水産マンスリーレポート

2015年12月号 (1/3)

商品情報

木枯らしが吹き、紅葉前線が南下しています。
“もみじ葉の 流れてとまる みなとには くれない深き 波や立つらむ”(古今和歌集/素性法師)
師走を迎え、忘年会、クリスマス、納会とイベントも目白押しです。
忙しかった今年を振り返り、旬魚で一杯やるのも良いかもしれません。
12月号をお届けします。

青 物

ノルウェーサバ

2015年度、巻網船の水揚げが終了となり、価格は終盤に向かい日本含め引き合いが強まり、特に大型サイズは上昇し、相場は強含みとなりました。
引続き外国船トロール物の水揚げが続いている状況であり、価格帯も巻網に比べ、若干の安値で推移しています。
また、来期の大西洋サバの漁獲枠が総枠で90万mtとなり、その内のノルウェー枠は約20万mtで、昨年対比約15%減となります。
製品は大型サイズを中心に在庫は不足しておらず、切迫感はない状況であり、相場は大型サイズは弱含み、小型サイズは横這いに推移すると思われます。

国産アジ

九州地区
●西沖:先月同様、西沖漁場での水揚が終身で、100~130本サイズが主体となっています。
餌喰いや鮮度弱い魚が多い他、身脂は薄い或いはほぼ無い状況です。
主に鮮魚出荷となっていますが、一部冷凍の干物原料になっています。

●対馬:11月中旬頃より、150~200本サイズ主体に水揚げされています。
魚体は細く身脂無しの魚が多くみられ、刺身用や丸干し原料、フライ原料(輸出)として流通しています。

輸入アジ

ヨーロッパアジ
●チャネル海域での漁がほぼありません。
国内在庫も一部小型サイズ(170~190本/20kg)を残すのみで、120~130本の在庫がタイトになっています。
●ノルウェー:11月中旬までは日本向けになる魚の水揚げはほぼありません。
12月の漁獲に期待するしかない状況となっています。
国内在庫についても先月同様、各サイズのフリー玉は少ない状況となっています。

韓国アジ
原料在庫は日本、韓国共に潤沢にある状況です。
荷動き自体も鈍いまま推移しています。

秋刀魚

水揚げが続いているサンマ漁ですが、今期10月末時点でのサンマ水揚げ状況昨年対比が公示されました。
水揚げ総数量 84,945トン(昨年対比55%)、単価241円/キロ(昨年対比178%)。
サンマの水揚げ量も減少しましたが、小型化も目立ちました。この時期、北海道・三陸では「さんまふるさと便」などサンマの通信販売に力を入れますが、今年は150グラム超という規定の大きさのサンマがなかなか揃わず、9月初旬に早々と企画を打ち切ったメーカーも多くなりました。
今期のサンマの不漁は確実視されており、このままの水揚げが続いたとしても、豊漁だった昨年の半分程度の水揚げで終漁する可能性が高くなっています。魚は小型化しているにも拘らず、浜値は倍近くを維持しており、加工屋や流通業者にとっては今後も頭の痛い問題が続きそうです。

スルメイカ

船凍イカは10月までで各港で昨年対比約75%の水揚げ。サイズにもよるが約200~700円/箱
昨年より単価上昇しています。今後大きな変動はなく推移する見込み。
三陸の巻き網・トロールは天候の影響もあり高値推移。九州巻き網も本格的に始まり、45/サイズ近辺は品質よくなってきています。今後三陸の高値続けば、九州スルメに注目が集まりそうです。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
冬季需要もあり、荷動き自体は比較的良くなってきています。
但し、ここに来ての円安の影響受け、今後搬入されてくる玉については、各社厳しいコストとなる為、製品相場には注意が必要です。
年明けから3月に掛けては各社在庫調整に入る事が予想される為、年内の消費具合に注目します。

(真ダコ)
岩ダコ同様、冬季需要で消費進んでいる模様です。
現地相場は落ち着いているものの、こちらも円安の影響受け製品価格ジリ上がりしている状況です。
これについては、年明けの製品相場に影響して来そうな様相です。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

漁期ほぼ終了しており、水揚げも各産地で減って来ています。
フレッシュ原料で生産続けるパッカー、また、冷凍原料使用するパッカー等、様々ですが、大量に在庫を抱えている様子は無く、端境シーズンでの現地下げは無さそうな雰囲気です。
現原料浜値・・・73,000VND~75,000VND  *1USD=22,500VND
但し、100-150g中心の小型原料の向け先がボイルカットしかなく、日本向けオーダーが少ないことから、端境期でも価格下げてくる可能性はあります。

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