水産マンスリーレポート

2011年6月号 (1/3)

商品情報

 6月(水無月)と言えば・・。何を思い浮かべるのでしょうか。
(誕生花)薔薇、グラジオラス、牡丹。(でも梅雨時には紫陽花が似合いそうですが)
(季語)葵、アイリス、菖蒲、アマリリス、杜若、鈴蘭、李、青梅、紫蘇、翡翠、・・。
(年中行事)衣替え、父の日、定時株主総会、田植え、・・。
(スポーツ)安田記念、宝塚記念、ル・マン24時間レース、ウィンブルドン選手権、・・。
(旬の魚)鮎、鰹、イサキ、鱸、鱧、メジ、シイラ、メバル、・・。
6月号をお届け致します。

青 物

ノルウェーサバ

春先の需要期に入り荷動きは堅調です。
国産原料の出物が少ないことが、ノルウェー物の引き合いに少なからず影響を与えています。

【大卸相場】
G6/10kg版k470
G6/20kg版k450
400/600g k300
300/500g k210
今期の国産新物についても全く不透明の中、更なる相場上昇が懸念されます。

国産アジ

[ 対馬海区 ]
先闇までは全くアジの反応は有りませんでしたが、今闇(5/20~)に入り、180~220尾/15kgの小型サイズ中心に水揚げがスタートしています。ただ、魚質的に物足りなく、ほぼ生加工(刺身)向けの買付になっています。

[ 西沖海区 ]
先闇に引き続き50~100尾/15kgの大中型サイズ中心に水揚げされています。
脂感薄く、全て鮮魚向けの買付となっています。

[ 東海海区 ]
主に中間手(462区周辺)と下手(507区周辺)の2漁場で操業しており、90~150尾/15kgの中型サイズ主体の水揚げとなっています。今の所、先闇よりも鮮度・脂感共に落ちている船が目立ちますが、鮮魚・加工原料(塩干開き)向けの買付になっています。また、今後台風・梅雨前線の影響で少しずつ水揚げ数量が減ると予想されます。

[ 山陰地区(浜田・境港) ]
40~60g/尾主体の水揚げが続いており、今の所、養殖餌料向けの買付となっています。

ヨーロッパアジ

[ ノルウェー陸冷物 ]
400g up・300/400g型共に現物少なく、大卸相場¥200~220/kgと強含みです。

[ アイルランド陸冷物 ]
昨期は搬入量少なく、ほぼ消化済みです。

[ オランダ・イギリス・ドイツ・フランス船凍物 ]
Channel産は、小型サイズ以外は現物少なく、大卸相場¥190~210/kgと強含みです。
西アイル産は、年明け漁獲物がほぼ搬入終了し、大卸相場¥170~190/kgと横ばいです。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
現地の不漁で禁漁時期が早まっているとの情報も入ってきています(早い地域は5月中旬~7・8月まで)。
原料確保難に拍車が掛かっている状況の中、禁漁入りする事により夏季需要に向け国内製品在庫が品薄になる事が想定されます。
しかし、製品価格の高騰により荷動きが鈍る事も予測され、今後の国内の荷動き及び相場動向には十分注意が必要です。

(真ダコ)
真ダコの価格も高騰しています。
冷凍原料のストックはあるようですが、製品ベースでの上げ幅は岩ダコよりも大きく、依然現地は強気のオファーを崩さない状況です。
岩ダコの高値・品薄の影響を受けたとしても、それ以上の価格高により荷動きは鈍化すると思われます。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

依然引き合いは強いですが、ボイルカット、生カット含めて国内フリー玉はほぼ皆無の状態です。
新物に関しても未だまとまった水揚げは報告されておらず、本格的な漁は6月以降と思われます。
現在の浜値も65,000~67,000VND/kgと4月と比較しても約1割弱の上げとなっています。
中国の禁漁を受け、中国からの買い付けも一層強まる事が予想され、例年並の水揚げであれば浜値が下がる見込みは薄いと思われます。

その他凍魚

赤 魚

イルミンガー操業が始まっていますが、今のところ好漁と不漁の繰り返しでトータルすると不漁の レベルです。
ロシア船は4月末から、その他の国は5月10日から操業中です。
パッカー側から具体的なオファーはまだ出ていないようですが、このまま不漁ペースが続くようならば可也の高値が予想されます。
国内状況は原料不足気味であり、製品は横ばいで推移中ですが、インポーター側としては新物原料の高値予想もあり、いくらか上げていきたいところと思われます。

い か

スルメイカ(船凍)

前月以来、相場は横這いで推移しています。ただ、新漁を前にして各サイズとも品薄感が強くなってきました。
特にブロック品の状況が悪くなっています。
先日、日本海で小木船が試験操業しました。(白山丸)
詳しい操業日数や場所はわかりませんが、結果は41/45以下の小型ばかりでまた漁も薄かった様です。
6月初めに小木船団は出漁する予定です。

その他イカ

本紫イカは5月中旬から八戸船団を中心に出漁しました。漁模様はまだ入ってきていませんがあと1,2週間で情報が入ると思われます。(27隻出漁、13隻被災)
一方、ペルーオオアカイカは震災前若干相場落ち着きましたが、5/19入札販売ではまた一気に値を上げました。
加工原料確保のための動きと思われますが、今後製品の値上げに繋がってくる可能性大です。

ほたて貝

ホタテ貝柱

5月に入って北部の宗谷管内より本操業が開始され、順次各地にて本操業が開始される見込みとなっています。噴火湾や三陸地区と違いオホーツク海では津波の影響もほぼ無かったのですが、昨年より若干の減産予測で16,400MTの見込みです(昨年対比92%、昨年17,400MT)。サイズアソートは昨年より若干ですが大きく、北部では3~4S、南部では4~5S中心で、歩留りも向上しています(約8~9%⇒10~11%)。新物価格はまだ固まっていない状況ですが、国内在庫が各サイズ品薄な為、当分は昨シーズン物をそのまま引き継ぐ形で推移する見込みです。但し、震災の影響(消費の落込み、原発事故により輸出が不透明な状況)により、相場を下げる要因も多く含んだシーズンとなりそうです。

ボイルホタテ

減産(ザラボヤ被害と昨夏の高水温の影響)と中国への原貝輸出の引き合いが強い為、高値にてスタートした今期のボイルホタテですが、震災による津波の影響で大幅な減産が確実となり、昨年対比65%の水揚げ計画となっています。製品ベースでは昨年対比3,000MT以上の減産見込みです。
津波による影響は来年、再来年と水揚げ予定であった稚貝にまで広く及んでいる為、中長期に渡って減産が確実な情勢となっています。
今期の中心アソートは2L、Lで80%程度を占めており、量販店・外食にて人気のMサイズ以下は非常に少なく、高値・大型主体で荷動きは非常に鈍くなっています。

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