水産マンスリーレポート

2018年8月号

商品情報

平成30年7月豪雨、台風12号の予測不能な進路、連日続く酷暑など
7月は異常気象が続きましたが、皆様お体をご自愛下さい。
ウナギ・スルメイカ・サンマなど水産資源の減少も危惧されている中、
水産業に携わる物として貴重な水産資源を大事にしたいものです。
商品情報2018年8月号をお届けします。

ノルウェーサバ

シーズンを前に300-500、400-600サイズともに引き合いが見られる状況となっております。
日本勢、昨シーズンは買い控えた様子は感じられず、国内加工が順調に消化されていることが予想されます。
大西洋の一部の産地で夏鯖の水揚げ始まっておりますが、品質が悪いにも拘らず高値発進となっており、
9月スタートのノルウェー巻網漁への影響が懸念されます。第三国加工のフィーレ・切身製品も、
来シーズンの高値予想から安値の物は市中から消え、相場強含みとなってきております。

スケソウダラ

6月10日に解禁したベーリング海の水揚げは順調に推移中です。(残枠は749,000tとほぼ前年並み)。
現行ペースでいけば8月中旬頃には万枠のペースです。製品販売は顕著に推移しております。
製品アソートは引き続き200-300g主体です。

九州アジ

西沖では7月前半は大型中心での漁獲となり、鮮魚や生切り(刺身用)での流通となりました。
後半は130-140本/15㎏サイズも見えましたが、冷凍(干物)原料にはほぼ回っていません。
鮮度はまちまちですが、一部脂乗りが良くなっている魚も見られており、8~9月の漁獲を期待する状況です。
東海沖においては操業している船団が1~2ヶ統のみで少ない状況です。
漁獲サイズは100g以下と小型サイズ中心で、鮮度も悪い魚が多いです。

サンマ

5月からサケマス流網代替え漁業として公海上にて操業していたサンマ棒受け網大型船10隻が、
国内操業の解禁を控え一斉に帰港し、7月18日花咲港にて公海漁獲生鮮サンマの初水揚げがありました。
今回は公海漁場での漁獲を終え、帰港を機に最後の漁獲分を生鮮にて積送されたサンマで、
本来の公海漁獲魚は全て船凍処理され、全てロシアへの洋上輸出向け販売にて今期は昨対15%程度増の約8,500トンの水揚げでした。
但し、今回水揚げのサンマは値崩れ予防措置の為、サンマの国内操業期間内での流通は禁止されているため、
全量凍結され年明けに販売される見込みです。今回水揚げされたサンマは餌喰いであったが魚体は120g台中心に、
この時期としてはここ数年見られなかった140~150gの大型サイズも混獲されており、
産地関係者は3年続いた不漁と魚体小型化からのサンマ好漁復活を期待しています。
ただ現時点では既に解禁の10トン未満船による近海のサンマ漁獲は皆無であり、
ここ数年通り沖合漁場まで行って操業できる大型船による盆明けからの操業結果次第となる見込みです。

開きキス

タイ現地では、漁獲アソートは変わらず大型サイズに寄っており、小型サイズの品薄が顕著です。
先月より状況はさらに悪化しており、欠品しているサイズも出てきています。
トロールの漁獲サイズアソート
15~25尾:80% 30尾~50尾:20%
小型サイズが極端に少なく、30尾も今月に入り引き合い強くなっています。
ベトナム現地でも漁獲サイズが大型によってきており、小型サイズの漁獲が少なくなってきております。
さらにタイ産からの切り替えでベトナム産も欠品サイズ多くなっています。
トロールの漁獲サイズアソート
15~25尾:80% 30~50尾:20%

ベトナム 岩ダコ

雨季に入っており、シーズン中盤に差し掛かっている状況です。漁自体は昨年並みよりやや回復か?とみられますが、
海外マーケットの拡大もあり、浜値も大きく変わっていない模様です。日本からのオーダーも少しずつ入っており、
2/3gの小型サイズ中心も各パッカーオーダー抱えている様子です。日本のマーケットの限界価格が見えてきた中で、
これ以上の価格の上げは可能性低く、豊漁による値下がり及び原料サイズアップに期待します。

中国 岩ダコ

9月までの禁漁中です。ベトナムと違い日本からのオーダーは已然少なく、高値張り付きの状態です。
一部稼働優先したパッカーから値下げの声も聞こえてきてはいますが、基本高値の張り付きの状況です。
5g以上の大型サイズ中心に引き合いは強いですが、価格が折り合っておらず、国内品薄傾向です。
インドネシア、フィリピンのシマダコの製品オファーは出てきておりますがこちらも値上がり傾向にあり
岩ダコとの値差も少しずつ詰まってきております。禁漁明けの漁に期待しますが、大幅な下げは期待できないと
思われます。

抱卵ニシン/数の子

例年に比べ国内搬入が大幅に遅れ7月末時点で加工業者向け原料の成約は一部にとどまっている模様です。
カナダ/シトカ中心に大幅な減産となり原料価格は上昇しましたが製品価格への転化に対しては
加工業者は慎重な姿勢であることから成約まで時間がかかっている模様です。
その余波でブリストルの検品/価格交渉も例年より遅れ気味です。
さらに今年のブリストルは小型の魚体混入という品質問題抱えており長期化の様相呈してきました。
ロシアはメス選別品が約3,500-4,000tと昨年の約50%の生産量で終了が確定しました。
昨年メス選別品で約8,000tの生産があったことから低価格帯の製品用にロシア原料に対する期待強かったのですが
予想外に低調な漁模様だったことから各社原料確保のために昨年を大幅に上回る価格で買付したとの情報です。
この上昇分がそのまま販売価格に転化されるかどうか現在交渉段階の模様です。

このページの先頭へ戻る

Copyright© 2010 Suiken Incorporated All rights reserved.