2016年1月号 (1/3) | ![]() |
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クリスマスイブのざわめきも消え、後1週間ほどで新年を迎えます。
“あらたしき年の初めに思うどち い群れてをれば楽しくもあるか”(万葉集/道祖王)
親しき友人と旬魚を食しながら、来年の抱負(夢)を語り合うのもよいですね。
1月号をお届けします。
先月記述した通り、2015年度の巻網船水揚げが終了となりましたが、価格は終盤に向かい日本含め引き合いが強く、国産の水揚げも芳しくない状況であり、特に、大型サイズは上昇し、相場は強含みに推移すると予想します。
ノルウェー現地在庫は払底しており、年明けのトロール物の価格帯が注視されます。
製品は、先月同様大型サイズを中心に在庫は不足しておらず、引き続き大型サイズは弱含み、小型サイズは横這いに推移すると予想します。
九州地区
●西沖:80~90本サイズが主体となっており、先月より魚体が大きくなっています。
餌喰いや鮮度弱い魚が多い他、身脂はほぼ無い魚が多くなっています。
鮮魚でも出荷されていますが、引き合いは弱い状況です。
●対馬:130~150本サイズ主体に水揚げされています。
魚体は細く、身脂無しの魚が多く、西沖同様引き合いは弱い状況です。
ヨーロッパアジ
●オランダ:チャネル海域での漁がほぼありません。
●ノルウェー:12月の漁獲に期待されていましたが、12月下旬まで日本向けになる魚の水揚げはほぼ無い状況が続いています。
この状況を受けて、各サイズの引き合いが強まっていますが、国内在庫のフリー玉が殆ど無くなっています。
韓国アジ
原料在庫は日本、韓国共に潤沢にある状況です。
先月同様、荷動き自体も鈍いまま推移しています。
11月末現在、今期の総水揚げ量は11.2万トン余りにとどまり、12月も水揚げはほぼ皆無状況にあって、近年にない不漁で終えました。
11月末時点にて水揚げ前年比52%水準で、昨年はこの後12月で7,410トンをプラス224,755トンとしており半減にも及ばない比較になってくる模様です。
浜値平均単価はキロ220円で、前年の117円から約1.9倍割高にまでなりました。
これにより12月の水揚げも芳しくない事から、10万トンを下回った1976年以来、39年ぶりの不漁の見込みとなりました。
公海上で多くの漁獲を行う台湾船も、13万トンレベルにて昨年対比で大凡半減となった模様です。不漁の原因は今期のサンマ資源量の低下が要因とされています。
国内の冷凍サンマは不漁が明確になってきた11月からヒネ在庫も一掃し、7.5Kg 50尾サイズが組成少なかったことも有り、ケースあたり千円以上の値上がりにつながりました。
船凍イカ・・11月集計では、前年対比で各サイズ約400円/箱ほど高値推移しており、サイズアソートは大型化が進んだものの、23/サイズがまだやや少なめです。
今後23/26/31サイズは横這いにて推移していく見込みです。
三陸、北海道の巻き網、定置は高値が続いており、各加工業者が九州スルメに着目しています。
年末手当が必要な加工業者は、九州倉前220円/kgほどで買い付けています。
このまま推移しますと、ツボヌキなど製品単価に影響する原料価格の為、注意が必要です。
(岩ダコ)
12月の消費は思ったように伸びず、荷動きは例年との比較では良くなかった様です。
円安での値上がり、暖冬等要因は様々ですが、年間通して厳しい年となりました。
旧正月を見越しての搬入も年明け続くと思われますが、原料自体の価格は大幅に変わっていない為、為替次第の価格設定となる見通しです。
各社在庫は少ない為、3月決算に向けての売り先行価格といったものは少ないと思われます。
(真ダコ)
岩ダコ同様に12月の消費は鈍かった様です。
岩ダコ以上に単価が高い事もあり、扱い自体を止めてしまったユーザーも見受けられました。
価格的にも今の日本のマーケットでは限界に来ており、ブランチ品等も多く見られましたが、今後こういった傾向が加速する可能性があります。
漁期は端境期に入っており、水揚げもわずかな状況となっています。
冷凍原料を抱えているパッカーは一部オーダー不足を感じており、特にボイルカット向けの100-150g中心の小型原料は、年明け以降価格を下げて提示してくるパッカーも出てくる可能性があります。