2015年7月号 (1/3) | ![]() |
![]() |
沖縄・奄美は既に梅雨が明けましたが、まだその他多くの地域は梅雨の文月です。
七夕の夜半、夜空の星々に思いを馳せるのも乙なものです。
“この夕べ 降りくる雨は 彦星の 早漕ぐ舟の 櫂の散りかも”(詠み人知らず/万葉集)
灼熱の夏を、旬の魚介類(鯵、穴子、鰻、鱧、鯣烏賊、蛸、蜆、・・)を食して、乗り切りたいものです。
7月号をお届けします。
ノルウェーサバ原料は、新物の夏サバがスタートしており、例年通り大型主体で400-600g中心の水揚げとなっています。
日本勢は、国内・中国他加工向け共に在庫は足りており、夏サバ買付けの動きは限定的です。
今後、本格的なシーズン入りとなりますが、全世界的に200-400g、300-500gの引き合いは依然強く、400-600gは日本・韓国・中国に在庫が残っている状況で、どのような価格形成になるか、注目されます。
製品では、中国他加工品は既に価格帯を若干下げたことから、順調な荷動きとなっており、今後も相場持合いで推移すると考えられます。
九州地区
・東海:潮流悪く、網が張れない状況が続いており、先月より水揚げ数量は減少しています。冷凍原料に回っていますが、脂薄く、浜値は高値で推移しています。
・西沖:漁獲は、ほぼ無い状況が続いています。
・対馬:豆アジ主体となっています。
山陰地区
対馬同様、豆アジ主体となっています。
銚子地区
今月に入り単発で纏まった水揚げがありましたが、鮮魚主体の流通となった模様で、脂薄の品質でした。
ヨーロッパアジ
・オランダ:依然として高値で推移しています。原料高の為、開き製品の流通量が若干減少しているとの情報も出ています。
・ノルウェー:オランダ同様、高値で推移しています。一部300/400のフリー玉も見られますが、前後サイズは品薄の状況です。
韓国アジ
今月初旬より漁がスタートしました。50/90gの小型主体で主にフライ用原料として流通しています。
台湾アジ
現在休漁中で、7月より漁開始予定です。
水産庁は資源保護の為、漁獲量に上限を設けていますが、5月26日付にて2015年漁獲枠を26.4万トンに決定しました。2014年比で26%と大幅に削減され、過去最低の漁獲枠となります。但し、近年の日本国内水揚げ総量は、この枠内でも不足感は無く、生産者からも大きな不安材料はないという見方が強いです。
サンマの資源状態は、危機的な状況とまではいえないものの、緩やかな減少傾向にあります。
その原因は諸説ありますが、懸念材料の一つは台湾船を中心とした「公海上での外国船による漁の増加」にあります。
現在漁獲されている台湾船サンマは、徐々にサイズ大型化していますが、魚質悪く、餌喰いも多く、洋上でロシアの運搬船に販売されているとの情報です。
オホーツク全域で水揚げが開始されました。昨年の低気圧の影響を受け、約3割の減産が見込まれます。低歩留が懸念されていましたが、今後の生育は順調に推移し、昨年並みのアソートと想定されます。価格はアジア・米国向け輸出の動向次第ですが、国内勢・海外勢共に相場様子見ムードです。今後の価格は、為替動向や海外勢の買付け意欲により左右されていくものと思われます。
輸出向けの大型サイズ、加工向けの小型サイズなど、徐々に引き合いがきています。荷動きは実需ベースで推移しており、大型サイズの安値玉が一巡し、価格は横這いに推移するものと思われます。
先月と同様、ベトナム/タイ共に、トロールの不漁は続いています。
刺し網は豊漁で、製品も潤沢ですが、製品高値により販売は進んでいないようです。
今後メイン産地は雨季を迎え、更なる不漁が予測されます。
産地の大型サイズの不漁と、大型サイズの国内販売最盛期が重なり、15~25尾サイズあたりはかなりタイトな状況です。今後の搬入見込みも厳しい状態です。
トロールの漁獲サイズアソート
15~20尾10% 25尾10% 30~50尾80%
現地漁獲サイズと国内販売サイズのバランスが悪く、小型サイズの投げ売りも出てきており、販売に注意が必要です。
1.カナダBC
カナダ腹出し卵は価格決定しましたが、抱卵での輸出分がまだ確定していません。
懸念された小型サイズが予想外に多く、価格交渉止まっている模様です。
2.シトカ
日本向け抱卵ニシンは、商社が加工業者へ販売交渉中です。昨年より大幅な価格上昇に抵抗感があるものの、主力サイズの大 / 特大サイズを確保するには、シトカを買付するしか手がない為、商社サイドとの価格詰めの段階にきています。
3.ブリストル
貨物は6月上旬より日本に着き始め、現在国内で検品中です。6月に入り急激な円安が進んだ影響で、価格交渉が頓挫しています。
4.ロシア
当初やや不漁が伝えられ、6月上旬には漁切り上げとの情報流れましたが、直後、別魚群来遊したとの情報です。6月中旬には終了するのでは?との観測も、数量は現時点では不明です。後半魚群はロシアとしては大型の300gUP主体と、ほぼブリストルと被るサイズとの情報があり、大型サイズの数の子ダブつきが懸念されます。