2018年6月号 | ![]() |
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毎度格別なお引き立てに賜り心より御礼申し上げます。
商品情報2018年6月号をお届けします。
国内加工の塩さば・フィーレ類の販売が順調なことから、活発な原料の荷動きとなっております。
既に市中に纏まった数のフリー在庫が少ないことから今後は強含みで推移するものと考えられます。
同様に中国加工品の荷動きも順調で、45尾以下のサイズを中心に引き合いが強い状況です。
一部では35・40尾と45・50尾の価格の逆転現象が見られており、今後も小型中心に順調に消化されるものと考えられます。
ロシア原料については原料高にて推移傾向ですが、中国からの製品輸出については、実績ベースではまだ上げてはおりません。
そのため、中国工場からの値上げ打診はあるものの、市況低迷もあり、また散発的に安値玉もまだあり、相場横ばいにて推移中です。
九州アジ
●対馬沖:5月前半は水揚げがありました。
サイズは60~100本/15㎏主体となっています。
真鯖の漁獲が多く、鮮度落ちしているものが多くみられる状況です。
●東海沖:漁場によっては脂が若干乗っている魚もありますが、全体的に脂薄く、鮮度も良くないものが多い状況です。
鮮魚や生切りに向いているものもありますが、冷凍(干物)原料には回っていません。
6月からはヨコワ漁中心となる為、アジの水揚げは低調となる見通しです。
水産庁によりますと、2018年のサンマ漁獲可能量(TAC)を過去最低の水揚げ量であった前年と同じ、26万4,000トンに据え置く方針を固めた模様です。
過去3年間は10万トン前後の不漁が続いており、今回の設定枠では獲り切れない見通しが高いなか、資源量は極端に減っていないとみなし4年連続で同水準に設定する見込みとの事です。
今後開催予定の意見交換会にて水産庁がこの方針を提示し、水産政策審議会の議論などを経て正式に決定する予定です。
また国内の棒受け網漁船10隻が、5月16日に北海道根室市の花咲漁港から出航し、7月下旬まで公海上にて操業する予定。
昨年の公海漁獲実績は7,359トン、金額にして5億3,392万円にて、当初の計画は下回りました。
公海にて漁獲されたサンマは、洋上にてロシア船に販売するなど全量輸出されてきましたが、近年のサンマ不漁にて価格が高騰していることや加工業者からの要望もあり、2018年度は初めて国内流通用として一部を花咲港に水揚げを予定しているとの事です。
但し魚価への影響を考慮し、国内EEZ内での操業期(8~12月)終漁後に国内流通させる予定です。
サンマの公海操業は、ロシア海域で禁止された北洋サケ・マス流し網漁の代替で、今年まで国の補助事業にて実施。近年はサンマの深刻な不漁が続く中、全国さんま棒受網漁業協同組合は来年度から本格実施したい考えで、国に操業許可期間の延長などを求めていく意向です。
タイ現地では、漁獲アソートは変わらず大型サイズによっており、小型サイズの品薄が顕著です。
先月より状況はさらに悪化しており、国内の小型サイズの在庫が少なくなっております。
トロールの漁獲サイズアソート
15~30尾:90% 40尾~50尾:10%
小型サイズが極端に少なく、引き合いが強くなっています。
ベトナム現地でもタイと同様に漁獲サイズが大型によってきており、小型サイズの漁獲が少なくなってきております。
トロールの漁獲サイズアソート
15~20尾:40% 25~40尾:60% 他:若干
3月末頃から水揚げ始まりましたが、まとまった漁は見られません。
浜値もジリ上げ傾向にありUSD5.0台後半/kgで推移しております。
日本国内需要期ではありますが、製品の高値疲れからか例年と比較すると少々荷動き悪いように感じます。
国内在庫も2/3g以下のサイズ主体にダブつき感も出てきており、スポットの案内も見受けられるようになりました。
こういった背景から日本側の積極的な買い付けは見られず国内在庫消費しながらの様子見の状態です。
この状況が長期化した場合を危惧してか製品オファーを若干下げてきているパッカーも見られますが、まだ各社反応薄くまとまった買い付けにはなっていない模様です。
雨季直前で今後の水揚げに期待している状況です。
浜値ジリ上げ傾向にありUSD6.0前後/kgで推移しております。
高値スタートで日本向けのオーダーが少なく、各社国内在庫も2/3g以下の小型主体のアソートで消化鈍っている事が影響していると思われます。
この状況見て現地パッカーも価格交渉に多少応じる動きが出てきております。ただし他国(台湾、香港、韓国)の製品買いが強く、大幅な下げは期待できないと思われます。
また中国禁漁の影響を受け、中国の原料買いもブンタウ地区中心にみられている模様で、今後の浜値に影響出てくることが予想されます。
ベトナム国内での消費も加速しており、原料ベースでUSD8.0/kgレベルで取引きされているといった情報もあり、この傾向は先も続くと予想、水揚げ次第ですが大幅な下げは期待できないと思われます。
カナダブリストル
現地大手の腹だし卵の成約との情報です。
大サイズ CAN$11.50/LBS
中サイズ CAN$11.00/LBS
小サイズ CAN$10.00/LBS
(いずれもFOB バンクーバー)
国内価格\200-\300/kgの価格上昇となります。
供給源から価格昨年から大幅に上昇しましたが、業務筋主体に販路を伸ばしてきた中・小サイズの価格上昇を末端が受け入れるかどうかが今後の焦点になります。
また抱卵輸出分については巻網品CAN$1,550/st FOBにて成約。
この価格はUS$換算で約$1,200/stとなりシトカの価格とほぼ同値になります。
一方刺網品の抱卵輸出価格はまだ決定したとの情報は入っていません。
シトカ
現地最大手加工業者が$1,200/st FOB(FLATベース)にて成約の情報です。
昨年が$900/st(FLATベース)だったので約30%の価格上昇になります。
ブリストル
巻網漁はほぼ満枠の16,490st(漁獲枠16,829st)にて終了しました。
刺網漁はここ数年の傾向と同様ほとんど出漁者がなく約300st程度の漁獲で終了しました。
今年の特徴は全体に魚体が小型で200g台の魚の比率が非常に高いとのことです。
現在価格交渉中ですがシトカの大幅減産受けて本来であれば価格上昇しますが、一方ガラの評価が低いため価格を昨年並みかそれ以下に抑えようとする動きがあり、交渉は長期化しています。
ロシア
5月第二週から定置網の設置が開始されました。
5月中に第一波が来遊し、生産が本格化しました。
情報によるとメス選別品2,000~2,500mtの他MIX品も500~800mt程度生産された模様ですが、この後の来遊が続かずこのまま大きな上積みなく終了の観測です。
昨年はメス選別品が約7,000mt+MIX品で数の子の総供給量は約1,500mt程度と言われていますが、今年はこのままでいくと500mt前後の生産量となる予想です。
通常ロシアからの供給は昨年を除き数の子で700mt-1,000mtですので若干の減産ですが今年は北米からの供給が大幅減となっているのでロシアも価格上昇の可能性あります。