2015年10月号 (1/3) | ![]() |
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‘暑さ寒さも彼岸まで’の言葉通り、猛暑が遠のき、一気に肌寒い秋になってきました。
8日は寒露、24日は霜降、25日は十三夜です。
月を愛でながら、秋の旬魚を食してみては如何でしょうか。
10月号をお届けします。
9月からの巻網漁より本格的な水揚げが続いています。
2015年度の総漁獲枠約24万mtの内約7万mtの水揚げとなり、日々漁獲が続いています。
引続きロシアの禁輸措置の継続、アフリカ勢の外貨不足等の要因により、ノルウェーを含めた北欧サバを取り巻く環境が昨年より大きく変化しています。
日本及び第三国向け原料の到着は早くて11月中下旬となりますが、日本・第三国ともに在庫は足りており、切迫感がない状況となっています。
価格は昨年比で大型サイズがやや下げ、小型サイズがほぼ横這いとなっています。
製品は引き続き順調な荷動きとなっており、今後も相場横這いの見込みです。
九州地区
東海・西沖:休漁明けより東海・西沖漁場の水揚が主体となっています。
中心サイズは90~130尾とサイズが大きくなっていますが、餌喰い・鮮度弱・脂薄混じりの魚が多く、身質が悪い魚が多く見られます。
鮮魚の荷動きが悪く、冷凍原料向きの相場となりましたが、身質の問題で買い控える業者が多い状況です。
ヨーロッパアジ
・オランダ:前月と変化無く、依然として高値で推移しています。
・ノルウェー:オランダ同様高値で推移。各サイズのフリー玉も少なくなってきています。
韓国アジ
6月より漁がスタートし、漁自体はピークを過ぎていますが、シルバーウィーク前後に50~55尾の大型サイズの漁獲がありました。
台湾アジ
先月同様、台風が続いており、水揚げはほぼありません。
昨年の9月度は北海道から三陸に掛けて、連日2,000トン前後、多い日で4,700トンレベルの水揚げが続き、浜値もキロ100円前後の相場に落ち着いていました。
また、脂も豊富に乗った160g以上の大型魚が大半を占める豊漁のシーズンでした。
一転、今期は水揚げ開始当初から漁模様が悪く1,000トン未満の水揚げが続いており、また魚体も中型魚中心で、昨シーズンの様な大型魚の割合はわずか数パーセントの状態が続いています。
また、台風など時化の影響も有り、水揚げ量がまとまらない事で、浜値も高値が継続し、9月に入っても一時はキロ800円台の相場となるような状況です。
昨シーズンは9月には鮮魚出荷だけでなく、塩サンマや本冷サンマの生産が連日続けられる状況にありましたが、今期現時点では浜値高騰により、まだこういった生産は行えそうにありません。
この影響で、豊富に有った越年の冷凍在庫は相当量が一掃されたようです。
不漁の原因としては、台湾などの外国船による公海上でのサンマ乱獲や、道東から三陸沖の表面水温が例年になく高まっていることで、群れが近海寄りに南下していない(漁場が遠い)ことなどが挙げられますが、全般的に魚影が薄く、まとまった魚群が見られない事が継続しており、真意は図りかねるところです。
公海上での台湾船漁況も昨年より悪く、サイズも2号(約100~120g)中心で、今期のサンマは今後も不安要素を残したまま継続となる見込みです。
船凍イカは函館をメインに水揚げが続いています。9月に入っても大型サイズである23/26/サイズ
の組成が少なかった為、連休前には3900円/箱と高値をつけました。
しかし、相場が行き過ぎた感もあり、翌週は3200円/箱と反転しました。
アソートも大型サイズ寄りになってきており、今後相場動向に注意が必要です。
9月下旬~10月上旬にかけては八戸での水揚げも増えてくる予定です。
(岩ダコ)
為替の影響で若干の下げも、現地オファーは横這いで推移しています。
いずれにしても高値で推移したシーズンの為、荷動きは鈍かった様です。
真ダコとの価格差が詰まった事で、一部真ダコへシフトしたことも考えられますが、特に5g以上の大型サイズの製品の販売が鈍い様です。
このような状況から、冬季に向け各社大型サイズの買付控え3/4g以下のサイズへシフトしていく可能性があります。
(真ダコ)
既存の真ダコ指定ユーザー以外からの引き合いもあり、岩ダコとの価格差が影響していると考えられます。
こちらは小型サイズの引き合いは元々弱い為、5g以上の大型サイズの搬入が続く見通しです。
為替の影響で若干の値下がりは期待できますが、日本側が積極的に買に入るまでの下げではない為、様子見の状況と思われます。
いずれにしても製品4桁価格の壁があり、そこから荷動きの鈍化に繋がったシーズンであった為、各社慎重な買付けが続くと思われます。