2014年12月号 (1/3) | ![]() |
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東京地方と近畿地方で木枯らし1号が吹き、師走を迎えます。
大阪市場では今年も棒鱈(11月11日)、塩数の子(11月21日)の初競りが行われました。
市場には寒鰤、寒鯖、鮟鱇、牡蠣、河豚、鱈、烏賊、秋鮭等旬魚が目白押しです。
旬魚で一杯やりながら、今年を振り返るのも一興です。
12月号をお届けします。
今シーズンのノルウェーサバ漁は順調に漁獲枠を消化し、終漁となりました。
サイズアソートは600g+:1~2%、4-600g:約25%、3-500g:約50%、2-400g:約25%となり、昨年に比べ4-600gの割合が若干増加となっています。
今シーズンは前年比8割増の漁獲枠でしたが、韓国・台湾・タイ・アフリカ勢などの諸外国による旺盛な買付けが底支えとなり、シーズン前に期待された大幅安にはなりませんでした。
対日向けの搬入量は外地加工分も含めて14~15万mt(昨年13万mt)になる見込みです。
国内の原料状況は不足感があるものの、新物価格に合せる形の相場形成になっています。
フィーレ製品価格も同様に絶対数量が少ない25尾、30尾以外は原料と同様に新物価格に合せた相場帯での荷動きになっています。
新物原料は一部既に日本へ搬入されており、今後潤沢に搬入される見込みとなります。
外地加工製品搬入は早くても12月中旬で、潤沢に搬入されるのは年明けと考えられます。
今期は10月末時点で既に昨年度の総水揚げ量を上回り(15.3万トン、同期昨対133%)、11月20日時点では19.9万トンと20万トン超えは確実となりました。今期の特色は漁期終盤に掛かっても大型魚の組成が多く、逆に小型魚の割合が少ない為、缶詰・輸出・餌料向けは不足感が有ります。昨年は在庫不足から欠品や不足を補う為に台湾産サンマの輸入等が有りましたが、昨シーズンとは打って変わって不漁が好漁に転じました。漁場が日本の近海寄りに接岸したのが原因とされています。この結果、サイズによっては冷凍品在庫にはかなりの圧迫感があります。
為替円安で輸出相場が強含くむ原貝浜値高騰の要因から内販が更に相場強含んでいます。
次回新物まで国内内販向け在庫が少なく、年末から年明け辺りにはショートすることも考えられます。入用分は確保する事をお勧め致します。
Mサイズ以下の小型は品薄です。現在、更に需要が高まり、引き合いが強くなってきています。
相場は強含みで推移しており、今後、更に強含むと想定されます。
今後の動向には要注意です。
(岩ダコ)
需要期に入っていますが、価格の上げを受け、例年と比較しても荷動きは鈍くなっています。
急激な為替変動を受け、大幅なコストUPが避けられない状況です。
各社冬期販売分の確保は出来ていると思われますが、4/5g以上の大型サイズは、商社コストで1000円/kgを超えてしまう為、旧正月を境に各社更なる価格上げに動き出す様相です。
また、当アイテムは史上最高値を更新しており、各社の今後の買付けは今まで以上に慎重になり、国内在庫の品薄感が出てくると思われます。
(真ダコ)
岩ダコ同様に荷動きは悪く、日本側の積極買いは見られません。
アフリカダコの上げ相場で、一部スライス品などは各社値上げに動いています。
岩ダコの高値を受け、需要が真ダコへシフトする動きもあるかと思いますが、高値、品薄の環境はしばらく続くことが予想されます。
今月でほぼ漁獲シーズンは終了の見通しです。
中国産との値差も少ない事、またチャイナフリーの加速からシーズン中の買付けは例年に比べ、堅調であったと思われます。
次漁獲シーズンは来春である為、浜値の大幅な価格変動は考え難く、各社コストは買付のタイミングによって様々ですが、中国産同様に高値張り付きの予想です。
船凍イカ漁も終盤に入りましたが、浜値は下げきらない状況です。中心サイズは23/25、26/30。
釣りの箱冷イカは15、20尾中心(約4~5Kg スチロール箱)ですが、水揚げが少なくなり、トロールでの木箱へシフトしています。
三陸トロールも水揚げ始まりましたが、4500円~5000円/箱(20~22Kg)と相場は下がる気配を見せません。
九州スルメは4000円/箱スタートから3200円ほどまで下がりましたが、今は水揚げが少ない状況です。
12月~1月で加工業者は原料確保の最終段階に入りますので、各産地の相場動向に注意が必要です。