2013年10月号 (1/3) | ![]() |
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酷暑が過ぎ、漸く朝晩涼しい神無月を迎えます。
“みむろ山 もみぢちるらし かみなづき 立田の川に 錦をりかく”(源 実朝)
神無月は空気が澄んで、月が綺麗です。
5日が新月、17日は十三夜、19日が満月。
月を眺めながら、新米と旬魚(秋刀魚、秋鮭、秋鯖、烏賊、等)を食すのは如何でしょうか。
10月号をお届けします。
ノルウェーの水揚げは散発的な水揚げが続いており、約15万tの漁獲枠の内約3万tの水揚げとなっています。
価格は為替の影響及び他国の引き合いが非常に強いことから昨年より大幅UPとなっており、今後、この大幅UPの価格帯が継続するのか、10月初旬の来年度枠の発表等踏まえ、注視が必要となります。
製品も現地高値を踏まえ、国内相場も横這いから強含みに推移すると予測されます。
九州地区
西沖・東海海区にて漁獲は有りますが、基本鮮魚向け主体となっています。
山陰地区
浜田・境港は20-40g/尾主体の豆鯵の水揚げのみです。
銚子地区
前月同様、単発的に水揚げが有りますが、鮮魚・生加工向けが主体で冷凍向けは少量です。
ヨーロッパアジ
9月中旬にオランダにて初入船/入札が行われ、総水揚げ2,500mtの内2,200mt(ave.$1,670/FOB)を日本サイドが落札しました。
今後、年明けに掛けてメインシーズンがスタートしますが、今回の日本サイドの買付けで、今期高値(@k225以上)が確定しました。
アイルランド・ノルウェーは、漁待ちの状況です。
台湾アジ
7月下旬より対日向けに可能なサイズ(50-90尾/10kg)の水揚げがスタートしましたが、例年と比べ水揚げ数量は少な目になっています。
国内現物も少なく、相場(大卸価格)¥200~220kg。
韓国アジ
忠武・済州島沖にて水揚げが有りましたが、魚質劣る魚も高値オファーとなっています。
(岩ダコ)
9月より漁がスタートしていますが、漁模様は芳しくなく、現地は価格上げのスタンスです。
現地在庫も少なく、冬期需要に向け日本側も数量確保したい状況ですが、現地の上げムードの中、各社買付けを慎重に行っています。
この状況からすると、今後、不足感が出てくることが予想されます。
また、真ダコとの価格差が殆ど無くなってきた中で、岩ダコの需要自体が減ることも考えられる状況です。
(真ダコ)
アフリカ原料の相場反転を受け、下落していた中国産真ダコの製品も少しずつ回復している模様で
す。
但し、岩ダコの上げを受け、価格差が縮まった状況は継続しており、岩ダコの今後の状況次第では各社真ダコ中心の製品買付けにシフトすることも考えられます。
漁期も終盤で相場も高値張り付きのシーズンとなりました。
ヒネ製品も国内在庫が少なくなってきた中で、昨年滞留した2/3g以下の小型サイズも引き合いが出てきています。
但し、ヒネ製品と比較すると100円/kg近くの高値となっており、国内相場も上げ切れていない背景から、各社積極買いも見られず、慎重な買付けになっています。
このことから中国産同様、今後品薄感が出てくる可能性が高くなりそうです。
タイ現地では、纏まった漁が無い状態が続いています。
大型サイズは中国が意欲的に買い付けしており、また小型サイズも依然少ないままです。
トロール原料・・1~1.5t/日水揚げ、25~30尾サイズ中心。
ベトナム現地では、トロール原料も刺し網原料も共に引き続き水揚げは良好です。
ただ、大型サイズの中国からの買いが強いため、浜値は先月と同レベルで推移しています。
トロール原料・・5~10t/日水揚げ
15~25尾70~80%、30~60尾20~30%。
刺し網原料・・3~4t/日水揚げ
15~20尾20~30%、25~30尾40~50%、40~60尾20~40%。
秋口~小型サイズの水揚げ比率が多くなっていくのですが、今年はまだ小型の組成が少ないままです。出来上がりサイズアソートとは反対に、小型サイズ(30~40尾)の国内販売は好調に荷動きしています。
国内大手加工業者の卸売り価格がアナウンスされました。
価格は一部サイズを除き昨年と同値です。
通常これを受けて中堅以下の業者の商談始まるはずですが、今のところ非常に静かです。
加工業者としては供給量に比して為替等の影響によりコスト的には決して安くなっておらず、せめて昨年と同価格で販売したいところです。
一方、販売サイドとしてはブリストルの大供給増の影響で価格安くなると予想しており、今のところこのギャップが埋まっていません。
一部情報では中国の加工業者もこの状況に困惑しており、まだ未加工の状態で在庫している物もある模様です。