第二分枝側に添って群れが南下するとなると、漁場が暖
水隗よりも沖合寄りに形成され、日本船の漁場は遠方化するため苦戦が続く予想です。

8月最終週現在
サンマ棒受け大型船は東経160度辺りの公海漁場にて操業中ですが、その更に東方167度付近では台湾
船が操業中。しかし台湾船も1週間操業で漁獲総計が100トン未満との情報です。1か月程度は漁期が
遅延すると予測されていますが、盛漁期が短期化する事で総漁獲量が大幅に減少する恐れがあり、現状
では関係者の間で深刻度が増しています。
*各社国内への入荷はありますが、大型と小型サイズの消費バランスが悪く、今後もこの傾向は続きそ
うです。ただ、春向けの大型サイズの商談も出てきており、今後の大型サイズの消費動向により各社販
売方針変わっていくと思われます。

九州アジ

(西沖)
漁獲の中心サイズは80-140本/15㎏となっています。脂薄い魚が多く、魚体は長め。
鮮魚、生切り(刺身用)中心での流通となっている他、一部国内加工フライ原料となっており、冷凍原
料(干物用)は殆ど出回っていません。

(対馬)
ローソクサバ中心の漁獲となっており、豆アジが1割ほど混じる程度。
西沖、対馬沖いずれにしても漁獲量は少ない状況が続いています。

抱卵ニシン/数の子

(カナダBC)
今年度シトカがオープンしなかったことから小型サイズの供給はカナダBCのみとなりました。
また2018年の価格が高すぎ、販売に苦戦したため2018年比約80%程度の価格に抑えられた結果、小型
サイズ主体の巻網品を主体に原料は堅調に販売された模様。
一方加工業者は2018年産の贈答用の大サイズを主体に持ち越しているところが多いため、今年の価格を
100%製品価格に転化することが難しい状況です。

(ブリストル)
今年度は昨年より約38%増の23,200st漁獲し終了。現地生産コストが限界まできているため大幅な価格
是正は難しく、小幅な下げで決定しました。また、昨年同様一部小型の魚が混じるロットもあった模様。
商社筋は国内でのダブつきを懸念して小型サイズ混入ロット中心に海外加工原料に回したため、国内抱
卵ニシン原料としては大きな混乱はなかった模様です。今後海外加工の数の子が国内に搬入されるので
この製品の動向がカギになると予想されます。

(ロシア)
今年度は昨年比約30-40%増の5,000mt前後の対日向け製品(ほぼ全量がメス選別品)生産で終了した
模様。昨年よりややサイズが大型であることと卵率がやや良いことが特徴と言われています。ブリスト
ルの漁獲増を受けて価格交渉するも、ロシア側にほぼ昨年並みの価格で押し切らた形となりました。
前述通り卵率が昨年よりやや良いことから、数の子の価格はやや下げで成約されている模様です。
今後ブリストル製品との競合が予想されます。

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