水産マンスリーレポート

2011年8月号 (1/3)

商品情報

台風通過後、また猛暑が戻ってきました。
今年も7月1日に富士山が山開きし、7月8日に道東沖でのサンマ流し刺網漁が解禁しました。
夏休みが始まり、各地で夏祭り、花火大会等が開催されます。
8月(葉月)は、3日が鱧の日、8日が蛸の日。
節電の中での夏バテ対処法として、サンマ、ハモ、タコを食するのは如何でしょうか。
8月号をお届け致します。

青 物

ノルウェーサバ

ノルウェー現地は9月初からの大型船の出漁が予想されますが、先行して沿岸小型船の水揚げが続いています。
漁場はロフォーテン諸島付近で、これまで昨年同時期(1,500mt)プラス約10,000mtを水揚げし、アソートは大型魚主体で、アメリカ・韓国に一部成約された模様です。
今後、大型船が漁獲するスクールが同様の組成になるか注目されます。
因みに、国内相場は横這いで新物の状況待ちとなっています。

国産アジ

[ 対馬海区 ]
時期は外れていますが、981・991海区にて150尾型(15kg)中心の水揚げです。
魚質は今一も今期不漁で冷凍現物が少ない為、浜値高値で推移中です。
*冷凍浜相場
110尾:@8,000~7,500、130尾:@6,000~5,000、150尾:@4,000~3,500、170尾:@4,000~3,500

[ 西沖海区 ]
237・249海区で80~120尾(15kg)主体の水揚げです。
脂感極端に薄い魚が多く、ほぼ鮮魚向けとなっています。

[ 東海海区 ]
現状、操業船なし。

[ 山陰地区(浜田・境港) ]
境港にて40/60g(尾)主体に150~200mt(日)の水揚げです。
餌料・ドレス加工用に冷凍されています。

輸入アジ

[ 韓国アジ ]
今期は日本同様良質の水揚げ少ない為、搬入量少なめです。
今後、忠武・済州島沖での水揚げに期待されます。

[ 台湾アジ ]
7月中旬より100/130g(尾)主体で水揚げ続きましたが、鮮度面の不安から対日向けはほぼありません。今後も真鯵漁は余り期待できませんが、9月以降の青鯵の水揚げに期待されます。

[ アイルランドアジ(陸凍) ]
現状フリー玉なしです。新漁は9月中旬よりスタート予定(国内搬入11月初旬~)。

[ ノルウェーアジ(陸凍) ]
現状フリー玉なしです。新漁は10月末よりスタート予定(国内搬入12月中旬~)。

[ オランダアジ(船凍) ]
需要が高い120~160尾型(20kg)の国内現物はほぼなしです。
新漁9月末スタート予定ですが、MIN価格が過去最高値(US$1,600up)になる可能性が有ります。 国内搬入は早くても11月末頃が予想されます。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
禁漁明けは地域によって異なりますが、8月~9月中旬の見通しです。
オファーは依然として取り難い状況であり、新物に関しても高値スタートの可能性が高く、各社は様子見の状態です。
夏期需要が高まるタイミングですが、国内在庫はタイト感があるものの、値上がりの影響が強い為か、荷動きは例年と比べて低調に推移しています。

(真ダコ)
岩ダコ相場の高騰を受け、真ダコ製品も価格が上がっています。
荷動きは、岩ダコと比較しても更に鈍い為、今以上の高値であれば今後更に鈍化すると思われます。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

7月に入り少しずつ漁は纏まって来ていますが、相変わらず中国の強気な浜買いの影響で、原料相場は強いまま推移しています。また、ワーカー争奪による賃上げもホーチミン地区では特にヒートアップし、製品単価もジリ上がりしています。
中国の新物との価格差にもよりますが、今シーズンも高値で推移すると思われます。

その他凍魚

赤 魚

アイスランドものは、不漁の上に日本以外の諸外国の引き合いも強い為、高値で推移しています(¥100/kg前後のUP)。
その後も下げる場面もなく、高値張り付きのままとなっています。
今後についても下げの要因が見当たらず、今シーズンは高値で推移していくものと思われます。
アイスランドがこのような状況の為、これからの漁の始まるDAP赤魚も同値前後が付くのではないかと各インポーターは見込んでいます。
原料がこのような状況の為、製品価格も今後上げは避けられないと思われます。

い か

スルメイカ(船凍)

6月初めに小木船団が出漁し1ヶ月強経ちました。
7月中旬より数隻入船していますが、中心サイズはブロックで51/60、IQFで36/40,41/45となっています。
また、1隻当りの漁獲量は約1.000箱/週で推移しており、この数量はどちらかと言えば不漁になる様です。盛漁期は約1ヶ月で満船(10,000箱)となりますので週平均2,500箱の漁になるとの事です。
今後、お盆を過ぎ順調に成育すれば型も大きくなり価格も落ち着くと思われます。

その他イカ

本紫イカ漁は、5月中旬に出漁し今月まで約2ヶ月操業しましたが、1隻あたりの漁獲は約20tほどと大不漁で終漁を迎えつつあります。
操業27隻合わせても500t強の漁獲に留まり、これは1昨年の不漁年(年間約4,000t)を下回る数量となりました。(今年1~2月の漁獲は約2,000t、本年合計約2,500t)
不漁原因としては過去5年間に渡る乱獲が挙げられます。
特に、外国船が公海上で操業し、小型サイズのものまで漁獲をしていたのが原因で資源そのものの枯渇が考えられるとのことです。
これはペルーアカイカにもあてはまる事で、今後の供給に注意が必要です。
本紫イカの製品動向ですが、一部学校給食などでどうしても必要なもの以外は需要自体が激減しています。

ほたて貝

ホタテ貝柱

オホーツク海各地区で玉冷向けのホタテ水揚げが最盛期を迎えています。
原貝ベースでは前年比1割減の27万5千トンの水揚げ計画ですが、今シーズンは生育状況が好転し歩留まりもUPしていることから、製品ベースでは昨年並みと予想されます。
原貝の浜値は堅調に推移しており、先日北海道漁連より今シーズンの国内向け玉冷製品の指標となる価格が発表されました。
(産地蔵前価格:単位/円)
L:2,200/kg、M:2,000/kg、S:1,800/kg、2S:1,750/kg、3S:1,650/kg、4S:1,550/kg、5S:1,450/kg
あくまでも指標である為、今後の水揚げ状況やアソートにより変動しますが、一番の鍵を握るのが輸出だと考えられます。既にアメリカ向けは国内向けに先行する形で動き出しており、今後中国・香港などへ活発な荷動きを見せるとなれば相場は更に上向くものと考えられます。
また、オホーツク海沿岸の多くのカニ・ホタテ専業メーカーがカニの超高値・玉不足により今年はホタテ事業に注力してきており、これも相場底上げの要因の一つと考えられます。

ボイルホタテ

噴火湾のボイルホタテ向けのホタテ水揚げは終盤を迎えており、製品価格は固まりつつあります。昨シーズンのスタート時より4割UPでスタートした今シーズンのボイルホタテですが、高値に加え大型のアソート(2L、L、M中心)により荷動きは非常に鈍くなっています。大型主体で粒単価を抑えることができないことが荷動きを鈍らせている要因となっています。このままでは需要が細るのが必至であるため、特に2LやLは損切りして価格を下げる動きも一部見受けられます。
ただ東日本大震災による津波の影響で、来シーズンや2年後の水揚げに不安がある為、大幅な相場下落は無いものと考えられます。

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