水産マンスリーレポート

2014年11月号 (1/3)

商品情報

秋気いよいよ深く、鮮やかな紅葉の霜月を迎えます。
“秋の夕日に照る山紅葉 濃いも薄いも数ある中に 松をいろどる楓や蔦は ♪ ♪”
今年も駿河湾では桜えび秋漁(10月30日)が、山陰では松葉ガニ(11月6日)が解禁となります。
寒い今夜は、旬魚(蟹、牡蠣、鮟鱇、河豚、鱈、皮剥等)で鍋料理は如何でしょうか。
11月号をお届けします。

青 物

ノルウェーサバ

2014年度のノルウェーサバ漁は順調に枠を消化しており、全体枠289,874mtの内既に263,176mt(年内トロール含む)を消化済み(10月21日時点)で、残すところ僅かとなっています。
今シーズンの対日向けは外地加工含めて130,000~140,000mtとなる見込みです。
大幅増枠により現地からのオファー価格は昨年より安値にて推移していますが、日本以外の諸外国からの需要が底支えとなり、またノルウェー現地にて他国・日本含め販売順調な為、シーズン前に期待された大幅安には至っていません。
国内に於いて原料は全体的に不足感がありますが、新物相場に合せ横這いから若干の弱含み傾向となっており、製品も同様に小型サイズより弱含みに推移すると予想されます。
新物原料を用いた製品の搬入は早くても12月中旬以降で、潤沢に搬入されるのは年明けと予想します。

秋刀魚

10月に入り連続した台風の影響も心配されましたが、時化後も好漁が継続し、水揚げ量・浜値ともに安定しています。昨年までとは違い、近海寄りに漁場が形成された為です。
現在は北海道沖と三陸沖に主漁場が形成されています。またサイズも小型化してきているとはいえ、昨年よりは大型~中型魚主体で、小型魚の割合が少ないのが今期の特色です。
また、さらに漁期終盤に水揚げとなる小型のジャミサンマは、まだ今のところ目立った水揚げが有りませんので、漁場の南下が急速に速まらない限り、当分は同じ様な漁模様が期待されます。

ほたて貝

ホタテ貝柱

為替円安の中、更に輸出相場は強含んでいます。
輸出相場につられ内販相場も更に強含んでいます。内販向け国内在庫も少なく、年末に向けてショートすると考えられます。

ボイルホタテ

Mサイズ以下の小型サイズは品薄です。
これから鍋シーズンに向けて需要が高まる時期になり、引き合いも強くなってきています。
相場は小型サイズを中心に強含みで推移しています。
更に品薄となり、相場は強含むと想定されます。
今後の動向には要注意です。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
まとまった漁は無いものの浜値に大きな変動は無く、安定して推移しています。
円安の影響を受けて各社値上げしており、荷動きは少々鈍くなっています。
ベトナムの漁獲メインシーズンも終了に近づき、年明け以降のオーダーは各社交渉していますが、現地も下げる要因無く、暫くは高値張り付きの状況が続くと思われます。

(真ダコ)
岩ダコ同様に円安の影響を受け価格を上げたことで荷動きは鈍く、11・12月に期待するといった状況です。
過去にない高値レベルの価格帯となっており、岩ダコへシフトするユーザーも出てくる事が予想され、今後の取扱いには注意が必要です。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

ほぼ漁獲シーズンは終了で、遅くとも11月までと思われます。
中国産同様、円安の影響を受け、価格は上がっていますが、昨今日本向けオーダー数量に満足していないパッカーからは、積極的な長期スパンでのオファーが出てきています。
チャイナフリーの動きも若干出てきており、日本側としても価格面以外の部分でベトナム産の引き合いが強くなる可能性があります。

い か

スルメイカ

10月に入り船凍イカは好漁の日も何日かありましたが、浜値は下げきらない状況です。
但し、組成は9月までの大型偏重から少し変わり、21/25 26/30サイズも増えてきました。
あと操業は約2ヶ月、今後の漁模様や組成に注目です。
船凍イカのほか、加工原料となるトロールイカも始まり、200円/Kg前後にて推移しています。
箱冷イカ(約4~5kg)も中心サイズが20・25尾となりましたが、去年ほど下がらず、各量販店など買付けに苦戦しています。
10月中旬より九州でも水揚げがスタートしました。
浜値は現在、八戸とあまり変わらずに推移していますが、来年1月位まで漁の続く場合もありますので、これからの水揚げ次第で価格が形成されていくと思われます。

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