水産マンスリーレポート

2015年1月号 (1/3)

商品情報

暖冬予報が一転、厳しい寒さとなっております。
今年も後僅かで、新年を迎えます。
2015年の干支は「乙羊」(きのとひつじ)。
「羊致清和」(羊は天下太平をもたらす)と、未年は平和の年になると云われております。
旬魚の鍋を囲んで、家庭の平和を満喫したいものです。
1月号をお届けします。

青 物

ノルウェーサバ

新物ノルウェーサバは日本及び加工地である中国や東南アジア各国へ続々と搬入されています。
国内・第三国ともに越年在庫が非常に少なかったことから新物を用いての加工がスタートしています。既報の通り、今期のノルウェーサバは前年比69%増の27万7,734mtの漁獲となりましたが、アフリカ・韓国・台湾等の旺盛な需要が底支えとなり、シーズン前に期待された大幅安にはなりませんでした。国内販売がメインとなる原料は、各商社が年々リスク買付けを減らしており、フリー玉は多くないと考えられます。
第三国での加工品は、急激な円安によりドル決済の加工賃が上昇したことにより、こちらも期待された大幅安には繋がらず、ヒネ物相場と同水準でのスタートとなっています。

国産アジ

各産地ではアジの水揚げが少なく、ほぼ鮮魚・生加工向けとなっています。

輸入アジ

ヨーロッパアジ
●オランダ(船凍):
年内の入札は終了しました。年明けは1月6日より検品・入札がスタートします。
Channel物は約10,000mt水揚げされ、対日向け約7,700mt。中心サイズは100-150g/尾で75%。
西アイルランド物は約9,000mt水揚げされ、対日向け約1,300mt、中心サイズは150-250g/尾で90%。

●アイルランド(陸凍):
今期水揚げ少なく、対日向け500mt未満と少量となっています。

●ノルウェー(陸凍):
約14,000mt水揚げで終了しました。対日(含中国)向け約9,000mtと予想されます。
サイズアソートは、400+/3-400/2-300⇒20%/70%/10%

韓国・台湾アジ

ヨーロッパアジ
●韓国:
製品の販売不振により原料の動きは鈍い状況です。

●台湾:
今期水揚げが少なく、国内搬入量は500mtと少量となっています。

秋刀魚

今シーズン11月末時点での国内水揚げ集計は21.7万トンで、昨年同日対比148%の水揚げ量となりました。浜値単価は昨年対比0.75倍です。漁も終盤になって組成も小型化したとはいえ、やはり大型魚の組成が最後まで多い割合を占めており、在庫自体は豊富ですが、加工用や缶詰原料向けの小型サイズが今期は不足気味です。12月中旬時点で漁場は三陸沖から常磐沖となり、サンマ棒受け網船はほぼ漁を切り上げています。一部、少ない小型サイズの台湾産のサンマを買い付ける動きが有りますが、台湾産も小型が少なく、また価格も期待ほど下げてはいない状況です。

ほたて貝

ホタテ貝柱

荷動きは実需ベースに戻り、過熱感は収束する模様です。但し、生産終了後から新物スタートまでの約半年間は相場高値横這いを予想します。

ボイルホタテ

新物生産までMサイズ以下の小型は国内在庫少なく、相場強含みに推移すると想定されます。 今後の動向に注意が必要です。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
現地浜値は大きな動きが無いものの、円安の影響で各社のこのタイミングでの大きな買付けは見られず、国内相場も上げ止まりの様相です。
旧正月前のオーダーは入れているものの、先の相場及び為替動向が読めない環境の中で、各社様子見の状態です。
円安の影響で価格上昇し続けた1年であり、国内相場も頭打ちではないか、といった声も多い中、春先に向けての価格動向に注意が必要です。

(真ダコ)
アフリカ冬ダコ好漁も円安の影響で、思いの他下げが期待されない状況の中、中国真ダコも原料相場の変動少なく、円安の影響のみ受けている格好となっています。
岩ダコの高値を受け、値差が縮まった事が要因かと思われますが、真ダコへ需要シフトの動きもあり、比較的荷動きは順調でした。
但し、岩ダコの相場に左右される商材である為、岩ダコ同様春先の価格動向には注意が必要です。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

メインシーズン終了し、次シーズンは来年4月頃となります。
その間は漁も少なく、凍結原料のコストONは多少あるものの、大きな価格変動は無いのが例年の流れで、今年も同じ様相です。
チャイナフリーが加速すれば自ずとベトナム産に注目が集まる為、国内の動向にも注意しながらの来シーズンの扱いとなりそうです。

い か

スルメイカ

船凍イカはほぼ終漁に向かい、前年比約80%の水揚げとなりそうです。
価格帯としては、去年の3000円を下回るような相場が久しぶりに入札であったものの、八戸船凍イカは相場反発し、高値となりました。
三陸巻き網も前年比85%の不漁に終わりました。巻き網原料を使った製品は値上傾向にあります。
九州スルメは12月中旬より再び水揚げが活発になり、浜値3600円(約22Kg)程度、今期は1月後半まで水揚げ続く見込みで、今後原料として注目される場面があるかもしれません。

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