水産マンスリーレポート

2012年8月号 (1/3)

商品情報

集中豪雨が明け、猛暑が戻ってきました。
各地の山開き、海開き、盆踊り、花火大会で、夏休み中の子供たちの歓声が聞こえてきます。
例年通り7月8日に道東沖の小型船サンマ流し網漁が解禁となりました。
8月3日は鱧の日、8日は蛸の日。10日前後に秋鮭の初セリ。
旬の魚で暑さを乗り切りたいものです。
8月号をお届けします。

青 物

ノルウェーサバ

ノルウェー現地の在庫はトロール物が約1万tレベルと推定されます。
新物は小型船で纏まった数量の水揚げではありませんが、スタートしています。
今のところ商社筋は静観状態です。
日本国内では、原料・製品ともに大型サイズは不足状態ですが、一部小型サイズに安価品があり、相場は横這いやや弱含みに推移すると予想します。

国産アジ

7月に入り対馬漁場にて、100尾~140尾/15kgサイズの水揚げがあり、加工原料として冷凍に入りました。浜値@10,000~6,000
7月中旬よりローソクサバが増え始め、身質も加工用には難しくなっています。
現在は対馬漁場でのアジ漁は減少し、東海漁場にて120尾~160尾の漁獲がありますが、鮮度良くなく、身質も落ちています。
西沖漁場のアジ漁が始まりましたが、加工原料にはもう少し時間が掛りそうです。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
漁模様は変わらず、纏まった搬入は秋口の漁次第と思われます。
価格の上げ止まり感はあるものの、小型サイズ(2/3g以下)の売り先行の安価品も出回っており、製品の荷動きは今のところ低調に推移しています。
大型サイズ(5g以上)の需要は強まりますが、各社小型サイズ販売で苦戦継続すると思われます。

(真ダコ)
アフリカ原料が多少ジリ下がりを見せましたが、中国真ダコ原料は未だ高値張り付き状態です。
寿司ネタ用スライスをはじめ、製品価格は日本マーケットと折り合いがつかず、搬入は少なく欠品商品も多く見受けられます。
暫くは様子見状態が続くと思われます。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

ベトナム岩ダコ漁はシーズン中盤を迎えています。
漁自体は昨年並みですが、ここにきて中国側の浜買いが積極的に行われているとのことで、浜値は先月比で約2%の値上がり(製品換算で約5%の値上がり)となっています。日本国内の製品相場は上げ止まりを見せている中、各社苦しい買付が予想されます。
また、300gUPの大型原料は寿司種や唐揚げ原料へ回るため、2/3g製品中心のアソートとなり、大型サイズの不足感は強まることが予想されます。

その他凍魚

赤 魚

イルミンガー海域でのアイスランド船赤魚漁は5月の一次航海前半は順調でしたが、後半落ち込み、6月の二次航海は不漁に転じており、漁獲枠を大幅に消化し切れずに終わると思われます。
国内赤魚製品相場は、DAP物がコスト高値より製品価格に転嫁で荷動き鈍化、消化ペースが落ちていることもあり、多少下げ、その後横這い推移となりましたが、イルミンガーの大幅減産がどの程度影響してくるかが今後の焦点となります。

ほたて貝

ホタテ貝柱

オホーツク管内各地区のホタテ漁は最盛期を迎えています。しかし全体的に貝の生育状況が芳しくなく、歩留りが昨年の同時期と比べ2~3%低くなっており、この影響で水揚げを見送る地区も出てきています。今後海水温の上昇とともに歩留りは上昇する見込みです。一方で荷動きは、昨年の高値による消費停滞の反省から昨年同時期に比べ2割程度安くなっていますが、大きな荷動きは見受けられない状況です。輸出もアメリカ・中国向けは限定的でこう着状態となっており、更なる価格の軟化を望む声が多くなっています。

ボイルホタテ

ボイルホタテは昨年より2~3割程度製品価格が安くなっており、順調な荷動きとなっています。中心アソートはL~Mで、3S以下の小型は既に品薄状態です。中心サイズの大卸価格は¥650/㎏~となっており、量販店や昨年の高値で売り場を失ったとされる業務筋でも順調に消化されています。現行の価格であれば最大の需要期である秋冬商戦でも大きな荷動きが期待できますが、一方で中国向けの両貝輸出も盛んであることから、今後の価格形成には注意が必要です。

い か

スルメイカ(船凍)

一回目の航海が終了し、新物入荷が始まりました。
漁場が北太平洋~日本海北部のため小木港には殆ど水揚げされず、函館に入船が集中しています。
組成はIQF中心の小型主体、中心サイズは36/40~41/45になっています。
相変わらず品薄の21/25以上(11/15 16/20)のものは現在殆ど上場されていません。
しかし26/30以下小型サイズは安値相場を形成していますので今後、秋口に向けイカの成長によりサイズ組成が大型化すると予想され、そのサイズのものの相場もこなれてくると思われます。

その他イカ

紫イカは八戸港で上場されています。
現在、沖で操業中の船は28隻、一隻当たり平均60t~70tの漁獲模様です。
依って、全部で1500tほどの搬入予定になっています。
7月末から入船が始まります。
7月12日、試験船が入船しました。組成は16/20中心(13kg当り)、ロール製品では6~8尾中心となります。
相場予想は安値スタート。昨年の様な高騰は無いと思われます。

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