水産マンスリーレポート

2013年12月号 (2/3)

商品情報

い か

スルメイカ(船凍)

11月も後半に入り、魚群が少し見えてきました。
今回は北太平洋に漁場が出来、殆どの船が集結しています。
このため、水揚げ地は今後八戸に大半がシフトされると思われます。
浜値も一時の超高値を打ち消し、今後の漁次第でどこまで価格調整出来るかの状態になってきました。但し、間もなく年末を迎える状態で、通常では終漁となる時期です。
一部、八戸では年明けの漁延長も検討されている状態と聞きますが、今のところ決定事項ではなく、今後注意が必要となります。

スルメイカ(加工用)

前回、前々回に続きスルメイカ(加工用)の現状を報告します。
今までは八戸トロール・、北海道定置網・釣りとも型が大きくならず、また不漁で推移していましたが、11月中旬より漸く型は大きくなり出しました(330/360g)。
漁場は八戸前浜から南下して、現在は三陸沖になっています。
漁も回復傾向にありますが、今まで不漁であった分、加工業者の原料確保での買いが強く、浜値は高値のまま推移しています。この為、一部加工業者からは年明けの製品値上げ、限定数量などが聞こえてきました。
今後、注意が必要です。

※弊社では九州スルメイカを加工し販売しております。
ツボヌキ・ゲソともIFQ仕立てでお使い易くなっております。
また、5尾袋入りもございますので是非ご利用下さい。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
需要期に入り引き合い強くなって来ています。
原料不足による浜高は変わらず、現地からの製品オファーもジリ上がりしています。
安価なスポット品等も少なくなってきており、年明けに向けて品薄、値上がりが予想されます。
この高値を受け、各社ヒモ付きでの買付け行っていると思われ、フリー玉は少なく、暫くこの状況は続くと思われます。

(真ダコ)
岩ダコ同様現地オファーがジリ上がりしています。
アフリカ冬漁がスタートし、まだ状況が見えませんが、不安な見方が多く、中国真ダコにも影響出てくると思われます。
今年初めの安値を受け、製品価格が下がった事で需要も高まった真ダコですが、年明けに向け価格が締まってくる可能性が高いと思われます。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

端境期に入り、各パッカーから積極的なオファー出て来づらい環境になっています。
今シーズンはスタート時から価格下がらず、為替の影響で日本向け製品の厳しい価格が続いており、秋口頃から若干価格下げに応じてきましたが、為替分の価格差は埋まらず、各社様子見が続いていました。
中国の不漁も影響し、国内品薄感の中、シーズン終了間近で契約するケースが見られました。 但し、昨年と比較すると製品単価で150円~200円/kgUPしており、荷動きに大きく影響することが予想されます。

海 老

《ブラックタイガー、バナメイ、他 産地状況》

ブラックタイガー:BT

各産地とも前月同様高値推移が続いています。
エトキシキン問題は、11月19日に食品安全委員会で審議が行われました。早ければ来年2月中に新たな残留基準が適用される見通しとなりました。しかし、この時期は端境期であり、現地の3月以降の水揚げで、GW前後に国内搬入される商品から新基準が適用されると思われます。
インドの養殖業者は急激な価格高騰により、この1年間利益を確保しており、来シーズンは生産意欲が高まっている事から、生産量が増加し相場下げが予想され、またこれを受けて他国の相場にも影響を与えると思われます。
しかし、春先までは現状横這いから強含みな状況が続くと思われます。

バナメイ:VAN

中国ではEMS(早期死亡症候群)の影響により、先月の報告通り旧正月頃までは東南アジアへの買い付けを加速すると思われます。その為、各産地高値推移継続中です。
EMSは中国以外にタイ・ベトナムでも影響しており、改善の見込みが経っていません。
タイでは、EMSとされたエビのうち急性肝膵臓壊死症候群(AHPNS)と白てん病(ホワイトスポット)がわずか2割程度であり、その他8割は原因不明であり昨年55万tから今年は約25万tとエビ生産量が半減しており、深刻な状況が続いています。
前月同様、品不足から原料確保が困難な状況となっており、各メーカーは原料確保に躍起になっています。
この状況は最低でも年末まで続くと予想され、最需要期の12月に向け品薄・欠品が続くと思われます。

天然:フラワー、ホワイト

オーストラリアでは、天然タイガー種が昨年並みの漁獲量で推移していますが、為替の影響により昨対比約20%高騰しています。
その他天然エビは養殖原料の高騰を受け、相場が引き上げられている状況です。
また、インドでは、フラワー種は価格高騰により国内搬入量が減少している模様です。
量販のパック売り用としてBTの代替えのホワイト種の取り扱いは、一時のピークは過ぎたものの、依然引合いが強い模様です。
アルゼンチン赤エビも、先月同様で春漁の漁獲不振より高騰を続けています。

《 国 内 相 場 状 況 》

殻付無頭原料

国内状況は先月より更に悪化し、BT殻付無頭は国内での原版確保が厳しい状況が続いています。特に、大型中心(16/20サイズ以上)に品薄感が出てきており、取り扱いに注意が必要です。
バナメイも前月と大きく変化が無く、現物品薄・高値推移となっています。
価格帯も日替わりで変更する異常状態です。
この状況は、最低でも年末までは続くと予想され、製品確保に必死な状況であり、また末端ユーザーは価格に付いて行くのが困難となり、メニューカットとなる事も考えられます。

むきえび等 製品

その他エビ製品も原版同様状況悪化の一途を辿っています。
バナメイムキエビは、タイ産では更に価格高騰の為、買付けに苦戦を強いられており、その他産地も強含みの見込みです。
その為、天然エビ(ピンクムキエビ、他)を代替えとして使用を模索しているユーザーも増加中です。
伸ばし海老・その他製品(エビフライ、寿司エビ、他)も、現地状況を受け今後更なる価格高騰・製品確保に必死な状況が続くと予想されます。
各製品、取り扱いに注意する必要が有ります。

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