水産マンスリーレポート

2013年12月号 (1/3)

商品情報

紅葉漸く褪せて、愈々師走を迎えます。
今年も大阪市場では、恒例の棒鱈(11月12日)、塩数の子(11月19日)の初競りが行われました。
市場には旬の魚介類も目白押しで、鰤、鯖、鮟鱇、牡蠣、河豚、鱈、皮剥等、脂ものってきました。
寒い今夜は、鍋料理もいいですね。
12月号をお届けします。

青 物

ノルウェーサバ

ノルウェー巻網漁はほぼ終了し、約16万tの水揚げとなりました。
トロール物の価格も為替の影響及び他国の引き合いが非常に強いことから、昨年より大幅UPとなり、現時点残り物でも巻網物と同等レベルにて販売されている状況です。外地加工製品もノルウェー現地原料高値を踏まえ、また品薄も重なり、国内相場も強含みに推移すると予測されます。また、12月中に来期漁獲枠の発表がある為、注意が必要です。

国産アジ

九州地区
西沖・東海海区にて漁獲は有りますが、数量少なく、基本鮮魚・生加工向けが主体となっています。

山陰地区
浜田・境港は鰯類(片口・小羽・ウルメ混)主体の水揚げです。

銚子地区
単発的に水揚げが有りますが、鮮魚・生加工向け主体で、冷凍向けは少量となっています。
*凍結相場・・40~70尾/10㎏、k¥200~230(倉前)

輸入アジ

ヨーロッパアジ
現時点では、対日向け数量約8,000mt。型は120~150尾/20kg主体となっています。
特に、150尾より小型サイズの割合少なく、入札価格は高騰中です。
魚質にも因りますが、大相場(商社出値、倉前)は、
80/120尾 k¥240~250
120/150尾 k¥220~240
150/200尾 k¥230~250

ノルウェー(陸凍)
現時点では、対日向け数量約6,000mt。型は200~300g/尾5~7割と小型サイズ主体です。
2週間水揚げが切れており、このまま終了かと思われます。
大相場(商社出値、倉前)は、セット条件でk¥250~260レベルですが、300/400gup型の単品オファーは少なく、出てきてもk¥280以上。

アイルランド(陸凍)
小型船の水揚げが数回有りましたが、現時点纏まった水揚げは有りません。

台湾

10月以降毎週台風が通過しており、水揚げは少な目です。
国内現物もほぼ払底しています。

韓国

現地水揚げは有りません。国内現物は多少有りますが、魚質に難有るロットが主体です。

秋刀魚

台風が多かった今シーズンは、漁場の海水温が高水温から転じての降温が早く、11月に入り秋刀魚漁場は北海道・三陸沖から一気に常磐沖にまで南下しました。サイズ組成も同じく急速に小型化し、ジャミ中心で冷凍原料に廻るサイズが殆ど獲れない状況となっています。現在、北海道はほぼ終漁の様相で、三陸も宮城県での水揚げが中心です。10月末での昨対水揚げ数量は71%(11.5万t)、単価は1.8倍となっています。冷凍原料の在庫も少なく、相場も可なり高めで推移しています。

数の子

製品関係

11月に入っても依然荷動きはスローな状況が続いており、実際に荷動きがあるのは12月になるのでは?との観測が出ています。今のところ荷動きが少ない為、価格は大きな下げもなく推移中。約1ヶ月発注が遅れているというのが全般の観測です。

原料関係

時期的に大きな動きなく、年末の販売結果を受けて年明け以降新シーズンに向けて動き出すものと思われます。

その他凍魚・加工凍魚

開きキス

タイ現地では、刺し網原料の水揚げが急激に減少しており、トロール主体のオファーしか取れない状況です。水揚げ分の大型サイズは中国が意欲的に買い付けをしており、小型は徐々に増えてきてはいますが、ドル価はほぼ横這いです。
ベトナム現地では、トロール原料も刺し網原料も共に先月と変わらぬ状況です。
ただ、大型サイズは中国からの買いが強く、小型(30~40尾)サイズは日本からの引き合いが強くなっています。
トロール原料/刺し網原料・・約10t/日水揚げ
15~25尾10~15%、30~40尾30~40%、50~60尾35~50%
国内での最需要期を過ぎてはいますが、他の天種商材の値上げ等より、小型サイズ(30~40尾)の出荷は好調です。

赤魚

イルミンガーは原料・製品ともに需要期ということもあり、サイズにより多少の下げ傾向は有りましたが、相場は横這いで推移中です。
また、DAPは漁獲枠増枠が有りましたが、消費が順調でこちらも相場横這いで推移しています。

ほたて貝

ホタテ貝柱

オホーツク海沿岸のホタテ漁はほぼ終漁となりました。製品の商流はシーズン当初より変わらずに輸出向けが先行しており、高値をキープしています。各メーカーも輸出向けのパッキング生産が主体となっています。最大の輸出国であるアメリカ向けは、為替が1$≒¥100近辺で安定していることと、アメリカ産ホタテが不漁であることが相まってシーズン当初より安定的な荷動きを見せており、中国・香港・台湾などのアジア向けも堅調な荷動きとなっています。一方で国内向けは、輸出向けに押される形となっており、各サイズ不足感が出始めています。回転寿司などは大型中心のアソートに対応し買付を行っていますが、多くの量販店では品揃え程度にしか扱っておらず、積極的な取り扱いを避けている模様です。今後の相場に関しては年末に向けて需要が高まることから、若干の強含みが予想されます。

ボイルホタテ

ボイルホタテはサイズを問わず産地・消費地共にフリー在庫は一掃しており、新物待ちの状態です。新物は例年であれば3月頃より市場に出回りますが、来シーズンは生育の遅れにより、今のところ4月半ばになる見込みです。昨シーズンと同様に中国からの原貝での引き合いが強く、また越年在庫が無いことから新物は高値スタート必至の状態と思われます。

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