水産マンスリーレポート

2011年12月号 (1/3)

商品情報

冷気日ごとに加わり、愈々師走を迎えます。
今年も大阪市場では、棒鱈(11月8日)、塩数の子(11月18日)の初競りが行なわれました。
旬の魚介類も目白押しで、鰤、鯖、鮟鱇、河豚、鱈、皮剥、牡蠣、等々、脂も乗ってきました。
今夜の旬魚の料理は、何にしましょうか。
12月号をお届け致します。

青 物

ノルウェーサバ

国内搬入が本格化してきています。
価格は横這いからやや下げ、ここにきて年内搬入トロール物に若干安値玉が見受けられます。
ノルウェー輸出統計では、日本向け約6万t、中国向け約4万tと昨年とほぼ同等で、年末に向け原料G6以外は弱含みに、中国製品は端境期ということもあり横這いに推移しています。

国産アジ

西沖及び東海のアジ漁なし。
対馬:880/981区にて120~150gの魚漁獲ありますが、加工向けには浜値下げないと向かない価格帯で(浜値@2,000円台)、殆どが鮮魚に向いています。

輸入アジ

[ ノルウェーアジ(陸凍) ]
既に漁は終了しており、対日向け16,000mt(昨年度6,000mt)。西沖及び東海のアジ漁なし。
対馬:880/981区にて120~150gの魚漁獲ありますが、加工向けには浜値下げないと向かない価格帯で(浜値@2,000円台)、殆どが鮮魚に向いています。
サイズは300/400g主体で、40gupは③割、200/300gは極僅かです。
内販大相場 @k210~230.

[ オランダアジ(船凍) ]
Channel産:
現時点で対日向け約5,700mt。年内は12/24頃まで順次操業しますので、8,000mt位が対日向けとなると予想されます。また、例年年明けも漁が続きますが、昨年度は魚群が少なく、ほぼ対日向けはありませんでしたので、最終対日向け数量は今のところ予測出来ません(昨年度12,000mt)。
サイズは、小型(160~200尾型/20kg)が多く、150尾より大型はアソートが低いため、入札毎に史上最高値(max$2,499/mt)を塗り替えている状況です。
魚質はここ数年の中では良質です。内販大相場(魚質によってマチマチです)
90~150尾型@k200~250、160~200尾型@k180~210

西アイル産: 現時点で対日向け約700mt。今後年明けも漁が続きますが、現時点では余り漁模様はよくないので、最終対日向け数量は今のところ予測出来ません(昨年度5,000mt)。
サイズは、70~100尾型の大型のみです。
魚質は脂感そこそこ有りますが、魚体細長くどうしても見劣りします。
内販大相場 @k180~200

[ アイルランド ]
現時点で対日向け約3,000mt。徐々に脂が抜けてきており、11月末頃には漁終了が予想されます。
最終対日向け数量はMAX4,000mt予想(昨年度1,000mt)。
サイズは、80/100尾型と150/170尾型が多く、売れ筋サイズの100/150尾型はアソートが低くなっています。
魚質は魚体長いのですが、脂感ましな魚が混じっています。但し、小型サイズは鮮度面が心配なロットが大半です。
内販大相場 @k180~200

数の子

10月末~11月中旬は大きな動きはありません。

[ 贈答用塩数の子 ]
メーカーサイドが生産調整を掛けて、値崩れを起こさないようにしている模様です。
末端からは昨年に比べて(今年は原卵が値下がりしたにも拘わらず)製品の大幅な値下げがなく、戸惑いが感じられます。一部中国加工品は、今年の原料情勢に合わせた価格帯にしているため、価格重視のところには吸い込まれている模様です。

