水産マンスリーレポート

2016年2月号 (1/3)

商品情報

暖冬が一変し、厳しい寒波が到来しています。
しかし、暦の上ではもう直ぐ立春です。
“梅が香に のっと日の出る 山路かな”(松尾芭蕉)
旬の寒鰤を食しながら、梅の開花を待ちましょう。
2月号をお届けします。

青 物

ノルウェーサバ

2016年1月よりトロール漁がスタートしています。
価格帯は期待していたほどの割安感はなく、引き続きアフリカ等を含め、小型サイズから引き合いが強い状況です。
国産原料が不足している中、ノルウェー原料はやや強含みに推移すると予想します。
製品は先月同様大型サイズを中心に在庫の不足感はなく、引き続き大型サイズは弱含み、小型サイズはやや強含みで推移すると予想します。

国産アジ

九州地区
●西沖:水揚げは散発的で80~100本サイズが主体です。
主に鮮魚で流通しています。

●対馬:水揚げは順調で、130~180本サイズ主体に水揚げされています。
先月よりも魚体は細く、身脂が無くなっています。干物原料としての凍結はほぼありません。
刺身用原料として流通した他、餌料用に向いたものも多いです。

輸入アジ

ヨーロッパアジ
●オランダ:チャネル海域に漁船が出漁していますが、漁が少ない状況が続いており、相場高騰しています。
1月中旬時点で対日向け約3,100mtとなっています。
その他海域の日本の買付量としては、西アイルランド約1,900mt、アイルランド(陸凍)約1,000mtと、昨年の半分程度となっています。

●ノルウェー:1月中旬時点でほぼ漁がなく、この先も漁が期待薄の様相です。
これを受けて国内在庫が一掃され、フリー玉はほぼ無くなりました。

韓国アジ
原料在庫は日本、韓国共に潤沢にある状況です。
先月同様、荷動き自体も鈍いまま推移しています。

秋刀魚

12月に入ってもサンマ漁は振るわずじまいで終漁し、全国のサンマ12月末時点の水揚げ量は11万2,255トンで、前年同期比で50%減少したことが全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま、東京)のまとめで分かりました。10万トンを下回った1976年以来、39年ぶりの不漁となりました。
サンマの群れは秋以降にロシア海域から日本列島に沿って南下しますが、今年は北海道沖の暖水域の影響で南下せず、三陸沖に好漁場が維持できませんでした。また、サンマの資源量自体が少なかったとの見方も有ります。漁場は道東の東方沖の公海やロシア海域内などで遠く、漁船が往復するのに時間がかかるため、水揚げ回数も減りました。
今期は品薄のためキロ当たりの平均単価は大船渡や気仙沼など各地で前年の2倍前後に跳ね上がりました。その結果、水揚げ金額は前年同期とほぼ横這いですが、「加工業者は原料高で厳しい状況」(全さんま)と言われています。

スルメイカ

船凍イカ:小木は月末にかけてあと1~2隻にて終漁です。
漁獲は各サイズとも昨年の約7割程度に終わり、特に大型は3000円を超える浜値にて推移しました。23/26/は浜自体もフリー在庫が少なく、端境期の相場に注目です。

九州スルメ:年明け以降も浜値は上がり続け、月夜前は4800円/箱を付けました。今後も相場は強含むと予測されます。スルメ製品にも影響する価格帯の為、注意が必要です。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
年明けの荷動きは鈍く、各社目立った搬入は見られません。
現地も旧正月を迎え、生産は一旦ストップする為、搬入は4月以降と思われます。
円高傾向にはあるものの、各社は決算を控え在庫調整に入ると思われ、国内在庫は比較的少なく、荷動きも低調に推移すると思われます。
現地浜値は落ち着いてはいるものの、下げ基調は見られず、為替次第の相場模様です。

(真ダコ)
岩ダコ同様、1月の荷動きは低調に推移していました。
荷動きの悪さから安価品も一部出回っているようですが、3月に向けての投げ物などが出る環境ではないです。
アフリカ真ダコとの兼ね合いも有りますが、製品相場はしばらく横這いで推移すると思われます。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

端境期であり、まとまった水揚げはなく、浜値もジリ上がりしている模様です。
中国同様、テトを控えており、2月の生産はほぼ無いと思われます。
昨年、一昨年と異なり、このタイミングでの現地からの安価オファーは見られず、各社買付は4月の新物待ちとなりそうです。
チャイナフリーも加速する可能性ある為、引き合い自体は強くなることが予想されます。

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