水産マンスリーレポート

2011年4月号 (1/3)

商品情報

まだ肌寒い陽気ですが、南から桜前線が北上してきています。
全国に桜の名所は数々ありますが、特に有名なのが、
日本三大桜【三春滝桜(福島)、山高神代桜(山梨)、根尾谷淡墨桜(岐阜)】、
三大名所【弘前公園(青森)、高遠城址公園(長野)、吉野山(奈良)】、
三大夜桜【弘前公園(青森)、上野恩賜公園(東京)、高田公園(新潟)】と云われております。
桜といえば、駿河湾の桜えび春漁は3月27日に解禁となります。
4月号をお届け致します。

*この度の東日本大震災で被災されたの皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに
一日も早い復興をお祈りいたします。

青 物

ノルウェーサバ

ノルウェーの2010年シーズン(2010年8月~2011年2月)鯖輸出統計は(括弧内2009年シーズン)、 総合計263,810mt/平均FOB10.88NOK(188,366mt/10.15NOK)、日本:73,825mt(48,703mt)、中国:51,285mt(35,055mt)、EU:28,004mt(26,726mt)、ナイジェリア:27,539mt(4,341mt)、トルコ:23,765mt(20,779mt)、ロシア:14,783mt(16,427mt)、韓国:14,213mt(6,042mt)、オランダ:12,311mt(6,326mt)、タイ:2,323mt(1,546mt)、他
*中国・オランダを含めた所謂日本向けの増加(90,084mt⇒137,421mt)
*ナイジェリア、韓国の台頭(韓国は自国鯖不足で免税措置を継続中)

国内相場は3月より荷動き好転の兆しはありましたが、震災を期に一機に(特に、400/600g以下の原料サイズが)動き出しました。
現状大型サイズの鯖フィーレの品薄感もあり、今後G6(600gup)にも波及すると思われます。
これは国産原料の不足感(震災での在庫被害)、不安感(原発での放射能汚染)によるものと推測されます。

【商社出値】 300/500g k180⇒k200   400/600g k280⇒k300

国産アジ(先月と状況変わらず)

対馬・山陰漁場で豆アジ主体に水揚げが増えてきています。
ただ、70gUPの割合は低く、脂感もまだまだなので、凍結スタートするのは4月中旬頃を予想。

ヨーロッパアジ

[ ノルウェー陸冷物 ](先月と状況変わらず)
対日向けを約6,000mtと予測。
400gUPの現物少なく、(大卸相場)は¥210~220/kgと強含み。
300/400g型は、(大卸相場)¥180~190/kgと横ばい。

[ アイルランド陸冷物 ](先月と状況変わらず)
対日向け約1,500mtと予測。
大半が300gUPの大型の為、20kg・100尾前後のサイズは、殆どフリー玉無し。
(大卸相場)¥160~170/kg。

[ オランダ・イギリス・ドイツ・フランス船凍物 ](先月と状況変わらないですが、西アイルが強含み)
対日向けとして、Channel産約11,000mt、西アイル産約5,000mtの合計16,000mtと予測。
相場は型・魚質にも寄りますが、Channel産(大卸相場) ¥180~210/kgと強含み。
西アイル産(大卸相場) ¥170~190/kgとやや強含み。
尚、今回の震災の影響で、特に沼津地区塩干干物業者に注文が殺到しており、フリー玉が少ない 状況となっています。

カットタコ

中国カットダコ

(岩ダコ)
旧正月明け後、賃金の上げもありワーカーの戻り自体は比較的よいようですが、岩ダコの不漁を受け、パッカー側は原料高騰による製品価格の大幅な上げを主張しています。
ベトナムの端境期も重なり、パッカーは対日向けの生産に追われ原料高に拍車がかかっている状況です。
旧正月明けの搬入が始まっていますが、国内品薄感も出てきており、今後の上げ相場を見越して荷動きは比較的良い模様です。
製品価格の上げは避けられそうに無い状況から、春需要に向けて国内相場の動向に注目です。

(真ダコ)
岩ダコ同様、真ダコの価格も上がっています。
岩ダコ以上の上げ幅ではない為、価格差が詰まってくる事も予想され、引き続き大型サイズ(6g・7g)の引き合いは強まる事が予想されます。

ベトナムカットダコ(岩ダコ)

ボイルカット、生カット含めて国内フリー玉はほぼ皆無の状況です。
端境期明けの新物搬入は恐らく5月以降であることから、中国産へのシフトが進んでいます。
中国が大幅な価格の上げを主張している中、ベトナム産新物との価格差が詰まってくる可能性もある事から、近年対日向けが減少傾向にあったベトナム産の買いも視野に入ってくる事が予想されます。

その他凍魚

赤 魚

イルミンガー海域の2011年度漁獲枠が2,000mt減の38,000mtで合意された模様です。資源保護の為、2012年32,000mt、2013年26,000mt、2014年20,000mtと、4年間で半減することについても合意されたとの情報です。
国内市況は需要期も外れたことから横ばいで推移していますが、この度の震災がどのように影響してくるか注目されます。
DAP赤魚の加工業者が三陸に集中していた為、今後のDAP赤魚の動向が気になります。
イルミンガー物は比較的中国加工のフィーレが中心の為、物流に大きな影響はないと思われますが、減枠もあり、今後の相場動向には注視していく必要があります。

い か

いか全般

この度の震災で三陸沿岸が壊滅的な被害を受けました。
八戸は三陸同様心配されましたが、一部沿岸部のメーカーの被害に留まった模様です。
イカ(スルメイカ・ムラサキイカ)は、三陸を代表する“さんま、かつお、さば”と同様各メーカーの根幹となる原料です。
その貴重な原料・製品が今回の震災で消失し、またメーカーも同様の状態です。
原料や製品を保管している冷蔵庫も津波で水浸しになったところもありましたが、密閉状態が良好で浸水を免れたところも多くあります。
全体的には80%は大丈夫であろうとの話もメーカーから聞いております。
震災の影響でイカ原料・製品全般の供給がタイトになりつつあり、今後もこの状態が続くと思われます。港や漁船も大打撃を受け、復興には相当時間がかかる様です。

ほたて貝

ホタテ貝柱

ホタテ貝柱は各サイズ品薄で、価格は天井知らずで一人歩きしている状況です。
新漁まであと2ヶ月以上ありますが、在庫はサイズ次第ではショートする見込みです。
新物は昨夏の水温上昇による生育不漁やザラボヤ(ホヤの一種で貝に付着し成長を妨げる害虫)被害によって減産見込みです。
また今回の東日本大地震による津波の影響も今後出てくると考えられていますが、具体的な被害の状況は未だ不明です。何れにせよ、新物に関してはマイナスの情報が多く、マーケットが更に縮小する可能性があり注意が必要です。

ボイルホタテ

オホーツク海のボイル向け新物原貝の入札が始まって1ヶ月以上経過しましたが、¥200/㎏以上の高値張り付き状態が続いています。
今期は減産確実で、予想水揚げ数量は前年対比60~70%となっていますが、今回の東日本大地震による津波の影響が次第に出てくると考えられており、更に高騰する可能性が大です。
今期のアソートが人気サイズのM~2Sに集中している点が唯一の救いと言えますが、新物製品は¥900/㎏を超えている状況です。

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