2011年3月号 (1/3) | ![]() |
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長い冬を越し、早春雪解けと共に咲く花を「スプリング・エフェメラル」(“春の儚い命”とか“春の妖精”)と呼ぶそうです(ユキワリソウ、フクジュソウ、エゾイチゲ、etc)。
心浮き立つ春です ♪♪♪
春の魚介も店頭に並び始めました。
メバル、チヌ、アナゴ、サワラ、アジ、ニシン、ハマグリ、・・・。
大阪湾での“いかなご漁解禁日”は、やや遅れて3月1日以降になりそうです。
3月号をお届け致します。
トロール物の水揚げは1月をもって終了しました。
水揚げTTL53,000mtで、2010年シーズン実績を大きく上回る結果となりましたが、結局価格の下げはなく、特に日本向けは数量が伸びませんでした。
(ノルウェーの輸出統計)1月輸出TTL21,246mt、日本向け1,269mt(2010シーズン1,310mt)、中国向け5,136mt( 〃 3,618mt)。
現在、国内マーケットは低調ですが、今後春先に向けて特に大型サイズの荷動きが活発化すると
予測されます。
対馬・山陰漁場で豆アジ主体に水揚げが増えてきています。
ただ、70gUPの割合は低く、脂感もまだまだなので、凍結スタートするのは早くても3月下旬頃と思われます。
[ ノルウェー陸冷物 ]
対日向けを約6,000mtと予測。
400gUPの現物少なく、(大卸相場)は¥210~220/kgと強含み。
300/400g型は、(大卸相場)¥180~190/kgと横ばい。
[ アイルランド陸冷物 ]
対日向け約1,500mtと予測。
大半が300gUPの大型の為、20kg・100尾前後のサイズは、殆どフリー玉無し。
(大卸相場)¥160~170/kg。
[ オランダ・イギリス・ドイツ・フランス船凍物 ]
対日向けとして、Channel産約11,000mt、西アイル産約5,000mtの合計1,600mtと予測。
相場は型・魚質にも寄りますが、Channel産(大卸相場) ¥180~210/kgと強含み。
西アイル産(大卸相場) ¥160~180/kgと横ばい。
(岩ダコ)
旧正月は明けましたが、本格的な生産は3月以降になると思われます。
決算絡みの安価品も一部出回っていますが、現地は原魚高・人件費のUPに伴うオファー価格の上昇が予想されます。
しかし、日本国内マーケットは横ばいで推移しており、価格の上げは荷動きの鈍化に繋がるといった中で各社様子見です。しかしながら、春季以降の値上げは避けられそうに無い状況と思われます。
(真ダコ)
アフリカタコの不漁で真ダコの価格も上がっており、今後特に大型サイズ(6g・7g)の引き合いは強まることが予想されます。
端境期であり、国内フリー玉はほぼ皆無の状況です。新物は恐らく5月以降と思われますが、近年の高値を受け、新物も高値スタートが予想されます。
対日向けの生産は年々減少しており、昨シーズンと違い中国が価格の上げを強調している為、中国の価格次第では一部商社が買いに入る可能性はあると思われます。
インドネシア、フィリピン等の中国、ベトナムに替わる供給元を模索する動きも強まってきています。
ここにきて問合せ・引き合いが幾分増えてきています。要因として、国内需要が増えたということよりも輸入数量の先細り懸念と思われます。
イルミンガーは、今までファジーな部分もあったオレンジとレッドの棲み分けがハッキリされるようになり(別々の漁獲枠設定)、日本向けレッドの数量が減ってくると思われます。
製品は、中国の工場稼動次第で左右されそうです。
船凍するめいか漁は終了となり、次の出漁は6月の予定です。
今のところ相場は落ち着いていますが、需要が高まる春に向けて注意が必要です。
主要港の一つである八戸港の船凍するめいか水揚げは(H22.6~H23.01)、BLK:数量1,305,667cs(前年比87.8%)、浜値平均単価@2,157(前年比143.7%)、IQF:数量 341,960cs(前年比48.4%)、浜値平均単価@2,471(前年比131.1%)と、なっています。
3月中旬までは約50隻の船が操業中です。
概ね順調に漁が進み、昨年来の品薄状態は払拭されました。
製品は昨年の高値原料をまだ持っているメーカーが殆どで、下げは今のところないようです。
ホタテ貝柱はM~2Sを中心に品薄で、高値張り付きが続いていますが、年末以降低調な荷動きにより比較的アソートが多い3S以下は若干の弱含みです。小型サイズ中心のアソートに加え、価格が高騰したことによりマーケットが縮小気味である為、価格次第では今後も低調な荷動きが予想されます。ただオホーツク海の新漁まであと3ヶ月以上あり、尚且つ減産濃厚な為価格の下落は期待できない状況です。
今期の噴火湾各地区の新物ホタテは昨年同時期の約2倍の浜値(¥160/kg台)でスタートしましたが、現在は¥200/kgを優に超えており、下がる気配は一向に見られない状況が続いています。
今期はザラボヤ(ホヤの一種で貝に付着し成長を妨げる害虫)被害や昨夏の猛暑による影響で原貝の死滅や生育不漁により昨対比30%減産が予想されており、製品価格は¥900/kg(NET800g)超えは確実視されています。異例の高値に今後はマーケットがどのような反応を示すのか注意が必要です。