[ 味付け数の子 ]
味付けメーカー各社とも増産の模様です。産地間の価格差が殆どなくなった為、末端の販売業者では混乱が見受けられます。

[ 塩水ペール物 ]
贈答用の生産調整がペール物に回っていると予想されます。
恐らく年末はペール物で溢れると予想され、現状中国加工品 3kgペール ¥2,000/kg(荷受出し値)にて出ている模様です。年末に向けて¥1,500/kg割れの可能性も否定できません。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
現地の漁模様は依然芳しくなく、オファーも非常に取り辛い状況が続いています。
それに伴って、製品価格も落ち着くことなく上がり続けています。
原料難により対日向けのオーダーがこなせない状況から品薄感が出てきており、冬季需要に入りますが、国内品薄は必至の状況です。
しかし、相場の高騰を受け例年と比較して荷動き悪くなる事が予想されます。
高値・品薄の厳しい状況の中、旧正月も控えており、注意が必要です

(真ダコ)
真ダコ相場も高騰しています。
岩ダコとの値差を保ったままの価格の上げとなっており、荷動きに関しては岩ダコと比較しても更に鈍くなりそうで、今後搬入も岩ダコ以上に鈍る事が予想されます。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

今シーズンの蛸漁はほぼ終わっており、来春までまとまった漁獲はありません。
パッカーによっては原料確保を行っているところもありますが、全体的には原料不足の状況です。
中国の不漁・高値を受け、ベトナムへの買いが一時入った模様ですが、思いのほか搬入量はまとまらず、中国産品薄の穴埋めにはなっていないのが現状です。
中国の漁模様次第ですが、来春の新物スタートに注目します。

その他凍魚

赤 魚

例年ですと、1年を通して比較的荷動きのよくなる11月、12月ですが、既報通り昨シーズンより\100/kg(製品ベース)前後upの価格帯であり、製品価格高値推移の為、実需ベースでの荷動きになると思われます。
原料も多くないことや、各社高値の為、原料手配も必要分のみと考えられる為、今後も横這いと思われます。

い か

スルメイカ(船凍)

型が漸く大きくなり、26/30主体となってきました。
また、IQFの生産が増えてきています。相場は全体的に弱含みであり、これは羅臼を中心とした生イカが豊漁で推移している事が主な原因と考えられます。
その羅臼生イカは、累計値で22,000tを超えました。(昨年は年間20,000t)
船凍イカの漁自体はあまり芳しくありませんが、生イカの供給が潤沢なうちは相場弱含みで推移すると思われます。

その他イカ

本紫製品は、中国船が少し纏まった漁をして原料搬入があったので、今月以降ロールイカをはじめ日本に若干の製品搬入があると思われます。
前月号では八戸船団がスルメイカ漁を切上げ一部紫イカ漁に向かうかもしれないとお伝えしましたが、年内はやはりスルメイカを獲る様です。
例年通り、年が明けてからのムラサキイカ出漁となりそうです。

ほたて貝

ホタテ貝柱

前年比20%UPの高値にて推移しているホタテ貝柱は依然として荷動きが鈍い状況が続いています。この高値により粒単価で割安感のある小型サイズに人気が集中しており、5Sサイズ以下は既に品薄感が出始めています。中心の3S、4Sサイズは荷動きが鈍いにも拘らず全体的な生産量が過去5年間で一番少ない水準であることから大きな相場の下げは無いものと考えられます。また輸出は円高により、一時ストップしている状況ですが、為替次第では今後再開する見通しもある為に、再開となった場合は在庫が一掃される可能性もあり注意が必要です。

ボイルホタテ

需要期を迎えたボイルホタテですが高値・大型(2L~M)アソートの為、荷動きが停滞しています。量販店ではパック売りした場合、大型サイズでは粒単価が高く量感が出せない為に、売れ行きが伸びない様子です。一方で中小型サイズ(Sサイズ以下)は¥950/kg(大卸価格)越えだったにも拘らず順調に消化が進み、既に品薄状態になっています。今後は2L~Mサイズ中心の荷動きになりますが、高値による低調な荷動きに痺れを切らした一部の業者による損売りが徐々に始まっており(春先に比べ各サイズ¥150/kg程度DOWN)、この鍋シーズンの荷動き次第ではさらに相場下げる可能性もあり、注意が必要です。

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