2018年12月号 | ![]() |
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師走の入りは異常とも思われる温かさもありましたが、徐々に気温も下がり冬らしくなってまいりました。
鍋商材を全面に押し出した量販店も増えてまいりました。
タラ・カワハギといった白身魚を材料に海鮮鍋に舌鼓を打ちながら晩酌はいかがでしょう。
商品情報2018年12月号をお届けします。
ヒネ物300-500g、400-600gサイズとも国内在庫はほぼ底払いです。来年のノルウェーサバの20%減枠が発表され、
ノルウェー現地は更に高値固持。年明けトロール漁法にも巻き網との値差はあまり期待できず、数量も限定的かと
推察されます。第三国加工のフィーレ・切身製品は、今シーズンの原料高値を踏まえ安値の物は市中から消え、相
場強含みです。年明けを目途に、各社新物価格に移行していく見込みです。
暫く続いていたアソートの問題が多少改善されつつあります。また、2019年の魚体予想としては今期より大きい見
通しであり、来期は久しぶりにフィーレに適した原料サイズの漁獲が期待できそうです。
国内製品市況は顕著に推移中です。
全国さんま棒受網漁業協同組合は11月12日、2018年シーズン初のサンマ水揚集計を公開しました。
10月末日時点での水揚げ総数量は、9万6,788トンと昨年対比で112%増となり、昨年同時点での約2
倍強の水揚げ量となりました。記録的不漁となった昨年からは水揚げ量の回復は遂げたとの見方も、不
漁が続く2015年以降の平均水揚げ量と比較すると、同等か若干多い程度のペースという数値で、大型
船出漁開始当初にマスコミ報道で広まった様な、「転じて好漁」までとは行かなかった状況を現状は継続
しています。
地域別でみると、北海道が5万4,283トンの昨対72%増にとどまったのに対し、本州合計が4万2,504
トンの201%増と、水揚げ総量では本州が3倍に伸びている。10月上旬までは公海からロシアEEZ海域
などの遠方漁場での操業が中心となり、漁場から港までの帰港距離の関係で、道東から本州に帰港する
漁船が増加した為とみられます。平均単価はキロ当たり201円で42%安にとどまりましたが、金額は
194億7,622万円で22%の増加となりました。
今シーズンのサンマは体長が短めではありましたが、長さの割には脂の乗りは比較的良好との評価で、
一尾120~130gの一般的には中型とされるサイズが中心となりました。11月26日現在で約17,600ト
ンを超える水揚げ量を追加したが、その後一気に漁獲量は減少化。主漁場の三陸沖近海は小型サイズ中
心の漁獲にて、再び公海などの遠方域へと群れを求め操業に出ましたが、サイズ・漁獲量に大きな躍進
は無く、11月末を待たずに操業を切り上げる小型船が増加しました。11月末時点では遠方漁場での操
業も切り上げ、常総沖近海で一部の大型船が操業を継続している状況となっております。
現状の水揚げ集計では極端に悪かった昨シーズン合計は既に上回ってはいるものの、2015~16年シーズ
ンとほぼ同等か若干上積みできる程度での最終結果との予測です。
タイ現地では、漁獲アソートは変わらず大型サイズによっており、小型サイズの品薄が顕著です。
15~25尾:80% 30~50尾:20%
ベトナム現地でも漁獲サイズが大型によってきており、小型サイズの漁獲が少なくなってきております。さらにタ
イ産からの切り替えでベトナム産も欠品サイズ多くなっています。
15~20尾:60% 25~50尾:40%
*各社国内への入荷はありますが、大型と小型サイズの消費バランスが悪く、今後もこの傾向は続きそうです。た
だ、春向けの大型サイズの商談も出てきており、今後の大型サイズの消費動向により各社販売方針変わっていくと
思われます。
本格的な販売時期に入りましたが荷動きはあまり良くないとの情報が加工業者から入っています。
特に高価格帯の販売が今一つとのことで品質よりも価格重視の傾向益々強まっていると思われます。
一部では価格面からロシア原料の製品に切り替える動きが強くなっています。例年12月から1月にかけてアメリ
カ/カナダの各原料産地の漁獲枠が発表されますが,2018年比大幅な増枠は考えづらく、むしろ減枠の可能性強い
というのが日本側の認識です。したがって生産効率から2018年価格より大幅な価格修正は難しく、贈答主体か
ら個人消費主体へシフトし、より低価格な製品を求める動きに対してカナダ/アメリカ産原料が果たしてマッチして
いけるのか?というのが来年の課題となっています。
2019年の漁獲枠、ノルウェーは9,840mtと今年の横這い、ロシアのオホーツク海では16%増の21,000 mtとなり
ました。クリスマス需要でアメリカの積極的な購買と、依然として中国、韓国の引き合いの強さにより、価格は高
騰しています。日本国内で大型サイズはギフト需要により高値堅調推移、小型サイズは在庫消化の為、相場が緩ん
でいます。アラスカの新物漁獲枠は前年対比45%増(製品ベース 約7,880mt 約2,500mt増)、年明けからの新
物価格に注目したいところです。
ロシアオホーツクの2019年の漁獲枠は8,200mt(2018年:8650mt/2017年7,470mt)と減枠になりました。今年は主
に食べ放題筋で需要が増し、相場じり上げ傾向になりました。
2019年のロシアオホーツクの漁獲枠は9,722mtと発表がありました。昨年の10,153mt対比では減枠になりました
が、2017年、2018年の8,144mtの横這い推移と対比すると、まだ好調な魚種と見込みます。今後オピリオ種を中
心とするズワイガニの高騰により、代替需要が高まると予測しています。
年内の搬入も残りわずかとなり、相場の大きな変動は見られないと予測しています。アラスカでは前年対比35%減
(製品ベース約1,270mt 約680mt減)で昨年の対日向けが丸々減枠となりました。ロシアでは漁獲された内の多
くが活ガニとして流通するため製品が少ないことと、アラスカ物の代替需要として価格が高騰しております。