水産マンスリーレポート

2012年11月号 (1/3)

商品情報

金木犀の香りが漂い、直ぐに晩秋の霜月を迎えます。
紅葉、初冠雪の便りも聞こえてきました。
今年もまた、山陰では松葉かにが解禁(11月6日)となります。
寒い今夜は、旬の魚介類(蟹、牡蠣、鮟鱇、河豚、鱈等)で鍋料理は如何でしょうか。
11月号をお届けします。

青 物

ノルウェーサバ

2012年度の漁獲枠(約18万t)をほぼ消化しています。価格帯は前年比で安値となっています。今年もサイズアソートは大型が低く、600gUPは無論、400/600gも不足気味で推移すると思われます。加工(フィーレ)製品も大型サイズは不足気味ですが、小型サイズは各社昨年物の在庫軽減で安値玉がまだ存在する為、相場は当面弱含みで推移すると思われます。

オランダアジ

9月下旬より入船スタートし、現時点で約9,000MTの水揚げです。
内訳は、対日向け約2,500MT、第三国向け(フライ用)約300MT、アフリカ向け約6,200MTで、対日向け数量は伸びていません。サイズは例年より大型傾向で、140~180尾型/20kg主体。
フライ用の200/250尾型が殆ど無い状況です。価格は、サイズにより$1,600~1,750/MT(FOB)にて落札されています。

ノルウェーアジ

10月中旬より水揚げスタートし、現時点で約1,600MTの貧漁です。
大まかなサイズアソートは、400gUP①割、300/400g⑥割、200/300g③割。
価格は、工場により多少違いますが、@k165(C&F)前後との一報です。

アイルランドアジ

現時点、漁は本格化していません。

国産アジ

山陰・九州共に水揚げ少なく、ほぼ鮮魚・生加工向けとなっています。10月中旬より銚子にて単発的に漁が纏まりました。
冷凍されている中心サイズは、70~90尾/10kg。相場は、@k150~180(倉前)。

韓国アジ

現時点では約2,500MT前後の国内搬入です。
魚質・サイズによって価格は区々ですが、荷動きは余り芳しくない状況です。

台湾アジ

現時点では約600MT前後の国内搬入です。
サイズは、50~70尾/10kg主体。相場は、@k150~180(倉中)。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
現地オファーは横這いで推移しています。
漁模様も芳しくなく、浜値も下げの様子は見られない中、各社買付けは様子見の状態です。
ベトナムの漁が低調になるシーズンで、冬期需要による引き合いは強まる事が予想されます。
真ダコユーザーからの切り替えもあり、5g以上の大型サイズの荷動きは比較的良好ですが、小型サイズは引き合いが弱く、相場も弱含みです。

(真ダコ)
アフリカ真ダコの下げ情報により、現地オファーも少しずつですが、下げ傾向です。
しかし、日本側が期待している程の下げでは無い為、搬入量は低調に推移しているようです。
一部ユーザーが岩ダコへシフトしている為、大幅な価格の下げが無い限りこの状況はしばらく続く事が予想されます。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

漁獲ピークシーズンは終了し、漁は低調に推移しています。
例年、このシーズンは原料相場がジリ上がりしますが、今年に関しては原料相場もシーズン中から横這いで推移しています。EUへの輸出減、また、日本の積極買いもないのが要因のようです。
国内は冬期の需要期にも入ってくる為、荷動きは良くなると思われますが、小型アソートが多いシーズンであったことにより、引き続き小型サイズは相場弱含みで推移するものと思われます。

ほたて貝

ホタテ貝柱

オホーツク海のホタテ漁はピーク時を過ぎ、終漁間近となっています。昨シーズンより約2割安くなっているにも関わらず、国内向けの荷動きは停滞したままです。相場の底を探る動きが目立ち、当用買いに徹する業者が多く見受けられる状況となっています。輸出向けはアメリカを中心に徐々に引合いが増えてきていますが、成約は一部に留まっています。今期の中心アソートは3S、4Sで価格はそれぞれ¥1,750~1,650/㎏(大卸価格)。今後年末にかけて徐々に荷動きが出てくるものと思われます。

ボイルホタテ

多くの越年在庫を抱えたままスタートした今シーズンのボイルホタテは、順調な荷動きを保っており、今後鍋物シーズンに突入し、更なる活発な荷動きが予想されます。今シーズンは新物価格が昨年比2割程度安かったことから、失った売場を取り戻しており、外食・量販・レジャーなど各方面で好調な売れ行きとなっています。現行はL、M、S(大卸価格¥650~700/㎏)が中心の荷動きとなっており、アソートの少ない2Lと3S以下は既にショート感がある状況です。この順調な荷動きを受けて相場も各サイズ強含みとなっています。

い か

スルメイカ(船凍)

漁場は一旦北から南下し、今月中旬よりまた北上しましたが、石川県小木港での水揚げは単発で終わりました。
今後も暫らくは日本海北部での操業となり函館港・八戸港へ水揚げされると思われます。
イカのサイズは日本海中部での操業では大型主体(16/20・21/25)でしたが、北上するにつれ少し小さくなり、今後は26/30中心になる模様です。
例年、12月末で小木船は終了し、八戸等その他船籍のものは年明けもいくらか操業しますが、それも1月中旬には終了します。
各船、残りの操業は3~4航海というところと思われます。

その他イカ

スルメイカ製品につきまして原料の件で近況を報告します。
加工原料としてのスルメイカは、主に沿岸トロール漁のものが使われます。(北太平洋)
水揚げは例年9月からスタートし、翌年1月ころまで続きます。
今年も先月より始まりましたが、漁模様が極端に悪く、また型も小型(200g前後)から脱しきれずにいます。 この状態が続けば、年明けより今まで緩んでいたツボヌキなどの製品相場上昇や大型の製品品薄などが懸念されます。
今後の原料水揚げの好転を願っています。

NEXT

このページの先頭へ戻る

Copyright© 2010 Suiken Corporation Limited All rights reserved.