2013年7月号 (2/3) | ![]() |
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エトキシキン問題に未だ目処が経たず、依然厳しい状況が続いています。
インド・ベトナム以外にマレーシアでも新たに命令検査の対象となり、リスク回避の為、検査のないバングラディッシュへ大手商社の原料買付が進んでいます。
インドでは例年並みの水揚げが続いており、ドル価は一時15$前後→12$後半まで下げた模様です。しかし、インドから日本国内への搬入は少なく、原料の少ないベトナムなど他国への販売が中心となっています。
検査の無いインドネシアでは他国の動向により強気な姿勢を崩さず、ドル価16$前後の推移となっています。
主産地であるタイでは依然EMSより回復の見込みが経っておらず、生産量は昨年対比で40~60%となっています。多くのメーカーがタイの原料を使用してエビ加工品を製造していましたが、この状況によりベトナムへとシフトしている模様です。その為、ベトナム原料も強含みを維持しオファーも取りにくい状況となっています。また、ベトナムでもタイ程では無いものの、EMS,ホワイトスポット病により多くが死滅しています。
EMSの対策としては、①親エビを変える②池入れの稚エビ量を少なくする③池水の浄化(有機物除去)等の対処を行っています。しかしながら、浄水効果を狙ったティラピア導入の池からもEMSが発生した為、依然厳しい状況が続いています。この状況は年内一杯まで続くと予想されます。
オーストラリアでは天然種(タイガー種、バナナ種、他)の漁期は、春漁(3~6月まで)と夏秋漁(8月中旬~11月頃まで)があり、春漁は例年並みの漁獲で推移中です。天然種はオーストラリア国内での消化がメインであり、日本国内には年末需要がメインとなる為、積極的な搬入はまだ見受けられません。サイズは大型・小型サイズが少なく9/12、13/15サイズが中心となっています。
インドでは6月中旬に禁漁解禁となり、フラワー種中心に他ホワイト種の漁が開始されました。
日本国内には殻付無頭として7月下旬以降搬入する予定となっています。フラワー種は関西中心にBTの代替えとして期待されています。
BT殻付無頭は他産地原料の搬入及び一時的な円高傾向もあり、一時のオファーよりも若干落ち着きが出てきたものの、状況は大きく変化していない為、国内では原版確保が厳しい状況が続いています。メニューカットを実施するユーザーは更に増加すると思われます。
バナメイも前月と大きく変化が無く、現物品薄・高値推移となっています。
代替えとして天然フラワーが7月下旬から搬入が予定されています。
バナメイムキエビは高値横這いが続いています。
但し、原料産地がタイの商品は依然高騰が続いており、他国が若干安価なオファーとなっています。
ピンクムキエビを代替えとして使用を模索しているユーザーも増加中です。
伸ばし海老の小型サイズは、BTとバナメイの価格差が縮まり、またバナメイの品薄によりBTへシフトする動きも出てきています。
その他製品であるエビフライ・寿司エビ等も原料価格高騰を受け、強含みな状況が続いています。
今後更に強含みが進むとみられ、取り扱いに注意する必要が有ります。
今シーズンのオホーツク海沿岸でのホタテ漁は前年比8%減の28.1万トンの計画です。
但し、今シーズンは漁開始時より貝の生育環境が非常に良く、歩留まりも昨対比で平均4%程度高くなっており、玉冷の製品出来高は前年比20~25%増の2.5万トンの見込みです。
現行のアソートもこの時期としては大型のS~3S中心となっています。
例年、夏場に向けて歩留まりがピークを迎える為に、製品アソートも大型に上向くと考えられます。現行相場はS:¥2,200/㎏、2S:¥2,150/㎏、3S:¥2,100/㎏(大卸価格)となっており、今後は相場横ばいで推移するものと考えられます。
今シーズンのボイルホタテはヒネ在庫が少なかったことに加えて、新物の生産が前年比3割減だったことから相場は前年より2~3割程度高値となっており、一昨年同様に消費の落ち込みが懸念されます。
現状の相場は2L~L:¥850/㎏~、M以下:¥900~(大卸価格)となっており、これから始まるバーベキューシーズンの荷動き次第では、更に強含む可能性があります。
荷動きの中心は2L~Mとなっており、S以下は全体的な生産数量が少なかったことから、産地・消費地共に在庫は少な目となっています。