水産マンスリーレポート

2014年10月号 (1/3)

商品情報

漸く残暑が遠のき、本格的な秋になってきました。
紅葉、初冠雪の便りが各地より届き始めております。
10月10日は、魚(とと)の日。
北海道・三陸では秋刀魚、秋鮭、烏賊、鯖等が、九州では鯵、鯖等が水揚げされています。
新米と旬魚で食欲の秋を堪能しては如何でしょうか。
10月号をお届けします。

青 物

ノルウェーサバ

ノルウェー漁獲枠も279,140mt(2013年153,355mt)の配分となり、大幅増枠です。
9月初旬より本格的な水揚げが続いており、現時点にて約14万mtの水揚げ(漁獲枠の約45%)を消化しました。
日本以外の国への販売が好調であり、引き続き8,000mt/日レベルの水揚げが続いている状況です。
日本インポーター筋も外地加工向け、日本加工筋向けの買付けが続いて推移しています。
サイズはAve380g前後と昨年より若干大きくなっています。
価格帯は他国向けの価格が底支えとなっており、シーズン前に予想されていた価格より高い価格帯となっています。
国内原料相場は品薄ですが、一部新物相場に合せた相場となっています。
国内製品も同様に品薄感がありますが、新物相場に合せ横這いからやや弱含みに推移すると思われます。

国産アジ

九州地区
西沖海区にて90~120尾/15kgの水揚げがありますが、操業船少なく(9ケ統のみ。10ケ統は道東・三陸で操業中)、ほぼ鮮魚・生加工向けであり、凍結現物は殆どありません。

山陰地区
浜田・境港共に極小アジ(10~20g/尾)主体の水揚げのみです。

銚子地区
アジの水揚げはありません。

輸入アジ

韓国
今期国産が不漁により、例年より国内搬入が多目も高値の為、荷動きが悪い状況です。

台湾
台風等の影響で水揚げが少なく、国内搬入は極僅かです。

ヨーロッパアジ
●オランダ:
9/26(金)に今期初入札がありますが、漁模様が悪く、10/下旬から本格化すると予測されます。
(*例年より1ヶ月遅れ)
漁のスタートが遅れた事により、国内搬入量が激減しており、また円安に因る高値が必至です。
●ノルウェー:
10/下旬より新漁スタート予想です。
●アイルランド(陸凍):
現時点で水揚げがありません。今後水揚げがあっても、今期はアフリカ向け主体の生産・販売となると予測されます。

秋刀魚

9月も初旬は北海道沖の遠方から近場まで漁場形成が不安定であった為、漁獲量は不安定でしたが、中旬を過ぎ漁場も安定化しています。北海道から三陸中心に、連日数千トンの水揚げが続き浜値も下がってきました。当初多く見られたアミ喰いもほぼ抜けており、今後は安価なサンマの入荷が期待されます。現状でのサイズは160g以上の大型魚が大半を占めており、逆に小型サンマ組成が少なく、昨シーズンとは異なり小型の引き合いが強い状態ですが、例年通りであれば漁期の経過と共に小型化してきます。

ほたて貝

ホタテ貝柱

為替円安の中で、引き続き輸出向け引き合い強くなっています。9月から加工屋は秋鮭の加工に入っており、内販向けの1㎏化粧箱のパッキングが出来ていない状況です。また、産地は輸出しか目を向けていない状況が続いており、内販向けの生産をするのか否か不明です。引き続き国内在庫は品薄で、相場は高値維持、更に強含み、年末に向けてショートすると考えられます。

ボイルホタテ

内販の荷動きが低下したものの、産地在庫は品薄になってきており、順調に消化されていると考えられます。相場は横這いで、小型の2S以下については需要期に向けて強含む可能性があります。

い か

スルメイカ

依然として操業が北に偏り、水揚げ港は函館・八戸になっています。
漁模様は一時期の不漁からは脱し、型もよくなってきました。
10月を迎え、これから本格的な漁になるか否かによって左右されます。
浜値もまだ高水準にありますが、3000円超えは解消しつつあります。
また、加工原料として扱われますトロールイカについても漁が見えつつあります。

ムラサキイカ(北太平洋)

相変わらず製品需要が伸びず、製品販売は低調に推移しています。
北太平洋ムラサキイカより安価なペルーイカの製品が定着し、マーケットが縮小しているのが原因と思われます。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
漁期に入り、浜値は安定して推移しています。
但し、8月からの急激な円安により、輸入コストの大幅なアップから内貨での引き合い強くなってきています。
今のところ現地も価格交渉に応じるスタンスでは無く、円安分のコストアップが吸収できず、各社値上げの動きに出てきています。
冬期需要控えていますが、各社現地からの積極買いは控えており、国内在庫も逼迫してくることが予想されます。

(真ダコ)
アフリカダコの影響受け、こちらは原料相場も上げ基調です。
為替の影響も受け、国内相場値上げです。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

漁獲は堅調に推移しており、昨年と同レベルの水揚げが期待されています。
現地オファー価格は据え置きですが、為替の影響で中国産同様高値の為、各社様子見の状況です。
今シーズンは各社春の新漁から買い進めてきた為、年内在庫は心配ないかと思われますが、年明け以降は値上げの可能性が高くなりそうです。

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